※訂正しました。
少し前に、友達から聞いた話です。
彼女はペーザロに住んでいて、夏に行われるロッシーニ・フェスティバルにも、よく足を運んでいたようです。
ある時、彼女は、フローレスが出演する、「セビリアの理髪師」のゲネプロ練習を見学に行きました。
テノールにはよくあることなのだそうですが、フローレスは全く声を出さなかったそうです。
鼻歌のような感じで、確認するだけ・・といった感じ。
一方、フィガロ役のバリトンは、本気モードでバンバン歌っていたとか。
声を出さないフローレスに、指揮者が、
「少し声を出してもらえないだろうか」
と言ったところ、彼はとても不機嫌な顔になったそうです。
しかし、本番でのフローレスは大変素晴らしく、ゲネプロで本気モードで歌っていたバリトンは、明らかに声が出ていなかったとか。
身体が楽器のオペラ歌手。
当たり前のことなんでしょうが、自分の声の調子を、本番に最高潮に持っていく術を、みんな持っているんですね。
特に、テノール・・それも、フローレスのようにアクートを連発するような人だと、喉の調子も、ちょっとしたことで影響を受けるのかもしれません。
歌手にとっては数ある舞台の一つでも、観客にとっては、たった1回の貴重な舞台。
その1回1回を、満足出来る舞台にするための、アーティストの方々の努力に、改めて頭が下がります。
でも、オペラのゲネプロって見てみたいな♪
去年のMET来日公演でも、若い人を対象に、公開ゲネプロをやってましたよね。
観に行かれた方の感想を、ブログで読んだことがありますが、「椿姫」に出演したフレミングは、やはり流すように歌っていたそうです。
対して、ホロストフスキーは、ゲネとは思えないほどの全力投球だったとか・・・^_^;
ま、あのゲネプロは、本番の3日前だったから、全力で歌っても、それほど支障がなかったのかもしれないですが。
そっか、ゲネは普通に歌うものなんだ。
バレエのゲネも興味あります♪