車内販売の定番となっている「ホットコーヒー」。
列車の窓から景色を眺めながら飲む温かいコーヒーは、気持ちも温かくなる。1杯300~320円で、やや高いものの、車内販売には欠かせない飲み物と言える。
缶コーヒーと違って、車内販売のホットコーヒーは、紙コップ入りになっている。コップを倒すと、熱いコーヒーがこぼれてしまう。すると、ヤケドするかもしれないし、服にシミがついてしまう。絶対に避けなくてはならない。
対策として、様々な手法が取られている。
たとえば「ミルク&砂糖を先渡し」がある。
コーヒーを渡した後にミルクと砂糖を渡すと、ミルクと砂糖を受け取るのに注意が向きすぎて、すでに受け取ったコーヒーを倒してしまうことがある。100%絶対正しいわけではないと思うが、事故を防ぐひとつの手法と思う。
そして・・・
今回撮影できた「コーヒーをこぼしにくくする方法」は、これだっ!
ホットコーヒーを、プラスチックの板に載せて、渡す方法だ。
プラスチックの板に、紙コップの下のほう3分の1くらいがスポッと入る丸い穴が開いている。その穴に紙コップを入れて、客に差し出す。タイミングが合わずに客の手とぶつかっても、穴に入った紙コップは、簡単には倒れない。
この板は、3~4年前から何度か目撃している。
新幹線の3列座席の一番奥「A席」の客が、ホットコーヒーを注文したとする。販売員との間の「B席C席」に座っている客が、運よく「A席」の連れなら、コーヒーを中継して手渡してくれるかもしれない。しかし、「B席C席」の客が赤の他人なら、手渡すのが困難だ。
販売員が手を伸ばすだけでは「A席」に届きにくいから、このプラスチック板を使うようになったと理解していた。
ところが近頃は、通路側に座っても、プラスチック版を使って渡すことがある。今回、「MAXとき」で販売員に尋ねたら、通路側でもお渡しする時に腕に当たってこぼれるのを防ぐため、この板を使っているとのこと。
勝手な推測だが、このプラスチック板は、現場の販売員からの提案で使われるようになったのだと感じる。普段から働いている販売員の創意工夫が広がれば、このように車内販売は進歩すると思う。