首都圏を走る2階建てグリーン車では、グリーンアテンダントが「車内販売で御座いま~す」とカゴを提げて歩いてくる。
車内販売では、乗客に前から近づく時と、後から近づく時がある。この違いを意識して巡回したいが、その一つに歩く速さを変えることがある。
ベテランの凄腕アテンダントさんは、後ろから近づく時は、意識的に歩く速さを少し抑える。
乗客の前からアテンダントが歩いてくる時は、何を買おうかなと考える時間的余裕がある。後ろからでは、考える時間がない。(大きな声で静粛な場の雰囲気を壊せば別ですが・・)
そこで、後ろから近づく時は、少しゆっくり歩いてちょうど良い。歩く速さを変えるアテンダントには、「おぬし、なかなかやるな」と思いたくなる。
特に効果的なのは、「シュウマイ」「クッキーサンド・マルコロ」等の土産物の販売時だ。「東京駅舎の復元を記念したクッキーサンド・マルコロ、1050円で販売しております」などと、前からゆっくり回ると、押しつけがましくなり、客に「うざい」と思われてしまう。
でも後ろから速度を落として回るのなら、宣伝をしゃべる時間も長く確保できる。どんな品かとりあえず聞いてみて、それで買わないというのは避けたい小心者も多い(私もそうだ)。買おうかなと思って呼び止めてもらうには、後ろから牛歩である。