車内販売をしている列車は、残念ながら年々減っている。特にこの1年で、車内販売廃止の流れが、急に加速した。
その一方で、料理を食べられる列車は、各地で増加してきている。
しなの鉄道の「ろくもん」、北近畿タンゴ鉄道の「くろまつ」、JR東日本の「東北エモーション」などなど。
そのさきがけとも言える列車が、肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」だ。
肥薩おれんじ鉄道は、鹿児島本線だった八代~川内間が、九州新幹線開業に伴い第三セクターとなって再出発した路線だ。以前は特急「つばめ」が走っていた路線だったが、地域の足となるローカル線になった、そして活性化と集客を図る手段として、観光列車を走らせたのである。
2月6日の金曜日、出水駅から乗車した。青い車体の2両編成の列車が、ホームに入線した。
乗客は、私を含めて3人だった。観光シーズンでない平日の朝だから、団体客が入らない時は、かなり空いている。車内をウロチョロして写真を撮りたいから、空いている日の列車を狙ったという事情もあるが。
★予約とシステム
肥薩おれんじ食堂は、昼食など他の時間帯のコースもあるが、私が申し込んだのは、比較的手軽な料金の朝食・ブレックファストだ。
朝食「ブレックファスト」は、出水から川内までの約1時間40分の運行で、料金は10000円だ。10000円というのは、ちと高いが、乗車券・指定席券・朝食・お土産すべてを含んだ料金だ。朝食とお土産なしの乗車も可能で、その場合は2850円となる。
昼食の乗車なら、乗車時間も長いし、料金も高い。今春から、列車の時間帯などが変更する予定もある。
詳しいシステムなどは、専用ホームページを参照。こちらへ↓。
http://www.hs-orange.com/kankou/index.html
★1号車「ダイニングカー」座席
「ダイニングカー」は、食事を予約した乗客の車両だ。この日は、この車両の乗客が、私だけ!。貸し切り状態だ、やったネ! 気兼ねなく、車内を撮影できるぞ。
私の席は、こんな感じ。次の写真のような「ソファー席」が指定された。乗客が多い盛況な時期は、左右のテーブルは1人客、その間の広いテーブルの席は2人組の客に割り当てるようだ。私のような1人客向けの席があるというのは、非常に有難い。(鉄道マニアの知り合いでも、1日中車内販売を求めて乗り回すスタイルには、ついていけない。休日が他の人とずれていることもあるが)
海に面したカウンター席もある。多くの座席は、2人組の客でも、横並びで座る配置になる。イスもテーブルも、まさに水戸岡車両と言える。
★2号車「リビングカー」座席
「リビングカー」は、食事なしでも乗車できる車両だ。あとから食事を追加で申し込むこともできる。この車両には、女性2人組が乗車した。
「リビングカー」には、カーテンに少し囲まれた席もある。むしろ「ダイニングカー」より豪華な気もするが、料理を出すのにはやや不向きのような気がする。
2号車の2人組の乗客は、海に面した向かい合わせの席が指定された。ペットボトルの水が置かれているのが指定された席だ。私もそうだが、本来は網棚に置くべき荷物も、空いているから近くのあいているソファーに置けるのは有難かった。
★料理を出すカウンター
料理を盛り付けるカウンターが2号車にある。ここで、乗客に出す料理を盛り付ける。満席になったら、料理を出すだけでも大変だろう。
カウンターのすぐ横に、酒の棚があった。朝食で日本酒と言うのは無理がありそうだが、夕方になれば注文する人も多いのだろう。
このカウンターで、グッズの車内販売も行っている。
★車内に、こんな工夫も
観光色の強い列車だけに、2両編成の列車の車内には、様々な工夫がなされている。
先頭には、子ども用展望座席が設置されている。大人が無理して座れなくはないが、正直いってみっともないので避けたい。そして、定番となっ記念撮影用のボードも用意してある。
トイレも設置されている。トイレの隣には、水戸岡列車独特の地元の特産品を展示して車内を盛り上げるスペースが作られている。
車内に掲げられている「次駅案内」だ。最近は、電光掲示板で「次は川内」などと表示されるが、雰囲気を出すためにこのような札をつける方式になってている。
以上、「おれんじ食堂」の車両について、まとめてみた。
かなり長くなったので、食事などについては、また追加で書き込むことにする。