この3月のダイヤ改正で、車内販売の廃止が進んでしまった。
そのため、現在JR各社では、どの列車で車内販売を実施しているのか、分かりにくくなっている。
このブログ「車内販売でございます。」では、車内販売をどんどん利用して、廃止を阻止しようとする動きに、少しでもつながればと考えている。
そこで、JR各社の車内販売事情について、まとめることにした。
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今回はJR北海道の車内販売事情だ。この半年で、北海道の車内販売は、半分以上が廃止されてしまった。2015年5月現在の、車内販売の有無は、次のようになっている。
【車内販売がある列車】
◎北斗、スーパー北斗の1号~14号は車内販売アリ(札幌~函館)
ただし、始発の札幌函館を18時以後に発車する15号~18号には、車内販売は無い。
◎スーパーおおぞらの3号~10号は車内販売アリ(札幌~釧路)
上り下りとも始発と最終の列車には、車内販売が無い。
札幌8:51発の3号から17:28発の9号までは、車内販売がある。
釧路8:38発の4号から16:18発の10号までは、車内販売がある。
◎白鳥、スーパー白鳥は、14号16号25号27号を除いて車内販売アリ(函館~新青森)
車内販売は、JR東日本のNREが担当する。
車内販売がないのは、函館発が早い7:24発の14号と8:08発の16号、そして新青森発が遅い18:53発の25号と19:47発の27号だ。札幌方面の接続が無くて利用者が少ない列車で、車内販売が廃止されている。
◎北斗星、カシオペア(札幌~上野)
食堂車が連結されており、そのスタッフが車内販売を行う。時間帯は限定される。グッズの購入は、マニアが殺到するそうで、売切れたり、何十分もの行列ができるそうだ。
【車内販売がない列車】
次の列車では、車内販売が無い。
×オホーツク(札幌~網走)
×スーパー宗谷(札幌~稚内)
×スーパーかむい(札幌~旭川)
×すずらん(札幌~室蘭)
×スーパーとかち(札幌~帯広)
×サロベツ(札幌~稚内)
×北斗・スーパー北斗の15号16号17号18号
×スーパーおおぞら1号2号11号12号
×白鳥・スーパー白鳥14号16号25号27号
「スーパーかむい」と「すずらん」は、以前から車内販売がなかったが、2015年1月に「スーパーとかち」で車内販売が廃止された。更に2015年4月から「オホーツク」「スーパー宗谷」、そして一部の「北斗・スーパー北斗」「スーパーおおぞら」で廃止となった。
この中で「オホーツク」は約5時間20分、「スーパー宗谷」は、約5時間の長時間走る。札幌や旭川のような大きな駅では、乗車前に弁当を買うことはできる。しかし、駅前にはサンドイッチ・おにぎりすら買う店がない小さな停車駅もあるわけだから、この廃止は驚いた。
JR北海道は、経営再建の動きが急速で、車内販売の廃止は、実に残念だ。
途中で弁当が買える長時間停車はない。オホーツク号がスイッチバックする遠軽駅ですら、2~3分の停車だ。途中駅での食糧調達は絶望的と言える。
乗車前の食糧調達が、非常に重要になる。
列車によっては、飲み物の自動販売機が設置されている。缶コーヒー、お茶、ジュースが、買える。なお、4月の大幅な車内販売廃止後に、増設されたかは不明。次の写真は昨年の「北斗」の自動販売機。1本130円のものが多い。
【車内販売で買える品物】
車内販売を行っている列車が大幅に減ってしまったとはいえ、現在も「スーパーおおぞら」「北斗・スーパー北斗」の多くで実施している。JR東日本が担当とはいえ、「白鳥・スーパー白鳥」の多くでも、実施している。
★のんびりしたワゴン販売。
東北新幹線なら、東京を発車して25分の大宮までにワゴンが回ってくることが多い。しかし、JR北海道は、のんびりしている。
アテンダントさんは、グリーン車への対応をするなどで、発車してすぐワゴンが回ってくることは、期待しにくい。
★ワゴンには、一通りの品が乗っている。
飲み物は、ホットコーヒー、ビール、ジュース、スポーツドリンクなど種類が多い。食べ物も、たいていは弁当があるり品切れは、ほとんど見ない。お菓子類も豊富だ。お土産もいくつか販売している。
販売している品は、公式ホームページに載っている。
http://www.jrhokkaido.co.jp/network/syahan/
アイスの販売もある。ワゴンではなく、カゴに乗せて巡回してくることもある。
★交通系ICカード「Suica」が使える。
JR北海道の車内販売では、「Suica」など交通系ICカードで、ワゴン販売が利用できる。列車名が入ったレシートももらえて、記念にもなる。これは便利だ。
★販売員は親切
販売員さんは、のんびりしているものの、笑顔で親切な人がほとんどだ。2人乗務が基本で、気持ちの面で余裕があるのが大きいようだ。2人乗務だと、1人だけ笑顔なしにはなれないのだ。
JR北海道の車内販売員は、仕事に徹するというより、楽しんで仕事をしている印象だ。これが楽しい雰囲気につながっている。車内販売の削減は痛いが、残された列車だけでも、楽しい車内販売を続けてほしい。