今回は、首都圏の普通列車グリーン車の話。
首都圏の「東海道線」「高崎線」「総武快速線」などの普通列車は、10両から15両で運転される。別料金が必要なグリーン車が連結されており、グリーン車はそのうちの2両だ。
上の写真↑のように、2階建て車両は、「1階席」「二階席」と「車端席」2か所の4つの部屋に分かれる。グリーン車は2両だから、グリーン車の乗客は8つの部屋のいずれかに座ることになる。
私が好きなのは、車端席(定員8人)↑だ。準備室に近く車内販売を利用しやすく、トイレにも行きやすい。1階2階席に無い網棚もあり、荷物も置きやすい。
足が悪い人も車端室を利用して最も混雑するわけだから、混んで来たら隣の空席に荷物置き続けるのは、特にヒンシュクを浴びる席だ。
こちら↑は二階席。見晴らしは良いが、網棚は無い。1階よりは混雑をする。
1階席↑は、景色が見にくい。ただ、比較的空いているので静かに過ごしたい人向けだ。車内販売が後ろから来ることが多く、腕が良くないアテンダントだと買えないことも多い。
グリーン車ではあるが、すべて自由席だ。空いていれば、乗客は好きな席を選んで座れることになる。
グリーンアテンダントは、この2両を巡回していて、グリーン券を買っていない乗客からグリーン料金を徴収する。もちろん、車内販売もおこなっている。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
普通列車グリーン車のグリーンアテンダントは、頻繁にではないが、乗客を誘導することがある。主に混雑時に「隣の4号車の1階にどうぞ」などと、乗客が座る場所を案内することもある。
いずれも微妙な判断が必要で、簡単に真似はできない面はある技と言えそうだ。
【1】すぐ席が空く満席の時
朝の通勤ラッシュでは、グリーン車でも満席になることが多い。座れなくて私を含めた2人の客が、デッキに立っていた。
この時にアテンダントさんがやってきて、 「満席で申し訳ありません。」と丁寧な言葉。そして端末を見ながら、「次の駅で二階が4席空きますが、いかがなさいますか?」と空く見通しを説明してくれた。私たちは、次の駅が近づくと、2階席に向かった。
【2】離れた場所に空席がある時
ほぼ満席のグリーン車だと、「2階席」「一階席」「車端席」の全8室を、空席がないか確かめる人は案外多くない。4号車の4室が満席だったら、隣の5号車も満席と考える人が目立つ。
ある程度グリーン車に乗り慣れている人なら、たとえば「朝ラッシュの湘南新宿ライン上りに、横浜から乗って空席はなさそうだ」と先入観があるから、乗った近くの部屋を見て「やはり空席は無かったか」とあきらめてしまう。
しかし、空いている場合もあるので、親切なグリーンアテンダントは、「隣の5号車の1階に空きが2席あります」などと案内することがある。
【3】快適な席を案内
ある日私は、1階も2階もかなり空いているグリーン車に乗り込んだ。1階に行こうとしたら、グリーンアテンダントに申し訳なさそうな表情で、こう言われた。
「1階は、宴会が始まってまして、2階の方がゆったりできます」
1両全体で10人くらいの空いている状態だったので、「お静かに願います」とは言い難いのは理解できた。私は別の車端室に座った。
【4】酔っ払いを隔離
何度も大きな声を出して、周りの客からヒンシュクを浴びる酔っぱらい客がいる。私も何度か会った。
ある日、この酔っ払いがグリーン車に乗ろうとした。これをデッキで出迎えたアテンダントさんは端末をチェックした。そして少し離れた車端室(12人)を勧めた。「空いていますからゆったりできますよ」とでも言ったようだ。アテンダントさんは大変だが、他の客が迷惑しないのを優先したのは見事とも言える。