カジノが日本にやってくる。。。

今回は、いわゆる「カジノ解禁法案」が国会に再提出されることから、誘致地域が不動産市場に与える影響について考えます。 

 

政府は、カジノを中核とした統合型リゾート(IR)について、2020年の東京五輪・パラリンピックまでに開業できるのは、再開発計画などで適地のある横浜市と大阪市の2か所と判断し開業を目指す方針を固めた。横浜市は再開発計画が進む山下ふ頭、大阪市は大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)が本命視されている。いずれも大型クルーズ客船にも対応可能なエリアだ。

国際観光振興として安倍政権は、訪日外国人客数を、2020年までに2千万人、2030年までに3千万人にするというインパクトな目標を掲げている。カジノ合法化と統合型リゾートの導入は、そのような達成目標を実現するための一施策であり、生み出される経済効果の市場規模は、約1.5兆円程度と試算しているようだ。アジアでは中華系を中心にカジノ人気は高く、東南アジアや中国、インドの観光客が顧客の中心となると見込んでいる。

不動産市場に及ぼす影響

不動産市場の観点からカジノ施設を見た場合、カジノ施設の立地が、住宅市場や商業施設市場に与える影響はどうなるだろう。

カジノの1施設当たりの予想市場規模は、5千億円程度と考えられている。周辺観光地、ビジネス地区にも多数の訪問者が見込まれることから、相当なインパクトになることは間違いない。誘致地域が既に成熟した都市エリアであったとしても、その集客効果、経済波及効果で、商業地については間違いなく地価が上昇するはずだ。その水準は影響の及ばない周辺の土地よりも、20%近くは高くなること予測する。

 

一方で、住宅地については、カジノがあることの直接のメリットは、交通インフラが整備される場合などに限られ、かえって治安不安や住環境の悪化を懸念する住民が増えそうであり、地価に関してあまり変動はないだろう。

大きな期待

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致は、「消費支出の押し上げ」、「雇用の増加」といった経済効果や、「犯罪の増加」、「ギャンブル依存症の問題」などの社会的な議論がありながらも、 日本におけるカジノ施設の立地が、不動産市場に与える影響は極めて大きいと結論付ける。