ロボットは感情を持たない、そんなことをイメージする人が多いかもしれません。そんな常識を覆してくれたのがPepper君でした。現在でも見かけることが多いPepper君、その生みの親でもあり、現在はGROOVE X株式会社で代表取締役社長を務めるのが林要さんです。1973年生まれ、46歳の林要さんは愛知県の出身です。大型バイクに憧れを持ち、免許取得が許される高校はかなりレベルの高い高校で、うっかり合格してしまったことで成績はかなり厳しかったそうですが、この経験が林さんに様々な影響を与えます。高校時代はロボットを作ることすら考えておらず、夢すらも持てなかったそうです。ただ父親がエンジニアだったことでモノづくりには関心があった林さん、東京都立科学技術大学に入り、自動車などを学び、大学院修了後、トヨタ自動車に入社、その後、スーパーカーの開発やF1の開発スタッフとして活躍すると、2012年ソフトバンクに入社、Pepper君を開発します。
その後、独立を果たし、会社を設立した林さん、その目的は新たなロボット開発のためでした。2015年から長らく時間をかけて作られたロボット、それがLOVOTです。2019年に行われたthe Verge Awards at CES 2019のベストロボットを受賞した他、最も印象に残ったロボット第1位に選ばれるなど大きな注目を集めます。300以上の海外メディアが取り上げたLOVOTの見た目は、ハイテクな感じがあまりないモノ。何をするロボットなのかという問いに対しては役に立つ仕事はしないと回答する林さん。そのココロは人に癒しを与えるのが目的で、お掃除ロボットのような人の役に立つことはしないというモノです。ペットのような存在と語り、セラピーロボットとして注目を集めました。デンマークで検証を行ったところ、それまで誰とも話さなかった認知症の人が、LOVOTに触れたことで会話を始めたという話もあります。顔認識、感情エンジンの導入、10億以上あるとされる目の表現、センサーなど最新技術をこれでもかと詰め込んだLOVOT。Pepper以上の発明といえるでしょう。
林さんの年収は定かではありませんが、2019年からLOVOTの販売がスタート、爆発的な人気になればすぐにでも億万長者レベルになれるだけのポテンシャルを秘めており、今後の動向に注目です。