マニアの飲み会 | 車内販売でございます。

車内販売でございます。

車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 今回は、「マニア」についての話。
 世の中には、鉄道好きの「鉄道マニア」は、結構多い。写真を撮る「撮り鉄」、乗りまくる「乗り鉄」を始めとして、「駅弁マニア」「駅舎マニア」など、多岐にわたる。
 私は車内販売が好きな「車内販売マニア」だ。昨年は車内販売を、1110回も利用した。これだけの回数利用すれば、熱中度が非常に激しいマニアと言えるだろう。
 私の仲の良い友人に「ラーメンマニア」がいる。1年間に、ラーメンを1000杯以上も食べたことがあるそうで、ラーメン業界では有名なマニアだ。
 「車内販売マニア」と「ラーメンマニア」、この2つには、大きな違いがある。

 それは、ラーメンマニアは、メジャーな趣味という点だ。気合いの入ったラーメンマニアは、全国では100人は軽く超す。自称ラーメンマニアを入れたら、何千人にもなりそうだ。
 私の友人のラーメンマニアが、「来週、福島県喜多方にラーメン食べに行く」とブログに書けば、「一緒に行きましょう!」という反応が4.5人から返ってきた。人気店に行列する時も、仲間と一緒なら苦にならない。
 一方、マイナーな車内販売マニアは、そうはいかない。情報交換する相手は、このブログに情報を知らせてくれる方はいるものの、ほとんどいない。孤独な趣味なのだ。
 そして、マイナーな趣味は、フツーの人に「私は、こういう趣味をしています。」と言うと、誤解されたり、ひかれたりする。私の場合なら「若いアテンダントさん目当てなの?」と疑われたりする。
 情報がないだけでなく、変な目で見られることがあるのがマイナーな趣味なのである。

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 ある日、私はマイナーな分野の趣味に熱中している人が集まる飲み会に出掛けたことがある。日本全国探しても、こういう趣味を持つ人は、まずいないという独特な趣味を持つ人が集まったわけだ。

 どんなマニアが集まったかというと・・・・

◆東京都内に多数ある図書館を利用しまくるマニア

 東京23区の図書館に、全部足を運んで制覇した。数年たつと改装したり、サービス内容が変わったりするから、1回行っておしまいではないそうだ。

◆カビバラ大好きなマニア

 動物のカビバラの写真を撮るのが好きで、カバビラを追いかけて様々な場所へ。ブラジルまで行ったことがあるとのこと。

◆他にも、「カラー魚拓家」の方、「ミネラルウォーターマニア」の方、「メロンパンマニア」の方、「昭和初期料理再現マニア」の方など、約20人が参加した。


 この飲み会は、実に面白かった。絶対にひかれないからだ。

 私が「北海道と九州に行って、宿泊費など含めて計20万円使った。でも観光はしなかった」なんて言ったら、「変わってるね~」という反応なら、まだ良い方だ。「バカじゃん、こいつ」なんて顔する人もいる。

 だから普段は、自分のマニア活動のうち、無難なものをいくつか言うだけにとどめる。濃すぎる内容を思いっきり伝えて、ひかれるのを、どうしても恐れてしまうのだ。

 車内販売なら、「新幹線乗ってコーヒー飲むのが好きです」くらいに抑え、「5日間の九州旅行で、車内販売以外は何も飲み食いしませんでした」なんてマニア度全開のネタは控えるのだ。

 でも、濃いマニアの間では、ぶっ飛んだ内容でも、ひかれる心配はない。むしろ尊敬される。

 やはり、超マイナーな趣味を極めている者の連帯感があった。私が「九州と北海道行って20万使った」と言っても、カビバラのマニアの方が「私がブラジルにカビバラ見に行くのに40万円かかった」と返され、「負けた」のだが、気分良かった。

 私もそうだが、変わった趣味を持つ者同士、共感するものがあり、みんなテンション上げて盛り上がった。


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 この飲み会で感じたのは、40歳50歳くらいの人でも、独身が多かったことだ。別に未婚か尋ねる人はいなかったが、話の流れで「独身です」と言った人が結構いたのだ。(とても綺麗な女性も多かったのには驚きだが)

 これには納得した。趣味を突き詰めると、ものすごく時間とカネが必要になる。

 これが、メジャーな趣味だと、結婚のきっかけになり、一緒に楽しめる。たとえばサッカーJリーグのファンなら、ひいきチームの女性ファンも多く、結婚しても一緒に観戦して楽しめる。しかし、マイナーな趣味だと、悲しいことに、そうはいかない。

 35歳過ぎて趣味を突っ走っていると、結婚して世帯を持つのが難しくなる。家族に時間とカネを使ったら、趣味に熱中しにくくなってしまう。30歳までの若い人や、定年退職した人なら関係ないが、40歳50歳だと、厳しくなる。

 私は、やりたいことしていたら、いつのまにかこの歳になってしまったという感じだ。まあ、それはそれで、いいんじゃない?


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 こんなわけで、私も趣味に熱中して、マニア度が全開の生活を、今もしているわけだ。

 ちなみに、この「マニアの飲み会」に誘われたのは、車内販売のマニアとしてではない。鉄道とは全く別のマニアとして、誘われたのだ。ぶっ飛んだ趣味を、いくつ持っているんだか・・・。