またお会いしましたね《1》 | 車内販売でございます。

車内販売でございます。

車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 近頃は、このブログ「車内販売でございます」では、特急列車の車内販売に関する話題が多い。とはいえ、車内販売の利用回数は、普通列車グリーン車の方がずっと多い。

 今年はすでに「東海道・横須賀線」「宇都宮・高崎線」「総武線」「常磐線」の4路線で、それぞれ60回以上車内販売を利用している。

 利用回数が多いと、大勢働いているグリーンアテンダントさんでも、同じ人と顔を合わせることが多い。

 すると「またお会いしましたね」と言われることが結構ある。何回かにわたって、「またお会いしましたね」という話をしていく。



 定期券で高崎線を利用していた時のこと。

 昼の12時44分に上野駅から高崎線グリーン車に乗った。たいていは赤羽到着前に車内販売に回ってくるのだが、まったく来ない。赤羽発車後にアテンダントは来たものの、カゴは持っていなかった。何だ?と思っているうちに、大宮に着いた。

 今まで上野から大宮までの下りを何百回と乗ってきたが、車内販売が来なかったのは1回だけだ。その1回は、金曜夜で満員の列車に新人アテンダントが乗務していた時で、それなりの事情があると理解できる。今回は、グリーン車5号車の二階には4人しか乗っていない空いている時間帯で、これはないと思えた。

 本来は、大宮駅で降りて昼飯を食おうと思っていたが、いつになったら来るか知りたくて、そのまま乗り続けることにした。

 上尾駅発車後に、ようやく2回目の巡回に来た。しかし、この時もカゴは持ってない。「何てふざけた奴だ」と思っていたら、私の2列前の客は「ビール欲しいんだけど!」とムッとしながら伝えた。準備室に戻ってビールを渡して戻る時に、「お茶くださいよ! フツーは大宮までに2回車内販売に回ってくるぜ。何してたの?」と文句を言った。「他の仕事がありまして」との返事だった。お茶が手元に来たのは北上尾駅、上野発車38分後であった。

 私は過去最悪のアテンダントだ」と思った。


 その日の夜、上野に21時過ぎに到着する普通列車に大宮から乗った。大宮駅に列車が滑り込んで来て、扉が開くと、何とあのアテンダントが出迎えにデッキに立っていた! そしてそのアテンダントは「またお会いしましたね」と笑顔で一言。

 私も笑いながら席についた。

 大きな大宮駅とはいえ、積極的にデッキに出て出迎えをするという「立派な仕事っぷり」だった。そして笑顔で「またお会いしましたね」と言われれば、ムスッとした顔にはなれなかった。この時間だと、9時間以上働いて、今晩は泊まり勤務と容易に推測できたという事情もある。

 こういう姿を見せられれば、昼間は手抜きをしていたのではなく、本当に何か事情があったのだろうと思えてきた。

 

 その3日後、このアテンダントさんが乗務した列車に偶然乗車した。5日後、13日後にも、上野から高崎線に乗ったら、またあのアテンダントさんだった。13日間で5回というのは「またか」という気になる(笑)。

 ここまで偶然が重なると、親近感を感じるまでになった。4回目だったか、上野発の列車で尾久を過ぎたときに車内販売に来てコーラを買ったのだが、「あれ?今日は来るの早いんだね~」と私がからかうと、「冗談言わないで下さいよ」というようなことを言いながら笑っていた。(我ながら性格悪いな)

 もし、1日目の夜に、険悪な顔でにらみつけていたら、お互い辛かったと思う。



 ちなみに、この時期使っていた定期券がこちら↓。


 グリーン定期券だが、特殊な「2区間定期」だ。

 上野から大宮経由で高崎線の鴻巣まで、上野から常磐線の松戸までの2枚の定期を1枚に合わせた定期券だ。

 上野日暮里間を重複させるとエラーになるそうで、常磐線で上野・日暮里間を乗る時は、高崎線の定期分が有効になるという扱いだった。駅員に見せると、たいてい何だか分からず固まる定期券だ。

 グリーン定期券2枚分の値段だったので、尋常な値段ではなかった。北海道か九州で4~5日乗りまくれる金額だ。高い定期を買った直後は、「もし骨折して入院したら大損だ」とか感じて、怪我しないように注意するようになったから不思議だ。

 カネを使いすぎたので、この期間でサイゼリヤより豪華な食事はとれなかった。上尾駅改札から30秒の便利な店か、鴻巣駅から4分ほとかかるが常に空いていてのんびりできるサイゼリヤを、当時は利用したものだ。