後ろから宣伝【44】~凄腕アテンダントの技 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

2010年頃の普通列車グリーン車での話です。

2010年当時も現在も、グリーンアテンダントの中には腕の良い人がいます。

ただ「グリーンアテンダントが乗務」「Suicaで頭上にタッチして青ランプ」という制度が導入されたは2004年ですから、経験豊富なベテランは少数派でした。

ですから《凄腕アテンダント》は、非常に目立っていて衝撃的でした。

当時、私は勝手に「カリスマアテンダント」と呼んでいた6~7の中の1人の接客です。

 

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当時は「リーダー」と呼ばれる金色のバッジをつけたアテンダントさんがいて、その中の1人が凄かったのです。

「リーダー」ですから、新人育成も担当します。

新人が仕事っぷりを見るために、「リーダー」のアテンダントの後ろについて、車内を歩いています。

ある日、私が始発駅からグリーン車に乗ろうとすると、次の次の列車に乗り込むべく、あの《凄腕アテンダント》(敬称略)が待機しました。新人も付いていたので、時間に余裕を持ってホームに来たようです。私は《凄腕アテンダント》が乗務するなら、と1本遅らせて乗車しました。

 

平日午後1時頃の上野から大宮までのグリーン車1階ですから、乗客は私とあと1人だけ。すごく空いていました。

1回目の巡回で、私は缶コーヒーを購入しました。

その際には「今日も凄技を見せてくださいね、期待してますよ~」と挨拶しました。

何度も買っていますので、顔見知りなのです。

2回目の巡回が来ました。

「崎陽軒のシウマイ」の単品販売をしながら、後方から歩いてきました。すると、

もともと後方から超徐行の牛歩状態で歩いてきたのですが、私の後ろ約1mの地点で立ち止まりながらPR。

「真空パックの商品で、大変好評をいただいております~」

「ご訪問先へのお土産に、いかがでしょうか~」

乗客の目の前に立ち止まって、何十秒もお土産品の宣伝をするのは、押しつけがましいと感じる可能性大です。

ですが、乗客の視野に入らない後方1mの通路なら、嫌らしさは低減しますから、シウマイの宣伝を続けられたのです。

これは《凄腕アテンダント》による、ある意味で凄技です。感心してしまいました。

是非とも売りたいのだなと感じ取って、私は振り向いて、「じゃあ、1箱ちょうだいします(^^)/」と告げました。

すると、後方から付いてきた新人にパッと交代!新人アテンダントさんから買うことになりました。

 

私は買う際に、こういうことをしゃべろうかなと思っていました。

『前に立ち止まりながらシウマイのPRは感じ悪いけど、後ろからなら不自然でないですね。』などと話しながら買いたかったのですけど、できませんでした。率直に言って、少し寂しかったですけど(^_-)-☆

おそらく、新人にシウマイの売り方を経験させたかったのだと思います。

売り方の技を伝えると共に、成功体験を1回してもらうのは、大切でしょう。

 

この《凄腕アテンダントさん》は、上野東京ライン開業日、栄えある早朝上り1番列車にも抜擢されたエース格でした。

現在は乗務していないのは残念です。

 

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5月の連休明けには、普通列車グリーン車で新人アテンダントの研修が目立つようになりました。

ゴールデンウイーク中は、混雑する列車も多く、不慣れな新人に教える余裕はなかったようで、連休明けの5月7日以降には新人研修が一気に増えたように感じました。

総武快速線で、明らかに緊張感の固まりの新人が、車内販売のカゴを持って来ました。

昼間の1階で、乗客は私だけよ、わたし1人だけ。

後ろから非常にゆっくり進んできました。

何か10年以上前の《凄腕アテンダント》の「後ろからPR」そっくりの緊張状態になりました。

これは買うしかないでしょ。

夕方に仕事があるので、お酒は持ち帰ってからいただきました。
 
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現在、普通列車グリーン車の車内販売では、北陸で有名な「カレービーバー」が購入できます。
このカレービーバーですが、近いうちに販売は終了となるそうです。
「カレー」ではなくて他の味(塩味?)に切り替わるという噂を聞きました。ホントかな?