「かわせみやませみ」は、熊本と人吉を結ぶJR九州の観光特急だ。
JR九州の観光列車は、超高額な「ななつぼし」を除くと、全部乗車したのだが、昨年「かわせみやませみ」が運行開始となった。何とかして制覇しようと思っていて、やっと乗ることができた。
今回は「かわせみやませみ」の車両について。
【1】2色の車体
「やませみかわせみ」は、2両編成。旧式のディーゼルカーをリニューアルしたものだ。
「やませみ」車両は、深緑の塗装↑。
「かわせみ」車両は、青色の塗装だ。
2号車の「やませみ」は「山翡翠」という漢字、1号車の「かわせみ」は「翡翠」という漢字を使っていてる。
今これを打ち込んでいるパソコンでは、「かわせみ」と打ち込んでも「翡翠」と出るし、「ひすい」と打ち込んでも「翡翠」と変換される。
1年たっても、車両はピカピカで、輝いている↑。
窓がない販売カウンターを車両の外から見ると、こうなっている↓。カッコいい。
列車の先頭の上部には、「かわせみ」「やませみ」のエンブレムが飾られている。
案外目立たないけど、他に見られない特色だ。
【2】リクライニングシート
「かわせみやませみ」は6本のうち、3号から6号は全車指定席になっている。
指定席74席のうち、40席は「リクライニングシート」だ。
座席は、隣と微妙に違ったデザインになっている。
テーブルは、真ん中のひじかけから取り出す。
1号車「かわせみ」車両は、青系統の座席になっている。
森の中にいる雰囲気を出しているような天井だ。
ライトは天井からと、柱の明かりを活用している。
【3】個性的な座席
JR九州の観光特急「かわせみやませみ」は、個性的な座席が多数、用意されている。
《4人テーブル席》
テーブル席が用意されている。4人用が2か所ある。(1号車15番ABCD、2号車2番ABCD)
リクライニングはしないが、大きなテーブルがあり、席もゆったりしていて、4人で乗るならおススメの席だ。
《2人用テーブル席》
2人用テーブル席も2か所ある。(2号車1番AD、3番AD)
写真の3番AD席は、窓が狭くてやや残念になっている。
1号車16番CD席は、形は違うが2人用の席になっている。
《ソファー席》
景色が良い球磨川に沿って走るのに、景色がやや見にくい面がある。しかし、ゆったりしたソファーで、飲み物や弁当を置くテーブルもある。これは快適な席と言える。(2号車14番CD、15番CD)
《カウンター席》
窓に向けたカウンター席もある。一人で乗るなら最適な席だ。背もたれは堅めの木なので、ソファー席よりは座り心地は下だが、景色が良く見える。(1号車7A・10A・11A・12A・13A・14A、7D・8D・9D・10D、2号車4A・5A・6A・7Aの計14席)
私は往復で乗ったが、「かわせみやませみ5号」は、このカウンター席に座った。
《こども椅子》
小さな子ども用の椅子が3脚用意されている。こちらは指定席ではなく、早い者勝ちになる。
1号車の7Aと10A席に挟まれている。だから、小学校入学前の子連れなら、1号車7Aか10Aの席を確保すると、すぐ隣に子どもが座れる。
《ベンチシート》
2号車の8Dと9Dの席は、「ベンチシート」となっている。
大きな座席なので、座り心地はよい。使用できるテーブルも広いので、弁当や携帯電話の充電器などを広げられて、使いやすい席と言える。広いから、小学校入学前の親子で座るのにも適した席だ。そのため、料金は210円高い。
【4】特急券の口座
「かわせみやませみ」の特急券を入手する際の注意。
「JR東日本の指定券券売機」や「JR九州のインターネット予約」では、リクライニングシートしか確保できない。
テーブル席やソファー席は、みどりの窓口で購入する必要がある。
JR東日本の指定券券売機でも、「指宿のたまて箱」ならカウンター席も発券可能だが、「かわせみやませみ」は不可になっている。
私がJR東日本の池袋駅で発券を頼んだ。ところが、リクライニングシートはOKだったのが、カウンター席が出てこない。
「別口座になっているハズなので何とか探してください」とお願いしたが、5分試してもダメ。奥のベテラン係員から知恵を借りて、何度か操作して、やっと発券することができた。(夜8時過ぎで、窓口は空いていたので念のため)
特急券の列車名が「かわせみやませみS5号」「やませみかわせみB4号」となっている。
「B」はベンチシートの略らしい。ベンチシートは210円増しだから、料金が高くなっている。
【5】スタンプ
記念乗車証が、用意されている。スタンプを押して、記念にすることができる。
これで全制覇だ。
スタンプの隣には、双眼鏡も車内に用意してある。
これで、鳥の観察もできる。走っている時は、なかなかわからない気がするが。
【6】丸窓から見える景色
窓から景色が見えにくい席でも、見やすい場所が用意してある。
観察用の丸窓だ。台が用意してあって、小さい子どもでも、見やすくなっている。
ここから球磨川を眺めるのも、いとをかし。
もともと、窓枠も趣のある木製だし、柱についている明かりも、すごく凝っている。
ここから美しい球磨川を眺めるのは、気分が落ち着く。
【7】感想~すごい車体
JR九州には水戸岡車両が多いが、最新車両だけあって、居住性と豪華さは、群を抜く。
率直に言って、次の日に「指宿のたまて箱」に乗ったのだが、ずいぶんボロい車両という印象を受けた。
細かい箇所まで手間をかけていて、落ち着いた内装は、素晴らしい。
「或る列車」に迫る列車に思えた。
車両に加えて、景色もきれいだし、車内販売と応対も素敵だ。
車内販売に関しては、また近いうちに。