リゾートあすなろ下北【ほっかむり行商隊】 | 車内販売でございます。

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車内販売を13年半で10000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 各地の観光列車に乗り鉄しています。

 新青森から下北半島の大湊まで走るリゾート快速が、「リゾートあすなろ下北」だ。全車指定席の二両編成で、主に土曜日曜に運転される。珍しく平日に運転されて乗りに行きやすかったため、9月25日に乗りに行った。



 青森駅から2号車に乗った。平日だけあって乗客は12人だけだったが、2号車は何と私だけだった。貸切状態だ。それも、展望スペースのすぐ後ろで、非常に見晴らしが良い。


 
 この列車は、青森と野辺地で、進行方向が入れ替わる。私の席は、野辺地から先頭になり、陸奥湾も見える。こんな良い席なのだが、9月の平日木曜日は、座席指定券が普段より安く320円、ラッキーだ。

 下の写真は、帰りの新青森行で先頭展望車から見た景色。右は陸奥湾。


 ただ、展望車に人が集まったわけではない。車両の6ヶ所にモニターが設置されていて、先頭からの映像が見られる。



 青森駅を出てすぐ、車掌から「この列車に車内販売はありません」と放送があった。えっ?事前に仕入れた情報では、地元の特産物を売りにくる「ほっかむり行商隊」が乗り込むと聞いていたのに。
 そこで車掌に確認したら、特別な事情がない限り、リゾートあすなろ下北の運転日なら「ほっかむり行商隊」の販売はあるとのこと。車掌は、飲み物や弁当をワゴンで売るのを車内販売と考えていたようだ。
 野辺地駅のホームに、リゾートあすなろ下北が滑り込んだ。「ほっかむり行商隊」の二人か、列車に手を振っている。期待できそうだ。
 乗り込んできて、先頭の展望席にいる客から話しかけた。その客に「ほっかむり行商隊」が一言声かけたら、どんな切符買って、この後どこに行くとか話し続けた。年輩の男がリゾート列車に1人で乗っていれば、かなりの確率でしゃべりたがる。聞くだけでもありがたいものだ。(私も似たようなものだが)


 次に、私の横に「ほっかむり行商隊」の二人が来た。販売に興味ない人には迷惑かな?というような表情で、私に話しかけた。私は、待ってましたとばかりに「これが目当てで乗りに来たんです!」と答えた。
 「ほっかむり行商隊」の二人のうちの一人は、昔の弁当売りのような姿で、地元の特産物を売るお兄さん。了承を得て、ブログに写真を乗せる。
 
  この兄さんからは、往きは「奇跡のりんごかりんとう」を買う。自然農法栽培の青森県産りんごを使った品物だ。帰りに買ったのは、「食用なたね油」600円。栽培面積は青森県がトップで、この菜種油だ。買わなかったが、生ではないが地元産のホタテ貝も酒のつまみに良さそうだ。


 もう一人は丸いカゴに入った主に海産物を売る女性。私は陸奥・下北地方ならではの品を買いたくなった。いくら安くて美味くても、東京で買える物では、旅の雰囲気が出ない。どの地域にも、たとえば美味しいスイーツの店があるが、そういった品では遠くに来たという感じがしない。青森なら、海産物やリンゴを食べたいと思う。

 買ったのは、往きは磯岩のり、帰りは「乾燥オキアミ」200円だ。料理はできないが、カップめんに入れるだけでも食べられる品なら実用的だ。
 結局、往復で写真の4点を購入した。

 扱う商品の説明はしきれないが、気になる方はこちらをどうぞ。

http://shimokita-gst.sunnyday.jp/index.html

 海産物売りの方と10分以上話をした。車内販売を利用しに全国飛び回るマニアなんて、珍しいと思われたのだろう。

 各地のローカル線で人気がある物の一つは地ビールで、1本600円と高くても喜んで買ってくれる。九州のくまがわ鉄道は、丁寧な案内ともてなしで、行って良かったと感じたなどなど・・・。その道のことをマニアに話させたら、喜んで話するに決まっている! やはり、人と接することが旅を満足させる大きな要素になると実感した。

 この「ほっかむり行商隊」は、「リゾートあすなろ」の他、同じ日程で運転される「はまなすベイライン」にも乗ってくる。乗っているのは、

「はまなすベイライン1号」・・・陸奥横浜→大湊

「はまなすベイライン2号」・・・大湊→野辺地

「リゾート下北3号」・・・・野辺地→大湊

「リゾート下北4号」・・・・大湊→陸奥横浜


 ちなみに、特産物は紹介・販売されるが、弁当は車内では販売されない。そこで、終点大湊駅の近くの店でマグロの寿司とビールを買った。近くの大間ではマグロがとれるから、急にマグロが食べたくなったのだ。海を見ながら食べるのは、本当にしあわせだった。

 なお、車両は、特急車両と同じリクライニングシートだ。4列座席だが、前の座席との間隔が広くて、とてもゆったりしている。はやぶさより上とも言える。

 温かみがあり、また乗りに行きたくなる列車だ。