玄人好みではありますが、もの凄い花が現れ大賞に輝いた今年の世界らん展・日本洋らん大賞。


ぎっしり詰まって仕上がった株、斑入りの瑞々しい葉、茶・黒・緑系列の良いところ取りのような花。


大賞には及ばなかったものの、今年も多くの花・株が集まりました。その中から目についたものをご紹介。


まずは大賞花と同じ、パフィオペディルム属と近縁のフラグミペディラム属から。



花自体が光を放つかのような黄色。




新円の黄花!




茶花系の整った大輪、色艶が素晴らしい。




白花の丸花。ここまで色を抜けるとは。




いっそ赤にも見える強烈なピンク。



茶花系から色を抜き黄花の要素を入れるとなぜかほんのりピンクになる不思議。


この数年お話している「蘭の名前が変わっている」問題。遺伝子レベルでの研究が急速に進みもはや以前の常識は一切通用しなくなっています。今回のらん展で個人的に最大の衝撃だったのがこれ。

デンドロキラム…の筈が。

セロジネ属になっている!「(旧〜)」の但し書きが哀しい。

セロジネと言ったらこんな花と姿。



…似ても似つかぬ。

だが学術的には「デンドロキラム属」は全て「セロジネ属」となり、「デンドロキラム属」は消滅してしまいました。

新しいらんの図鑑、買ってこよう…(得てして非常に高価、できたら旅行費に回したい)。


私の好きなデンドロビウムからはノビレ系正統派が受賞。



抜けるようなクリーム色。


とりわけ私好みの下垂系。



日本にも自生するデンドロビウム。

「長生蘭(ちょうせいらん)」は園芸上の名、植物としてはセッコクと呼ばれます。


見事な花色です。


因みにこれが自生のセッコク。

東京・高尾山のケーブルカー・高尾山駅。高尾登山電鉄スタッフさんのブログから拝借いたしました。


デンドロビウム・ノビル系の改良は日本のお家芸。









蘭の中の一大グループであるデンドロは姿も花も種類豊富。











今回の〆は志穂美悦子さんのアレンジメント。


独特の世界観。


志穂美さんは元アクション俳優。

『キカイダー01』(1973年)よりビジンダー/マリ。

日本初のアクションも自らこなす女優さんとなりました。

現在はフラワーアーティスト、シャンソン歌手としてもご活躍です。


次回はカトレアやフラワーアレンジメントをご紹介します。