JR西日本の観光特急「花嫁のれん」に乗ってきた話、前回は車両と座席について。
今回は車内販売と接客について。
【1】車内販売カウンター
「花嫁のれん」の車内販売は、車内販売スペース(販売カウンター)で実施しています。
ワゴン販売での巡回はありませんが、短い2両編成ですから、簡単に買いに行けます。
(↑2019年3月撮影)
今まで2回は、往復で「花嫁のれん」に乗りましたが、今回は片道だけで乗りました。
アテンダントさんがいないタイミングで撮ろうとしたら、機会がなくなってしまいました。
そのため上の写真だけは3年前のです。
カウンターでは、商品と商品の写真が分かりやすく並んでいます。
カウンターの前に行って、選ぶのもアリでしょう。
【2】車内販売
販売カウンターに出向いて、2品を購入しました。
1つは、「輪島サイダー里山」250円です。
青く澄み切った色は、美味そうに見えました。
(販売者は石川県輪島市ですが、製造者は北海道?まあ美味かったから良いかな。観光地あるあるですね)
2つ目は、金沢金箔ショコラ290円です。
金箔がついています。金沢らしい食べ物です。
【3】今回は予約せず
「花嫁のれん」では、予約制での注文もできます。
下り1号3号が「スイーツセット」、上り4号が「ほろよいセット」、上り2号が「和軽食セット」です。
私は3号に乗りましたが、2016年、2019年と予約しましたので、今回は「一万三千尺物語」で寿司を食べた直後ということもあり、予約しませんでした。
参考までに2019年乗車時の予約セットです。(スイーツの種類を除いて大きな差はなさそうです。)
《スイーツセット》・・・2000円
コーヒーとスイーツです。
お土産にもなる焼き菓子の箱がつきます。
《ほろよいセット》・・・2000円
料理に加えて、日本酒と加賀棒茶がつきます。
【4】記念撮影ボード
記念撮影ボードを持って、和装アテンダントが席にやってきました。
私は「ボードだけ撮らせてください」とお願いしました。
数分後に、2号車の大型モニター画面を撮っていなかったなと気づき、2号車を撮りに行きました。
そして1号車の席に戻ろうと、販売カウンターの前を通ると、別の男性アテンダントさんから声をかけられました。
「記念撮影ボード、ありますよぉ」
オヤジが1人で乗る姿を撮っても、絵にならないので丁寧に辞退しました。
でも何度も勧められたので、お願いしました。
【5】お手振りで感激
私は、終点・和倉温泉駅の1つ手前、七尾駅から「のと里山里海号」に乗り換えます。
そこで、七尾駅で降りて、あと一駅走る「花嫁のれん号」に、ホームから「お手振り」をしました。
上の写真のように、七尾駅ホームで、駅員さんから少し離れて、「花嫁のれん号」が発車した際に「お手振り」です。
車内の乗客の半数くらいは気づいてくれて、振り返していただきました。
そして、先ほど記念撮影をしてくれた男性アテンダントさんも気づいて、手を振り返してくれました。
こういうの、気分良いです。
(大きな「手」です↑)
ところが、更に続きがあります。
私は7分後に、のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」穴水行に乗りかえて、七尾駅を出発しました。
次の和倉温泉駅に着いた際は、「花嫁のれん」も到着して7分後。終点に着いたアテンダントさんは「乗客が忘れ物をしてないか」などを確認する車内点検中でした。
まだ和倉温泉駅のホームにいる観光客に再び手を振るくらいはできるかな?と私は思って、大きな「手」を構えていると、先ほどの男性アテンダントさんと目が合いました。
そして!!「のと里山里海号」が発車する際には、ホームの先頭にアテンダント仲間と一緒に並んで、大きく手を振ってくれたのです。
仕事としてじゃなくて、楽しいからお手振りしてる!
気持ちが伝わります。こういうの素敵です。
【6】社員アテンダントの強み
特急「花嫁のれん」に乗務するアテンダントは、運行開始の2015年より老舗旅館「加賀屋」などに委託してきました。
2021年4月からは、JR西日本の社員が直接、アテンダントとして乗務することになりました。
前回2019年3月に「花嫁のれん」に乗車したも、素敵な接客で満足して帰ってきました。(2016年に乗った際は、とんでもない低レベルな部分が目立ちましたけど)
今回は、最後の「お手振り」に代表されるように、一層接客レベルが上がったと感じました。
今回あらためて感じたは、次の点です。
『社員なら、思い切った《攻めの接客》ができる』
契約期間1~2年の派遣の人でしたら、裏目に出るかもしれない攻めの接客はしにくいと思います。
今回は、こういうやりとりがありました。
アテンダント「記念写真ボードありますよぉ」
わたし「いや~いいですよぉ(#^.^#)」
アテンダント「記念にいかがですか?」
わたし「いい歳したオヤジを撮っても絵にならんですよ(^^)/」
アテンダント「でもせっかくですから~」
わたし「・・・それじゃあ、頼みますかぁ」
こういう声かけを200人の客にすれば、そのうちの1人は「しつこい!」と怒って本社にクレーム入れるかもしれません。身分が不安定な派遣の人でしたら、ミスしない接客を考えがちで、攻めの接客はしにくいのでしょう。(金沢支社だから・・という訳ではなさそうな気がしますけど)
上の写真は金沢駅を発車する前に、車掌さんが乗客に「お撮りしましょうか」と声をかけて撮る場面です。
アテンダントは、運転士、技術職、内勤の事務職など多くの社員の中から希望者を募って、研修した上で「花嫁のれん」に乗務しています。
ですから、車掌さんにしてみれば「同じJR西日本の社員が頑張っているなら自分も!」と思うハズです。
JR四国の「四国まんなか千年ものがたり」では、桜の季節には社員のアテンダントが運転士に「今日、桜が満開な区間は××ですので、徐行をお願いします」といった社員でないと提案しにくい連携もとっています。
「花嫁のれん」でも、様々な連携が進むのではないかと考えます。
今までの「花嫁のれん」の記事はこちら↓