私は各地の観光列車に乗るのが好きなマニアです。
いくつかの観光列車では、繰り返し乗りに行く「常連客」「リピーター」になっています。
常連客なら、アテンダントさんや、「おもてなし」をする地元の方とともに、観光列車を盛り上げるような振る舞いをしたいです。
そのほうが、みんな楽しいのです。
一般客からヒンシュクを買うふるまいを常連客がしたら、アテンダントさんは困るでしょうから、おとなしくすべき点もありますが。
では、具体的にどうするのか、
基本的には「常連客は切り込み隊長になる」のです。
率先して動いて、他の不慣れな観光客に楽しんでもらうきっかけを作るのです。
■上田駅で記念撮影~ろくもん
しなの鉄道の観光列車「ろくもん」は、上田駅で数分停車します。
この時間を使って、ホームで記念写真を撮ることができます。
(「駅長さんの異動」と「コロナの影響前」の記念写真↑)
上田駅では、アテンダントさんが記念撮影を促すのですが、なかなか率先して記念撮影をする人はいません。
もちろん、照れて記念撮影の踏ん切りがつかない場合もあるでしょう。
案外多いのは、4~5組の客がホームに降りると、自分たちが他の客より先に1番乗りするのは、申し訳ないと感じる人がいるみたいです。
そんな時には、私が一番乗りして、テンション高く短時間でパッと「見本?」を見せるのです。すると、他の乗客もあとに続きやすくなります。
■能代駅の「フリースロー」~リゾートしらかみ
秋田県と青森県を走る「リゾートしらかみ」は、バスケットボールの街・能代駅で数分停車する列車があります。
停車時間で、能代駅のホームでは、フリースローを乗客にしてもらいます。
今まで約5回、フリースローができる「リゾートしらかみ」に乗りました。
ほとんどは乗客は、率先してフリースローをしようとはしません。
「注目される1人目が外すとみっともない」と感じるようです。
「下手な人でも気軽に参加してよい」と思っていない人もいるでしょう。
多くの人が尻込みしている状態だったら、球技が下手な私が一番乗りして、わざとではないですが結果的に外すのです。
これで後に続きやすくなります。
放送での説明を聞いてない人も、「ホームでバスケやってんの?」と見せることができます。
もちろん、積極的にフリースローに参加しようとする人が多ければ、私は並ばずに近くで見ています。
■千畳敷駅で~リゾートしらかみ
同じく「リゾートしらかみ」が停まり、下車観光できるのが千畳敷駅です。
駅から徒歩1分の場所に写真のような海岸があります。
でも多くの人は、高台で眺めるだけです。
もちろん岩の部分は転びやすいので、眺めるだけでも良いのですが、岩の部分まで歩くこともできます。
最初の2分ほど、高い場所から眺めるだけでしたが、私が岩の部分に歩いて行ったら、あとをついてくる人がいました。
■須崎駅19分劇場~「志国土佐時代の夜明けのものがたり」
運行1周年を迎えたJR四国の観光列車「志国土佐時代の夜明けのものがたり」
この上り「開花の抄」では、須崎駅で19分間停車します。
そして地元の方々から「おもてなし」を受けます。今月から「須崎駅19分劇場」と名付けられました。
毎回同じではなく、和太鼓や吹奏楽の演奏、日本舞踊やフ ラダンス、しばてん踊りに新体操と、日によって様々です。
比較的多いのが、こちら↑のように木製の台を太鼓のように叩きながら踊るイベントです。
当初は地元の人たちが踊っていたのですが、近ごろは乗客を巻き込んで一緒に踊るスタイルになっています。
3月末に乗ったところ、「JR四国の観光列車の常連客」と言えそうな何人かは、誰も乗っていませんでした。
常連さんの多くは、積極的に参加して一緒に盛り上げてくれるのですが、一人もいなければ私が「斬り込み隊長」になるしかありません。
津波だと「率先避難者」がいると、周囲の人も避難しようかと考えるようになります。
こちらも、「率先参加者」がいると、続いて参加したくなるのでは、と考えます。
いやあ、踊って良い汗かきました。
■ホームの特産品販売
観光列車の停車駅では、ホームで地元の特産品を販売を行うことがあります。
けっこう安くて、その土地の風情を感じられる品があるので、どんな品物があるか、のぞく価値はあると思います。
でも、ホームに降りない人もいるのです。
(写真は「伊予灘ものがたり」の伊予長浜駅の販売↑)
ここでも、率先して品物を見に行きます。
販売する側は、手間がかかる割には、さほど利益は大きくない気がします。それなのに列車に向かって大きく手を振ってくれる気持ちが有難いのです。「儲からないから販売打ち切り」にならないようにと願いを込めて。
■車内に品物を持ち歩きPR
観光列車には、記念乗車証が置いてあり、スタンプを押せる列車があります。
ところが、記念乗車証があることは、あまり放送で案内されることはありません。
(↑リゾートしらかみのスタンプ 2016年撮影)
そんな場合、私は早めにスタンプを押し、目立つように記念乗車証を持ちながら車内を歩く時があります。
何回か、「えっ、そのスタンプ、どこにあるの?」と乗客に聞かれたことがあります。
やや目立つように設備を利用すると、知らない人が「そんなのあるんだ」と知ることができます。
これに近くて、結果的に目立ったのが、生ビールです。
富士急行の「富士登山電車」では、生ビールの販売をしていた時期があります。
私は、珍しい生ビールをアテンダントさんから購入。ビールを持ちながら車内をウロチョロしたところ、何人かの乗客から、生ビールに視線を向けられました。
■被災地にメッセージ
昨年、博多~門司港を走る「やませみかわせみ・いさぶろうしんぺい」に乗車しました。
その途中で、アテンダントさんが、人吉など洪水で被災した地域にメッセージを書きませんかと案内がありました。
でも応じた人はいませんでしたので、だったら「斬りこみ隊長」になるべ!と思い、私は書きました。