ジルゼの事情 | シャオ2のブログ

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最近は着物と舞台に夢中

昨日アップしたのは、9/27の土曜日のこと。
明けて28(日)は観劇・鑑賞Day


まずは劇団鹿殺しの「ジルゼの事情」です。
場所は新神戸オリエンタル劇場。
実はここの劇場は2度目なんですが、ワタクシの人生において、エポックメーキング的な劇場でもあります。
思えばまだ10代の学生だったワタクシが、生まれてはじめて自腹でチケットを買って観た舞台が、ここ、オリエンタル劇場で上演されていた「王女メディア」でした。
子どものころから宝塚だのOSKだのの好きな母親に連れられて、劇場には度々足を運んでいましたが、それも小学生までのこと。
中学になると親に連れられて観劇なんてこともなくなり、劇場ってものがどんなところかの記憶すら曖昧になっておりました。
当時は小劇場が一大ブームを巻き起こしていて、今は亡きらもさん率いるリリパット・アーミーだの、すっかり大劇団になってしまった新感線だのが学生の間では流行っておりましたねぇ。
ですが、ワタクシが観にいったのは、蜷川幸雄氏。しかもギリシャ悲劇。
すでに演出家としては名を成していた蜷川氏ですが、ワタクシが興味を引かれたのは、その名声じゃなく、実は衣装だったり
「王女メディア」の衣装を、人形作家の辻村ジュサブロー氏が手がけたということで、それが見たくて行ったのでした。
結果として、衣装の素晴らしさもさることながら、芝居を観ることの面白さに目覚めてしまったわけで、今となっては良かったのか悪かったのか……


閑話休題。
昔話はともかく、当日は梅田か三宮でご飯食べようと早めに家を出たにも関わらず、なんかよく分からない車両トラブルで、阪和線大遅延
結局、昼ごはんも食べられず、途中の売店でサンドイッチを買う羽目に。
当時の交際相手が思いっきり体育会系で、横で寝そうになってたなぁとか思いつつ、劇場に到着したのが、開場時間ギリギリ。
「ジルゼの事情」は休憩時間なしなので、開演前にサンドイッチを頬張ってから、座席へ。
この劇場、1階席はまあ普通ですが、2階席と3階席がやや変形している造りで、ああ、こんなんだったなぁと懐かしく思い出しました。


さて、「ジルゼの事情」
これは、去年のいつだったかな、上演された舞台の再演で、初演の時はどうしても日程が都合つかなくて観に行けなかったもの。
なので、再演と聞いて、非常に嬉しかった演目です。
歌手のCoccoが主演で、バレエのジゼルが下敷きになったお話。
クラシックバレエの名作を、劇団の脚本家である丸尾さんが現代に置き換えて書いたものですが、非常に上手くできてる。
王子様であるデジレが野心あふれる若社長設定だったり、恋する乙女ジゼルが引っ込み思案でメンタルに問題を抱えてるアラサー女子だったり、上手くアレンジしてるなぁという印象。
表向きはむしろありえんだろうというシチュと無理やりな展開で進んでいく物語のその奥底にチラリと見える深い闇に戦慄。
台詞自体は平易な言葉だし、随所に吉本か!と突っ込みたくなるような強引な笑いどころが用意されてるし、ぱっと見は気軽で手軽な、ちょっぴりホラーなお話、って体裁なのになぁ。
この辺りの手腕は、さすが丸尾氏、といったところなのでしょう。
親子の愛情、姉妹の愛憎、恋愛の魔力、そういったものがストーリーの中で絡み合って、ドロドロになりそうなのに、幕が上がった後の妙な爽快感も、鹿殺しだなぁ、と。

しかしながら、今回に限れば、そういう感想は、実は枝葉末節のことに過ぎないというのがこの芝居の凄さかと。

なんでか、というと、やはりCoccoなのです。
劇中、唯一のソロ歌唱がラスト近くに一曲だけあります。
それがまさに圧巻
それまでの演技での危うい存在感も素晴らしかった(儚げなのに、ずっしり中心にいる感じが他の人には真似できない彼女独特のものではないかと)ですが、そういうのは、彼女の一部というか端っこの部分であって、本当に根っから歌姫なのだなぁ、と。
彼女の歌が劇場中に響き渡っている間、ワタクシ、何にも考えてませんでした。
ひたすら彼女の歌に引き込まれて、その世界に漂っていた感じ。
あの歌一曲のためだけでも、観る価値のある舞台ですよ、これ。
そして、あの歌に全てを収束させるために、この脚本は書かれてたんだなぁと思いました。
考えてみれば、すごいことだよね、それって。
……やっぱり初演も観ておくべきだった~
今更ながらめっちゃ後悔したよ。



で、こんな気分を引きずったまま次へ、というのはちょいと精神的にアレなので、インターバルとサンドイッチしか食べてないお腹を宥めるために、三宮と元町の間にあるカフェへ。
1~3階は服屋になってるビルの4階にある「Cafe Madu」へ。
確か、前にキモノデコレーションだかに行った時にもここに寄ったんだよね。
あの時美味しかったから、再訪です。
今回は15時以降でないと注文できないフレンチトーストとアイスティーを。

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熱々のフレンチトーストの上にバニラアイスと生クリームとベリーソースがかかってて、めっちゃ美味しかった~

甘いもの食べて、お腹も膨れて気分も切り替えられたし、今度は京都へGO

というわけで、続く…