今年になってからは、各地の特急の話が多い。首都圏の普通列車グリーン車には、年が明けてから、あまり乗っていなかったこともある。上野東京ライン開業を機に、また乗り始めたので、久々に首都圏の普通列車グリーン車の話をさせていただく。
久々なので、システムの確認から。
東京周辺の東海道線や高崎線などの普通列車は、2階建てグリーン車が連結されている。もともと10両~15両と長い編成のうち、2両が別料金が必要なグリーン車だ。乗客は、駅の券売機でSuicaなどのICカードを使ってグリーン料金を払うシステムになっている。駅で購入していない乗客には、グリーンアテンダントが料金を徴収することになっている。そしてこのグリーンアテンダントが、ビールや缶コーヒーなどの飲み物やお菓子を販売する業務も、あわせて行う仕組みになっている。
詳しくは、こちらを 。
このグリーンアテンダントさんたち、最低限の仕事は当然しているが、それだけで満足せずに、もっと良い仕事をしようと頑張っている人も多い。
「いい仕事をしようと頑張っているアテンダント」の基準は、一言では言い表せない。しかし、結構一致しそうな基準がある。
それは・・・・
他に乗務している人がいると、車内を巡回する回数が減るのが凄腕アテンダント。
2両編成のグリーン車では、普段はグリーンアテンダントが一人で乗務する。ところが、金曜夜の下りなど混雑しそうな列車では、2人のアテンダントが乗務することがある。
アテンダントが、いつ巡回するかは、ある程度の目安はあるものの、明確に決まっているわけではない。一定の範囲で任されている。
上野始発の宇都宮線なら、こんなパターンが多い。
上野を発車してすぐ、車内販売のカゴを持って一通り巡回する。グリーン券を持っていない人にグリーン券を売り、飲み物が欲しい人には販売する。上野から10分の赤羽を発車すると、車掌が到着時刻の案内放送をするが、車掌の放送が終わってすぐ、グリーンアテンダントがグリーン車向けに車内販売のお知らせをする。そして大宮までにもう1回巡回する。・・・こんな感じだ。
しかし、がら空きの列車なら、巡回を一部省略する人もいる。赤羽発車後に車内販売のカゴを持って1回まわるだけでも、「ビール買いたいな」と待っている人にとって、特に困るわけではない。
では、1つの列車に2人のアテンダントが乗務したら、どうなるか。2両のうち、それぞれが1両担当するが、巡回のペースは大抵は2人の間で合わせることになる。同僚が上野発すぐに準備室からスタートしたなら、自分は赤羽発車後に「のんびり巡回」始める・・・というわけには、なかなかいかなくなる。
上野・大宮間だと2回の巡回が多いものの、人一倍頑張って3回4回とまわってくる人もいる。しかし2人乗務だと、こういう人は自分だけ頑張りすぎるわけにもいかず、巡回の回数が減ってしまうわけだ。
他に乗務するのは、同僚アテンダント以外に、警備員の時もある。
早朝深夜は、グリーン車に警備員が乗務することがある。アテンダントさんの3mくらい後ろを警備員がついてきて、万一の時にアテンダントさんを守ったり、車内トラブルに対処したりする。
いつも頻繁に巡回してくれる凄腕アテンダントさんに、警備員がついた時がある。この時は巡回の回数が半減して、驚いてしまった。軽いフットワークで何度も巡回したくても、警備員がついてくると、動きにくいのだろう。
自分で考えて、いろいろ良い仕事をしたいと積極的に動くのは、1人乗務なら問題なくできる。しかし、同僚と一緒だったり、警備員がいたりすると、結果的に他の人を振り回すようなことになりかねなくて、積極的に動きにくくなる。
だから、逆に言えば『積極的に仕事をする凄腕アテンダントさんは、他の人と一緒だと、巡回する回数が減る傾向にある』 と感じる。
凄腕アテンダントさん10人を思い浮かべても、全員巡回する回数は多い。そして、2人乗務・警備員乗務の時があった時は、いつもより回数が減り気味だった。