【1】乗りに行くことに
景色の良い日本海沿いを走る五能線。この五能線経由で、秋田と青森を結んでいるのが、観光快速の「リゾートしらかみ」だ。
閑散期を除き1日3往復しており、車両も三種類が活躍している。
その中でも、「ブナ編成」は新しくなった。車内販売を行うカウンターが新設されたそうだ。
これは乗らなくては!
ただ、東京から青森秋田は遠い。新幹線で行くと三万円を越える。こんな時、ちょうど「大人の休日倶楽部パス」が使える期間になった。ちょうど良いとばかりに、出掛けた。
【2】三種類の車両
「リゾートしらかみ」は、三種類の編成がある。
《橅(ブナ)》今回乗車した緑の車両だ。最も新しい車両になる。
《くまげら編成》オレンジ色の線が引かれている編成だ。
《青池編成》全体的に青い編成だ。
【3】ゆったりした座席
「リゾートしらかみ」の座席は、一般的な特急の座席より、ゆったりしている。前の座席との間隔(ピッチ)が、かなり広い。
大きな荷物を持つ旅行客には助かるし、窓際の客が通路に出やすいのもありがたい。
飲み物を置けるテーブルが、2ヶ所あるのも特長だ。
【4】ボックス席
2号車には4人用のボックス席がある。扉はないものの周囲と区切られていて、プチ個室になっている。1人あたりの指定席料金は、同額の520円(通常期)だから、4人で乗るなら、こちらがお勧めだ。
【5】展望室
四両編成の両端のにある運転席付近には、フリースペースがある。
もともと「リゾートしらかみ」は、座席の窓が大きく、景色を見やすい。展望室では、全面展望が開けている。鉄道ファンにはたまらない場所だ。
何時間も占拠する客が実際にいるため、座席がやや簡素なものになっていた。そして、車掌が「多くのお客さまにご利用いただけるように、譲り合ってご利用ください。」と放送していた。
乗車記念のスタンプも、用意してある。
【6】橅編成の売店「ORAHO」(おらほ)
「橅(ブナ)編成」では、品数が多いカウンターでの車内販売が行われている。今回は、カウンター販売を利用したくて、わざわざ「橅編成」を狙って乗車した。
この日は、「大人の休日倶楽部パス」期間とはいえ、肌寒い平日・金曜日。これでも、弘前~五所川原間は、指定券が完売で盛況だった。販売員は2人乗務で、余裕を持って丁寧に接客してくれた。
カウンターの前には、簡単な席が用意してある。海岸沿いのA席なら文句ないが、海が見えにくい席の客は、ここでコーヒーを飲むことができる。
弁当もグッズもある。日本酒は5種類並んでいる。アイスも4種類見本が出ていて、選びやすいのは助かる。
カウンターのすぐ隣には、水戸岡車両のような地元の秋田・青森の伝統工芸品を紹介するスペースもある。
日本酒も、いくつかの銘柄から選ぶことができる。
【8】買った品
私は三回、カウンターに出向いて、車内販売を利用した。
1回目は、弁当と地ビールだ。
「海鮮小わっぱ」は、やや小さいが、いくら・ウニ・カニが美味い。
地ビール「ぶなの森ビール」は520円と高めだが、青森に来た気分になる。
首都圏の普通列車グリーン車では売られなくなった「青森のりんごちっぷす」を、久々に購入した。「青森の長いもちっぷす」も一緒に買った。
3回目は、コーヒーだ。ホットコーヒーは普通310円なのに360円だ。これは、ポーションに入った濃い液体コーヒーから、地元の天然水を使って作るためだ。いれたてコーヒーと、時間が経ったコーヒーの味の差がなくなると共に、売れ残って処分するコーヒーもなくなって、一挙両得と言える。
やはり、ワゴン販売よりカウンター販売の方が、品数が多く充実している。買いたいときに出向けば良いのも魅力。更に雰囲気が良い。
一定の売り上げが見込まれる列車なら、カウンター方式の方が、ニーズに応えられて良いなと思う。