SIGMA SD1 Merrill レヴュー | 1m71

1m71

札幌出身。日本各地、デンマーク、米国、印度、豪州、現在京都と専門職資格を手に生き抜く。欧州一周鉄道旅行、Amishとの異文化生活と千ドル中古車で北米大陸二度横断、マザーテレサの家ボランティアと世界を探検中。インスタグラムはonlyzeiss。

明日にシグマの新型カメラsd QUATTROが発売になるのでSD1メリルが現行製品のうちにレビューしたいと思い、投稿します。


2014年12月にこのレンズキットを購入。翌年4月にAPO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO を追加購入。
デジタル一眼レフは本機が初めてです。

SD1メリルは購入して1年半が経ちました。他のカメラと一緒に毎日持ち歩いていますが、いまだにフィルム中心なのでショット数が600に達していません。

【デザイン】

普通だと思います。


【画質】

このカメラはフォビオンセンサーの独自の世界に惚れこんで買うのですから画質はすばらしいものがあります。特に水の質感が好きです。
反面、露出が不安定です。また、高感度も強くなく、他のユーザーやカメラ誌の意見を参考にISO400を上限にして使っています。できる限り低感度で使用しています。

キットレンズの17-50ミリは解放F値が2.8なのでISO上限を400にしている私にとってはシャッタースピードが稼げて助かります。F2.8通しのレンズとしてはセットのおかげで格安で買えました。性能的には17-70ミリF2.8-4の方が優れているようですが、このキットレンズで満足しています。

アメリカでカラーフィルムのプリントもやった身としては、あの完全暗黒の中でプリントし、一枚ごとに暗室の外に出て色をチェックしてまた暗室に戻り補色フィルターの調整をしてプリントする過程の繰返しをしてベストなカラープリントを作成したた経験と比較すれば、このカメラのRAW現像は信じられないほど楽だと思います。
しかしパソコンのスクリーンでは機種ごとに色再現が違うので、自分の基準をはっきりさせないとフィルムプリントより迷ってしまうこと、パソコンをそこそこしか使えないのでなかなかうまくできません。


【操作性】

ダイアルのクリック感は良いのですが、ボタンを押す感覚が柔らかすぎる。もう少し固めにしてほしかった。
シャッターボタンの横に露出補正ボタンが配置されているが、F6を併用している身としては、紛らわしくて撮影するときに間違って押してしまう。


【バッテリー】

ソニーのスタミナバッテリーと比べるともたないですが、こんなものだと思います。

購入時梱包されていたのがBC-22とBP-22でした。予備バッテリーを一個購入しました。
オーストラリアで使うため、BC-21と2個のBP-21を購入しなおしました。

シグマでは電波法の改正のためBC-22とBP-22へ変更したとの説明でしたが、BC-22は新型なのに100ボルト対応でオーストラリアでは使えません。三千円台で買えるシェーバーでも海外対応なのに購入者にさらなる負担をもたらすのはたとえ安価でもいかがなものかと思います。


【携帯性】

電池なしの重さが700グラムと軽いです。軽いのに剛性感があります。体感的にF6よりかなり軽くて楽です。
大きさは他の一眼レフと比較して同等だと思います。


【機能性】

カタログスペックにはないですがミラーショックが少なく高級機のようです。4600万画素を生かす為の技術者の想いが伝わるようです。

視野率縦横98%、ファインダー倍率0.95倍で優秀な値ですが、さっと構えた場合F6のファインダーの方が見やすく撮影しやすい。

メモリが一杯になって処理時間待ちになってしまうのは、困る。処理時間待ちにシャッターチャンスが来たら撮れないと思うと一枚一枚大事に撮らざるを得ません。ある意味二眼レフを使っていたころを思い出します。


【液晶】

見づらいです。一、二世代前の印象です。RX100の液晶の方が見やすく、見ていて楽しい。


【ホールド感】

グリップ形状は良く、ホールド感に優れていると思います。 


【総評】

このカメラの評価は自分にとって何を最優先するかで変わると思いますが、やはり画質だと思います。画質優先で考えれば処理時間待ちも我慢できるのではないかと思います。
フィルムカメラは一枚数十円だとコストを考えながら撮ってしまいますが、SD1メリルの場合は無駄に多く撮ると処理時間待ちになってシャッターチャンスを逃すことになりかねないので一枚一枚大事に撮っています。

長く使えるカメラとの評価を掲載するカメラ誌がありますが、2019年か2020年に予想される他社の多層型センサー搭載のカメラの出現を踏まえてのフォビオンセンサーの素性の良さを評価したものでしょうか。

自分には手に余るカメラですが、水の質感が素晴らしく、海によく行く私はとりあえず2020年までは持っておこうかと思っています。こちらのコミュニティカレッジなどでRAW現像をしっかり習う機会があればいいのですが。

ミラーショックの少なさに高級機のような感触を覚えて感心する一方、基本部分であるはずの露出が不安定だったり、液晶が見づらかったりボタンを押す感覚が柔らかすぎたり、新型のバッテリーチャージャーが100ボルトのみの対応など、私にとっては多少ちぐはぐ感があります。当初20万円ほどで販売されたカメラとしてはバランスが取れていないと思います。
使いこなしていない自分が評価するのはおこがましいですが、満足度は4です。使いこなせるようになったら評価は5になると思います。