私の仕事は、中学受験の受験生を教えることです。
1月から2月の初めまでは、入試直前の最繁忙期となります。
私は主に、算数や理科を教えています。
小学校では習わない特殊な文章題を教えたりします。
算数・数学が嫌いな方々、今回はごめんなさい。
文章題の代表格が「つるかめ算」です。
鶴は足2本・亀は足4本で本数が違うことを利用するのが名前の由来となった文章題です。
そこで鉄道ファン向けの文章題を、1つ取り上げます。
【問題】
はやぶさ号は1両25m、こまち号は1両20mです。
はやぶさ号とこまち号が合わせて17両連結されていて、全長が390mです。
はやぶさ号は( )両、こまち号は( )両です。
みなさんは、どう解くでしょうか?
【解法1】連立方程式
多くの人が使うのは、中学2年で習う「連立方程式」です。
小学生は原則として使わない方法です。
はやぶさX両、こまちY両とすると、
25X+20Y=390・・・①
X+Y=17・・・②
下の②の式だけを20倍して
25X+20Y=390・・・①
20X+20Y=340・・③(②を20倍)
上の式から下の式を引くと
5X =50・・・④
X =10
はやぶさX両は10両となります。
こまちY両は17-10=7両となります。
【解法2】つるかめ算
もし全部短い20mこまち号なら、
20m×17両=340mになります。
でも実際は390mですから、
390m-340m=50m長くなります。
そこで1両をこまち号からはやぶさ号に変えると、
25m-20m=5m長くなります。
1両5m、全部で50m長くなるなら
全部で50m÷1両あたり5m=10両となります。
はやぶさは10両、こまちは17両-10両で答7両。
ただし・・・慣れないと途中で止まってしまいます。
そこで受験生には、面積図で教えることが多いです。
【解法3】つるかめ算を面積図で
何しろ結構長いステップを踏む文章題です。
途中で「次にどうするんだっけ?」と頭が止まりがちです。
そこで、単純計算を早くするために面積図を利用することが多いです。
《ステップ1》面積図の考え方
タテは1両の長さ、ヨコは何両か、かけ算した面積は全長となります。
1両20mの気動車が3両編成なら、全長60mになります。
《ステップ2》面積図を書く
1両20mと25mがあって、全部で17両。全長(面積)は390m。
半分出っ張った面積図になります。
《ステップ3》下の部分を埋める
もし全部こまち号なら340mだから、50m短くなる点に注目。
《ステップ4》上の部分を埋める
上の出っ張りは50m。1両で5mの差で50m差になるわけですから、
50÷5=10両。はやぶさ号が10両ですから、こまち号は17-10=7両です。
こういうこと教えて、乗り鉄の費用を稼いでいるのです。
なお、「はやぶさ号の先頭車両は25mより長い」「こまち号の中間車も正確には20mではない」という上級者からの突っ込みは、勘弁してください(^^)/。
それより、鉄道ファンなら、こまち号は7両くらい覚えているって?・・失礼いたしました~。
普段は、約100いいねを頂戴していますが、半減覚悟の記事です。
【類題を用意】
太郎君は、普通列車グリーン車に20回乗りました。
グリーン料金は、平日780円、土曜休日580円です。
20回の料金の合計が14200円の時、平日に利用した回数を求めなさい。
・・・成績イマイチの生徒に教える時には、類題を用意するのが基本なもので。
解答は、最後に↓
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《類題の解答》
平日に乗った回数は、13回です。