突撃一泊の小田原の旅、初日は毎度の行き当たりばったりで迷走に突入、結果的に様々な出会いに恵まれた。


2日目。

朝6時半に宿をチェックアウト、近くのコンビニから荷物を送る。40年来の相棒は厚手のナイロン地の、ダッフルとボストンの中間の様な大きめのバッグだ。バックルやナスカンなど普通は金具の部品が全て樹脂製の変わり種である。年季が入ってきてその樹脂部が最近ギシギシいう様になってきた。受け付けた店員はそんな老兵を丁寧にビニール袋で包んでくれる。



まず小田原駅から箱根湯本駅へ向かう。


外国人、それも白人系の旅行者が目立つ。

登山電車に乗り換え。


朝まだ静かな湯本の街を抜けて箱根の山の中へ。


途中の塔ノ沢駅はホームの中に銭洗弁天がある珍しい駅だ。途中下車して参拝する観光客は多い。この日は早朝のため降りる乗客はいなかった。

3両編成の小さな電車はここから世界第2位の急勾配に挑む。


無賃乗車のトンボ。


小涌谷駅で下車。白人の親子4人連れが一緒に降りた。共にトイレに寄ったが、私より先に出てどこかへ消えた。


ここから結構な急勾配を上がって行く。今回の出たとこ勝負の旅唯一の目的地・千条の滝(ちすじのたき)を目指す。

そうは言っても15分ほどの道行きなのだが、運動不足の私には十分キツい。目に入る植物が楽しいので気は紛れる。


道ばたの植物を眺めながら坂を登ってゆく。

途中で見かけた石碑。何かの塚か、道祖神の様なものか。すり減っていて判別できない。


途中で舗装された坂道を左手に折れ、未舗装の小道に入る。それが千条の滝へ続く道なのだが、谷側(小道の左手)は大規模な開発工事が行われている。

一方この辺りは「熊主没注意」のエリアでもある。機械と人間が大挙現れる場所に熊が近づくとは思えないが、早朝でもある。

臆病な私は、

クマ避けの鈴と


同じくクマ避けの笛を用意した。


急斜面に設けられた山道、やや広いとは言え熊が出たら避けようのない道を5分ほど歩いて

1年ぶりに千条の滝にやって来た。


滝の全体像は2年前に同地を訪れた際の記事内の動画をどうぞ。


(この時も日常から脱走を図っている…)


千条の滝を訪れるのは4回目。すっかり惚れ込んでいて、できれば水槽で真似できないかなどと大それたことを考えてしまう。

そうなると細かいところにばかり目がいく様になる。


オーバーハングから流れ落ちる滝、途中水の当たる部分、水面。


足元の苔むした石。その苔を地面代わりに陸生の植物が育っている。


ほんの50センチ位置が違うだけで生える苔の種類が変わる。また同じ種の苔も環境で違うカタチになる。専門家でも判別は難しいらしい。


これも別の苔。苔に生えているのはユキノシタ?チャルメルソウ?こんなのも水槽にあったらいいな。


これは多分広葉樹の赤ちゃん。何十年後の後にはここに木が立っているかも知れない。そんなイメージの水槽もいい。


枯れたシダの葉が流れを導いて、その上に苔が生えている。苔は多分ゼニゴケの仲間。よく見ると空気に触れている部分と水に浸かっている部分とで葉の形が違う。


ゆっくり眺め、細かい部分の画像や動画を山ほど撮っておよそ1時間半、頃合いと見て引き上げる。


帰路も当然草木に目がいく。

シダ・コケ・被子植物の共演。右下のシダは自生しているアジアンタムの仲間。「アラゲクジャク」の名で時々観葉植物として出回る種だろうか。



滝から離れるにつれ苔・シダよりも被子植物が増えていく。


いつもならサワガニと出会う沢で、この日はカエルと遭遇した。ヤマアカガエルだろうか?


物騒な張り紙だが、この樹はなんらかの形で再利用されるらしい。


マメヅタ。こう見えてシダの一種。


盆栽などで流通するイワヒバが自生している。


千条の滝からの小道の終わり近く、大勢の作業員やトラック、建機とすれ違う。まもなく午前9時、これから朝礼の後1日の作業が始まる。
一大リゾート化で、千条の滝と水源、そこを流れる蛇骨川は大丈夫なのだろうか。


小涌谷駅が近づいてきた。急な坂は下りもしんどい。


小涌谷のホームで電車を待つ人々。上り・下りとも同じくらいの人数だがほとんどが白人の観光客。行き道で一緒に電車を降りた一家も白人だった。

小涌谷駅からはどの観光地へも距離がある。千条の滝よりずっと上に高級ホテルが、あとは乗り継ぎのバス停があるばかりである。皆どこから来て、どこへ行くのだろう。

時刻は朝9時を迎えたところ、これからまだ半日は自由時間だ。