両替しましょうか?【16】 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 普通列車グリーン料金は、事前料金と車内料金に分かれている。乗車前に購入すると、250円安くなる。

 まもなく発車するという時は、迷う。「ホームの券売機でスイカでグリーン券を急いで買う」のか、それとも「乗り遅れたらマズイので車内で買う」のか、である。

 急いで購入して飛び乗ろうとした老紳士が、扉の1m前で転倒して立てなくなったのを目の前で見たことがある。ギリギリに駆け込むのも考え物だ。


 ある日、始発駅からグリーン車の2階中央部に乗車して発車を待っていると、顔見知りの凄腕アテンダントさんがやって来た。発車する前から、車内を巡回するのは、さすがだ。

  私の2列後ろの客は、グリーン券を持っていなかったようで、赤ランプのままだった。その凄腕アテンダントさんは、客に「よろしければ両替しましょうか?」と客に話しかけた。

 発車まであと5分以上ある。客がスイカを持っていることは分かっている。目の前のグリーン券売機で購入すると安くなる。しかし客が1000円札を持っておらずチャージして購入できないと分かった。そこで、案内したセリフが「1000円札に両替しましょうか?」だ。持っていたのは1万円札だけで、券売機で唯一使える1000円札は持っていなかったようだ。

 客は助かったという表情をしながら、両替してもらい、ホームでグリーン券を購入したのだった。これは、親切な対応だ。

 
 見事だと思ったのは、私の席の3列ほど前の客には、ホームで購入できると案内しなかったことだ。

 3列前には、足が悪い老夫婦が座っていて、グリーン券を買っていなかった。この老夫婦には何も案内せずに、車内料金を現金で払ってもらっていた。スイカを持っているか不明で、足が悪い客に、「ホームで買うと安くなりますよ」と案内するのは、むしろ有害な気がする。

 時と場合を選んだ対応は、見事だと感じた。