伊勢海老特急に乗ってきた(後半) | 車内販売でございます。

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 いすみ鉄道の「伊勢海老特急・イタリアンコース」で、料理を食べてきた。車両は普通の気動車だが、本格的な食事ができる人気があるコースだ。
 前回は、前菜の一皿目までの話だった。↓
http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-12086666227.html
 今回は、その続き。

  
  前回の「手作りピクルスとオリーブ」に続いて、出されたのは「季節の前菜3点盛合せ」だ。見た目も良いが、美味い!
 新鮮な魚介類は、特別な味付けというよりは、素材の良さが味を大きく決める。料理を担当したシェフは、この列車で提供するために、地元で色々探し回ったそうだ。業者任せにせず、自分の目で食材を探すとなると、手間はかかるが、客としては有難い限りだ。

 
 続いては、スープだ。
 「地魚とキノコのスープ、ポルチーニ風味」だ。私は魚に詳しくないから、食べても何の魚か分からないが、癖が無くて体にしみこんでくる。体に良さそうだ。
 料理を運んでくれるアテンダントさんは、それぞれの客の食べるペースの違いに対応してくれた。隣の人と話をして食べるのがゆっくりの人には、食べ終わってから出してくれる。手間はかかるので大変だが、立派な対応だ。
 
 ここで上総中野に到着。ここで折り返す。ここまでは食堂車の客は、後ろに進んでいてやや違和感があったが、ここからは前に向けて進むことになる。
 
 ゆったり食べられた理由の一つは、食堂車に一般客が入れないという点だ。実際、両手で皿を持ったアテンダントさんが狭い通路を通るわけだから、一般客が押し寄せないようにしたい。

 
 次は贅沢な料理になる。
 メインディッシュ2皿のうちの1皿目は、「大原産アワビとホタテのクリームソース スパゲッティ」だ。パスタに、アワビとホタテが載っている贅沢な料理だ。
 写真をじっくり撮っていたためか、クリームが固まってしまった。火気が使えない列車内の料理なら、やはりすぐ食べた方がよさそうだ。

 
 メインディッシユ2皿目は、「大原産伊勢海老と魚介のブロデット(トマト煮)」だ。
 「伊勢海老特急」と名前がついているくらいだから、伊勢海老が出される。率直に言ってさほど大きい海老ではないが、身がしっかりしていて、美味い。フォークで簡単に食べることができて、食べやすかった。横に乗っている貝も美味しく、海老を引き立てている。
 私は、パンにトマト煮をつけて食べたが、これが絶妙だった。パンも3個全部食べたから、腹いっぱいになった。量も質も、満足した。

 
 最後に、コーヒーとデザートが出された。
 「イタリアン深煎りコーヒー」は、かなり良い豆を使っているようだ。有名ホテルで出されるコーヒー豆に似た味だ。美味いっ。
 
 デザートは、「自家製かぼちゃのプリン ジェラート添え」だ。冷たくて甘いものは、舌に刺激になる。

 これで、料理はおしまいだ。大原到着前に、料理を担当した「ペッシェアローズ」のシェフが、挨拶した。みんな満足したようで、挨拶の時には、列車内に拍手が響き渡った。安いとは言えない金額を払って、わざわざ足を運んだのだから、満足できなかった時のダメージには大きなものがあるが、みんな笑顔で拍手だった。
 客層は、平日ということもあり、多くが60歳くらい以上。鉄道マニア風の客は私だけで、10分停車でも他の客は誰も外に出て写真を撮らない。

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 今回の「伊勢海老特急イタリアンコース」に乗車した客には、お土産が配られた。
 
 一つ目は、いすみ鉄道の1日乗車券。
 写真↑の上は、当日の代金に含まれている一日乗車券だ。「伊勢海老特急」に乗った後、これを使ってもう一往復乗ることもできる。
 ちーば君が左に写っている一日乗車券は、次回の乗車に使える。次に来た時に、1000円相当の一日乗車券として使える。
 
 二つ目は、いすみ鉄道もなかだ。全部で10個入っている。このもなか、結構美味い。
 
 そして、平日に乗車した人だけの特典がある。いすみの特産物を1つ選んでもらえるのである。「いすみの米6kg」「いすみのお酒セット」「いすみ鉄道お土産詰め合わせ」などから1つ選んで、送ってもらえる。
 これだけお土産が充実していると、料金が実質半額くらいになると言える。

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 料理の美味さには、十分満足したが、この日、最も「すごいな」と私が感じたのは、発車前の掃除だ。
 髪の毛や小さなゴミが座席についていては、美味しい料理もテンションが落ちてしまう。だから、スタッフの方は、粘着ローラーで座席をぐるぐるさせてゴミを取っていた。当然と言えば当然なのだが、素人が見てもずいぶん丁寧に時間をかけていた。この夏に、別の列車がホコリだらけでガッカリしたので、こういう点が気になってしまう。こういう地道な作業が、料理を支えているのだなと思った。

 帰りの電車の中で、考えた。鳥塚社長によると、いすみ鉄道は少ししかもうけはないとのこと。イタリアンのシェフも、儲かりはするものの、手間暇かけて食材探しするわけだから、大変だ。いすみ鉄道が活性化して大勢客が来ると、一番儲かるのは誰か?
 答えは「JR」じゃないかなあ。いすみ鉄道の1日券は1000円だけど、東京から大原まで普通列車を乗り継いで特急使わなかったとしても3320円かかる。いすみ鉄道が頑張ると、JRは黙っていても増収だ。

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 この日は、新宿の近くで、ひと仕事。その後の夕食は、立ち食いの天ぷらそば400円也。
 
 昼食に金を使いすぎたから、まっ仕方ないか。