観光列車・レストラン列車では、列車内で様々な料理を、乗客に提供します。
その際の「水」は、ペットボトルでミネラルウォーターが出されるのが一般的です。
今回は、ミネラルウォーターの話。
【1】グラスで水が出される列車
グラスに入った水が出される列車は少数派です。
大きな理由は、手間が必要だからでしょう。
ペットボトルなら、「もう1本くれ」という客はいないと思います。
「大きく揺れたらこぼれる」のは、ビールやコーヒーと同じですから、関係ないと思います。
別料金で飲み物を注文してもらうのを期待してということは、主な理由ではないと思います。
京都丹後鉄道の「くろまつ」では、グラスに入った水を提供しています。
畳のような美しいコースターでした。
1両なのに、何人ものアテンダントが乗務しているからこそできるのでしょう。
使い終わったグラスを割れないように収納して、地上の洗う場所に持ち帰るのも、結構手間がかかるようです。
【2】ウェルカムドリンクありで、水無し
料理と一緒に飲む飲み物を、最初に渡して、特に水を用意しない列車もあります。
「或る列車」「ザロイヤルエクスプレス」は、コーヒーやビールも含めて、飲み物に追加料金は不要です。
料金が高いだけのことはありますが、それなりの振る舞いをする必要があるでしょう。
(写真は「或る列車」2020年3月)
【3】多くは常温のペットボトル
食事が提供される観光列車では、水が出されることが多いです。
その多くは、ペットボトルで、夏でも冷やしていない常温です。
常温の理由ですが、
(1)2時間程度運行する列車が多く、すぐぬるくなってしまう。
(2)特に夏は水滴でテーブルが濡れてしまう。
(3)列車によっては、冷やすのに必要な冷蔵庫のスペースの確保が難しい。
こんなところでしょうか。
JR四国の観光列車では、初期の頃は水無しでしたが、食事に「いろはす」をつける列車が増えました。
【4】多くは地元の天然水
ペットボトルの水を出すのでしたら、やはり地元のミネラルウォーターがポイント高いです。
せっかく長野県に来たのなら、長野県の周辺で採れた水を飲みたいものです。
★ろくもん
しなの鉄道「ろくもん」では、長野・安曇野の「山のしずく」を出しています。
飲み物が1つ無料ですから、私はたいてい「ビール2本セット」をお願いして、水は持ち帰りますけど。
★おれんじ食堂
熊本と鹿児島を走る「おれんじ食堂」では、こしき海洋深層水のペットボトルです。
何かな?と注目されて、知名度アップにもつながるかもしれません。
★ながら
長良川鉄道の観光列車「ながら」では、地元の関市で採れた水をペットボトルにして出しています。
関商工高校とのコラボ商品とか。
★しまてつカフェトレイン
長崎県の島原鉄道の観光列車では、地元・雲仙島原の天然水を利用しています。
8月の乗車で、ホットコーヒーでしたので、冷たい水は有難かったです。
★一万三千尺物語
あいの風とやま鉄道の「一万三千尺物語」は、立山の王殿の湧水です。
あの立山の湧き水なら、ウマいに決まっています。
★雪月花
えちごトキめき鉄道の「雪月花」で出された水は、新潟県の胎内市の水です。
同じ新潟県でも、少し離れた中条駅(新潟と村上の間)がある市で採れた水です。
★ことこと列車
福岡県の平成筑豊鉄道の「ことこと列車」、ここでは「直方隕石の郷 力水427」です。
地元直方市のミネラルウォーターです。
★サフィール踊り子
JR東日本の全車グリーン車の特急「サフィール踊り子」、予約制のカフェテリアがあります。
ここでパスタやカレーを頼むと、天然水のペットボトルがついてきます。
下田市にある観音温泉の水です。沿線の水は気分が出ます。
【5】鉄道会社のミネラルウォーター
食事が出る観光列車でなくても、鉄道会社のミネラルウォーターがあります。
★青の交響曲
近鉄の特急「青の交響曲」で、カレーを頼むとペットボトルの水がついてきました。
奈良大和肉鶏カレー1100円で、オリジナルラベルの「ごろごろ水」がついてきます。
★富士急行
富士急行のミネラルウォーターです。
イベント参加時にいただきました。富士山ビュー特急の絵が素敵です。
★海里
羽越線を走る観光列車「海里」で、車内の販売カウンターで購入しました。
列車名が入っている水、買いたくなったのです。
★岳南電車
静岡県の富士山の近くを走る岳南電車。ここでも鉄道会社名が入った水があります。
夜景を楽しむ列車に乗った際にもらいました。
★JR東日本
信号機故障で「あずさ」が6時間遅れたときに、甲府駅でもらった水とパン。
5年間保存できるようになっている水です。
採水地は岐阜県の関市。「ながら」で配られた水と同じ会社「奥長良川名水株式会社」のミネラルウォーターです。
この時の話はこちら↓
食事には地元のミネラルウォーターをつけると、旅の気分が高まります。
今回は観光列車の目立たない脇役、ミネラルウォーターの話でした。