現在、世界には三つのリスクが覆っている。
今日、このブログを読んだ人のなかには二種類の人がいるはずだ。
タイプ1
「そんなことはとっくに知っている」と言う人。
その人は、普段から注意深く様々な経済動向を知っていて、あるいはそれをかなりの確度で正確に分析をしている人だろう。
タイプ2
「ええっ?」と絶句する人。
その人は、ほとんど何も興味を持っていなかったか、知る機会がなかったか、あるいは日々の生活に忙しすぎて情報を得る時間がなかったのどれかであろう。そして、おそらくこのタイプの人は9割以上であるはずだ。
さて、三つのリスクについて書こう。
よく消費税増税がリーマンショック級のリスクがない限り実施されると、政府関係者は言う。
ところで、リーマンショック級とはどの程度のものだろうか?
かつて、世界が震撼した経済のがけっぷちというものは、リーマンショックが最大ではなかった。
私の知る限りやはり、超のつく経済の崖とは、1928年の世界大恐慌だ。
当時を生きてきた人と話をした経験がある。
とてもひどい時代だった。
と彼は言った。
その時代に戻りたくはないと彼は遠い目をして話してくれた。
その人は、もう10年以上前に他界してしまったが、しかし、彼の遠い目は私の心の中で今もあの日と同じように映し出されている。
それは、とても悲しい目だった。
第二次世界大戦は多くの人々を殺した。
戦争に行った兵士だけではなく、爆撃を受けた一般の無辜だけでもない。
もっとも、恐ろしいのは飢えだった。
飢えというものは、恐ろしい。原爆や、水爆よりもずっと恐ろしいものなのだ。
それを、私たちは実際はどんなものなのかよく知らない。
ファスティングという遊びがある。
それは、腸を整える効果があるとか、あるいは宗教によってはその日の食事分を誰かに分け与えるという教えが含まれている場合もあるかもしれないし、太りすぎた人がダイエットに選ぶ方法なのかもしれない。
が、それは飢えではない。
飢えとは、腹が減っているだけではなく、絶対的多数の周りの大人たちも明日の糧のない絶望の中で、子供たちの死にゆく姿を眺めながら天を仰いで祈っている姿なのだ。
それは、戦争によって引き起こされたものだと直接的には言えるかもしれない。
だが、本質的ではない。
本質は、経済だ。
経済が回らなくなった時、人々は飢える。
経済は生き物である。
その生き物は動き回りのたうち回る巨大な龍だ。
どうか、その一端でも見えることができたなら、あなたは大金持ちになれるだろう。
それがどちらへ向かい、どのタイミングでしっぽをつかめば良いのかを知っていれば、あなたはFXトレードであれ、為替であれ、株式投資であれ、成功するはずだからだ。
ところが、それを知らなければ、あなたは、飢えながら死んでいくか、少し生き延びられたとしたら、誰かをののしりながら、それでも結局は本質が見えないままに、去っていくのだろう。
しかし、大金持ちになったからといって、あなたの人生は満足するわけではないだろう。
決して、幸せにもなってはいないだろう。
それは、金というものを持ってしまっただけの話であり、幸せや人生の満足という種類のものとは、まったく別の次元の話なのだから。
さて、ここまで書いた後、三つのリスクについて書かなければならない。
一つ目のリスク
これは言うまでもなく、現在のチャイナ リスクである。
時間軸で考えてみよう。
そう、経済とは時間軸で考えるものだからだ。
時計の針を2015年8月まで、戻してほしい。
上海の株価指数が暴落しているはずだ。
中国政府は、株式の売買を停止したり、あるいは政府の株式介入をはじめ3000ポイントを死守しようともがいている。
3000ポイントは何度も割り込み、そして何人かの逮捕者も出て、あるいは爆破事故などという物騒なことが、起きたりもして、そこで、株価は安定?させられた。
これは、しかし何も変わっていない。
力技で株価という数字をを操作したにすぎない。
ここで、勘違いしている人がいるかもしれないので、一つだけ付け加えておく。
数字は経済の指標になりうるが、実は経済そのものではない。
よく実体経済との乖離などという大げさな話を、もったいぶって言う評論家や、あるいは、マクドナルド指標などというものをいう評論家がいたならば、それは、なるほどと思わせるが、実は過去の数字を述べているだけだ。
経済は生き物だ。
常に動いている龍だ。
だから、過去の数字は経済そのものではない。
もう、その経済という名前の龍はそこにはいないからだ。
むろん、株価もこの範疇を逃れえない。
だが・・・
それでも、株式投資というものは、時間軸の最初のほうだ。
12時からスタートした12時間時計があったとすれば、おおよそ1~3時近くだ。これは、政府の金融引き締めが起きたら、やや時間をおいて最初の現象である。
それが、株式投資だ。
次に来るのは、先物の暴落だ。
株式が落ちると、必ず先物の商品が影響を受ける。
もちろん逆のように見える場合もあるが、それは おおよそ、株式の暴落を知った一部の人間が売りにげたためであって、商品が先に暴落することはない。この時間軸が3~4時ごろだ。
これらはすぐに現金化できる商品だから比較的、早い時間軸で結果が出る。
暴落はこの先だ。
最悪の6時が来る。
ここが経済の底だ。
つまり4時から6時の時間帯に起こることは何か?ということだが、それは不動産価格の暴落だ。
現在、中国には、この不動産価格の暴落が起きているか、起きつつある。
ところで、2008年のある日のこと。
リーマンショックで世界が揺れていた時の話だ。
私は、あるユダヤ人の尊敬する経理士の家にいた。
彼の名前は、オスカー 、下の名前は伏せておく。
彼は、ハンガリー生まれのユダヤ人で、ホロコーストの生き残りだった。
ロシアが入ってきた後、アウシュビッツへ送られる前にようやく解放されたが、その代わりにロシアに連行された。
シベリアで強制労働させられたのだ。
割に合わない話だが、そこで キャビネットを作る作業を覚えた。
彼がオーストラリアに移民してきた最初の仕事は、そこで覚えたキャビネット作りが役に立った。
人生を、何度も辛酸を受けて理不尽な中で潜り抜けてきた人には、しかし、すごみがある。
このすごみを、私は尊敬し、学び そして自分の中でひとつひとつ積み上げようとした。
私が大学に行き、そして、経理士となったのは、彼の影響が大きい。
そう、私は、経理士であり、この国で、小さなオフィスを構えている。
その オスカーが私に話してくれたことが今も残っている。
「中国は、やった。まったく 私はハットオフするよ」
あの時、中国は大きなインフラ計画をぶち上げた。
何もないところに鉄道を敷き、街を作り、何億トンもの鉄鋼を消費した。
中国は新幹線網ができあがり、そして、それは今も走っている。
もし、あの時、中国が世界の経済エンジンを買って出なかったら、リーマンショックはあの程度では済まなかっただろう。
オスカーが言うように、我々人類は、あのときの中国の判断と行動力に、もう少し敬意を払うべきなのかもしれない。
だが、西側諸国はほとんど、そのことを無視した。
無視して、なかったことにした。ただ、自分たちの危機管理能力が優れていたから、リーマンショックを乗り切ったのだと言い募ったか、もし、そこまで厚かましくはなかったにしても、結局は別の問題を投げかけたりもした。ISISなどは、その典型だったろう。
それにしても、あの2008年は、アメリカにとっては6時 不動産価格の暴落という最も最悪の事態だった。
もし、あの時に、バーナンキがいなければ、どうなっていただろう?
彼は、未曽有のバラマキをした。金融緩和も異次元だった。
米ドルが不足だと言えば、世界中のどこにでもばらまいた。
中国は、その流れに乗り、気流はGDPを押し上げた。
まずまず、そこまでは良かった。
もし、オスカーが今でも生きているならば、教えを乞いたいところだが、しかし、オスカーはもう他界してしまった。
私は自分の頭で考えなければならない。
現在の中国リスクを
中国の不動産が下がっている今の段階で、米国は中国を助けることはなく、それどころか、金融引き締めの流れを作っている。米ドルの価値が上がると、中国が為替操作をしていると、中国への関税を引き上げる。中国が今感じているプレッシャーの一つは米ドルとのペッグ制をやめなければならないということだろう。と、同時に、米国などの投資を中国人のパートナー抜きでできるという開放と、さらには、いつでも資金を流動(流出)できるという金融の自由という3パックの圧力だ。
結論から言えば、これらはすべて飲まざるを得ない。
毒の入ったお茶だが、他に飲むものがなければ、少しずつでも飲まなければ死んでしまう。
これが チャイナリスクだ。
二つ目のリスクについては明日から書いていこう。