新書「妻に捧げた1778話」眉村卓
 
新潮新書
 
SF作家・眉村卓さんの本は、中学三年間でかなりの作品を読みました。
『なぞの転校生』『ねらわれた学園』『時空の旅人』・・・
30作品ぐらいは読んだのではないでしょうか。
本作は、その眉村卓さんの奥様が癌になり、
夫である眉村卓さんは自分が奥様にできることとして、
一日一話のショートストーリーを書き続けたのを抜粋したもの。
さらに奥様の病状等を書いたエッセイも付け加えた一冊。
これが決して、お涙頂戴ものになっておらず、
眉村卓さんの作家としての矜持が感じられます。
帯や宣伝広告を見ると、「癌を夫婦愛で乗り越えた」みたいになってますが、
これは明らかにミスリードで、新潮社のセンスが問われます。
『なぞの転校生』が岩井俊二の手によってリメイクされたのは記憶に新しいですが、
眉村卓さんの他の作品にもスポットを当ててほしいものです。
 
クローバー80点
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