ANAのつもりがAIR DOになった飛行機は雲を抜け陽光を浴び、一路旭川を目指す。


本州の縁に来た。


初めて見る、北海道の大地。

細かく蛇行する川、不規則な田畑、ひと塊りになった建物、そして切り付けるような山々。


8:35、定刻通り旭川空港着。


お疲れ様、ありがとう。


小さな空港で少し驚いたが、後に空港規模の適切さを知ることになる。


デジタル表示ってどうしてうまく撮れないのだろう。只今の温度・21℃、時間・8:45、やはり首都圏に比べると涼しい。


旭川の名の由来は諸説あるようだが、いずれにせよ聞き違いから来ているようだ。私はいい名だと思う。


ここから市の中心部までバスで約40分。

この空港と中心街とのアクセスも後々悩みのタネとなる。

観光バスタイプの車両だが、降車を知らせるボタンがついている(画像中央上の黄色い物)。使う人がいるのかな、と思っていたら旭川駅前までに何人かがボタンを押して降車した。


バスの中から見えた銅像。

スマホで検索。

「レルヒ中佐顕彰像」

オーストリアの軍人で北海道のスキー文化に貢献した人物だという。旧陸軍第7師団の将校たちにスキーの手解きをしたのもこの人。現地で知ったのだが第7師団は『ゴールデンカムイ』にも登場するらしく、旧師団駐屯地が「北鎮記念館」としてファンの聖地巡礼の場所となっているそうだ。


時刻を少しだけ過ぎて乗客をギリギリ待ち、バスは発車した。車内から見る道路標識、本当に北海道に来たのだな、と実感する。

空港からしばらくは畑地の中を行く。見慣れない穀物が実っている。小麦らしい。やがて民家が増えてくる。


普通の家だな…「北国の家」を勝手に想像していたからそんな印象を受けた。普通にガーデニングをしている普通の家…。

しかし思い直した。私の親戚は冬にはマイナス40℃にもなる国に住んでいる。雪が溶けるのを待ちこがれ、花を植え庭仕事をして短い夏を楽しむのだという。

過酷な冬と暑くとも光の中の夏。花で飾られた普通の家がどこか誇らしげに見えた。


住宅街とロードサイドらしい店舗の数々を縫ってバスは行く。やがて大きめのマンションが増えてくるとその先にJR・旭川駅が見えてきた。


ほとんどの乗客が旭川駅前で降車する中、私は車内に残り更に先へ行く。


五条昭和通、そこが旭川での旅のスタートだ。