特急列車などのリクライニングシートの列車に乗る時に、あまり言われないが、「こんな乗り方は遠慮してほしいという乗り方がある。
「混雑時に空席に荷物を置かない」「ヘッドホンからの音漏れをさせない」というような一般的に広まって定着しているマナーというわけではない。ただ、こんな乗り方をしてくれると、少なくとも一利用者の私は助かる。
【1】窓際が空いているのに通路側にはみ出さない
混雑時に、知らない客同士が隣に座るのなら、肩や足が通路に少しはみ出るのは、仕方のない面がある。ところが、窓際は空席なのにわざわざ通路側に座り、体と足を通路側に10cm以上はみ出す乗客がいる。
特に2人連れで、隣に座るのは窮屈だからといって、通路を挟んで左右に分かれて座る場合は、話をしやすくするためにたいてい通路側に大きくはみ出る。
はみ出ると、通路が狭くなり非常に通りにくい。
【2】隣の空席も最大に倒さない
リクライニングシートなら、後ろに倒すのは問題ない。後ろに人がいるので、全体重をかけて一気に倒すと、テーブルが大きく揺れたり、後ろの客の姿勢によっては衝突するから、ゆっくり倒す必要はあるが。
ただ、大きくリクライニングすると、後ろの窓際の客が、降りにくくなってしまう。夜の下り普通列車グリーン車では、満席に近い状態で、多くの乗客は1人で乗車している。窓際の客が降りる時に、前の席が倒れていなければ、通路側の人が座ったままでも何とか通路に出られる。しかし、前の席が倒れていたら、通路側の客に一度立ってもらう必要が出てくる。
実際に座るのなら仕方ないが、中には隣の空席まで一気に倒す乗客がいる。これは避けてもらうと有難い。下の写真は、窓際に座って通路側も最大までリクライニングさせた状態。
実際に座るのなら仕方ないが、中には隣の空席まで一気に倒す乗客がいる。これは避けてもらうと有難い。
↑写真のように最大に倒すと、窓際の人が出にくくなる。
【3】乗客が入れ替わる路線でゴミを残さない
たとえば常磐線の下りグリーン車なら、上野と日暮里で大半が乗車して、松戸以降はほぼ降りるだけだ。乗客は空き缶をゴミ箱に入れるべきなのだろうが、次の客が不快に感じることは、あまりない。
しかし、乗客が入れ替わる路線では、事情は異なる。
高崎発小田原行の湘南新宿ラインだと、長距離の運転だけに、途中で乗客が入れ替わる。熊谷から乗った客が池袋まで乗り、同じ席を新宿から乗った客が大船まで乗るという具合だ。(大半は池袋・新宿・渋谷で降りるかと思ったが、実際は半分以上通しで乗ることもあったが)
だから、途中で乗客が入れ替わることが多い「新宿湘南ライン」「横須賀線総武線」は特に、席にゴミを放置せず、ゴミ箱に入れてもらうと助かる。
新幹線だと、東京発博多行の「のぞみ」は、途中駅での乗り降りが多い。東京から福岡に行くなら、航空機の方が便利で大抵は安いから、全区間乗る人は少ないわけだ。
【4】席を転換させた時に、リクライニングを最大に倒さない
4人でリクライニングシートを利用する時は、席をひっくり返して転換させる。その状態でリクライニングすると、前の席の乗客が倒せなくなる車両が多い。だから、座席を転換させたら、リクライニングは基本的に倒さない、あるいは倒し方を控えめにすることが適切だ。
前の人がリクライニングしていると転換できないので、一旦戻してもらうのは良いのだが、転換してすぐ最大にリクライニングさせた輩を見たことがある。前の人は当然前のような角度にはできなくなってしまった。
【5】大勢乗る駅に到着する時に自由席を離れない
東北新幹線下りの自由席が上野発車時でほぼ満席、大宮から乗る人の多くは座れない状況。こんな時に、大宮到着直前に席に荷物を置いて席を離れる人がいる。トイレに行ったのか何なのか分からないが。
するとどうなるか?
大宮から乗った乗客は「荷物どかしてもらっていいですか!」と隣に座っている客に、話しかけてくる。隣の客は、「どこかに行ってるようですね」とでも答えるしかない。混雑時はこれを3人4人に説明しなくてはならない。
中には、「一人で2席占領してふざけた奴め」という目つきで睨み付ける人もいる。
置き引き対策も考えると、トイレに行くなら駅を発車してから行くのが良いと思う。