「平和は子どもたちから育まれる」~~ガザ地区と日本 | 紙風船

紙風船

中学校と高校で社会科を教えています(いました)。街探検や銭湯が大好き。ピクトグラムや珍しいものが好き。でも一番の生きがいは、子どもたちに「先生の授業、たのしい」と言ってもらえることです。

今年一番悲しかった,胸が苦しかったニュース。

「イスラエル・ハマス戦争」開戦,

ガザ地区で進行中の集団虐殺。

(もちろんロシア・ウクライナ戦争は継続中ですが…)

 

以前のブログに,

日本は「パレスチナ最大の支援国」と書きました。

そしてあまり大きく報道されてきていませんが,

パレスチナの教師が日本を訪問して視察や教育法の研修をしたり,パレスチナの子どもたちが日本の学校を訪問して生徒と交流するという取り組みが続けられてきました。

 

今年1月,NHK「国際報道2023」で見たニュース。

ガザ地区の理科(生物)教師が日本の学校を視察。

そこで語った言葉です。

 

「平和は

政府からではなく 

子どもたちの中から育まれるものです」

 

すごく胸に響いたのでメモをしておきました。

 

10月6日,ガザ地区の13歳,14歳の学生3名が,国連機関の支援を受けて広島の高校を訪問しました。

          (以下,NHK広島放送局のweb記事より)

 

広島の高校生は,原爆や平和について学んできたことを伝える。

ガザの生徒は,平和に日常生活を送れる幸せを訴える。

その後,3名は原爆資料館を訪問します。 

原爆投下後の広島の街が,ガザ地区と重なったと語ります。

「ガザ地区の厳しい現状では,夢を叶えるかどうかではなく,あしたの朝を無事に迎えられるかどうかを真っ先に考えます。教育はガザ地区での唯一の希望です

「現実は,すでに5階の戦争を経験,絶えない衝突,6時間しか電気が通らないのは当たり前,家族や友達,自分の命を失う,恐怖の中で生きています。私たちは世界の子どものように,平和な世界を生きる当然の権利があります

「広島が原爆の被害から復興したように,ガザ地区も苦しみながら立ち上がりたい」

 

訪問の翌日,イスラエルのガザ地区侵攻により,イスラエル・ハマス戦争が勃発します。

ガザ地区の3名の子どもたちは今どうしているのでしょうか。

NHKのweb記事は11月6日付でした。

 

3名は10月8日離日したものの,ガザ地区には戻れず,ヨルダンに滞在していました。10月27日にはオンラインで広島の高校生と交流できたそうです。

 

ぜひ,こちらで全文をお読みください。

 

それからさらに1か月…

3名はまだガザ地区に戻れずにいるでしょう。

テレビやネットのニュースでは,連日ガザ地区が破壊され多くの市民が虐殺される姿が映し出されています。3名の家族や友人は…。3名はどんな思いでその映像を見つめているのでしょうか。

 

「平和を愛する気持ちは,世界中どの子どもも同じ」だと,

「教育はガザ地区での唯一の希望」だと,

ガザ地区の復興を,

今もまだ信じてくれているでしょうか。

 

そうであってほしいと願いますが,

願うこと自体が思い上がりのような気もしてしまいます。

 

1月に聞いた言葉

「平和は政府からではなく 

子どもたちの中から育まれるものです」

そのときボクは反射的にこう思いました。それならば

「戦争は子どもたちの中からではなく 

政府が子どもたちに育んでいるものです」

と言えるだろう,と。

 

今,

パレスチナやイスラエルの子どもたちの心に育まれているのは

「平和への願い」なのでしょうか。

「戦争による復讐」なのでしょうか。

 

今,

日本の子どもたちは(オトナたちだって)

「平和」がアタリマエ,「戦争」は別の国の出来事

として生きています。

 

そうなる過程には,いろいろな問題や複雑な事情がありました。

だがしかし,ボクはパレスチナやイスラエルの(ロシアやウクライナの)子どもたちも,いつの日か,そう思える日が来てほしいと願うのです。

21世紀のうちには無理かもしれません。

 

でも,ボクは,その日が来るために,

「社会科のセンセイ」を続けていきます。