明るい間いっぱいに見たい場所を見て回ったところで、宿へのチェックインの時間。ありがたいことにこの宿、中洲のかなり良い所にあって近辺から見つけやすい。迷わなくてすみそうです。
避難経路を確認して回ったら
向こうに見覚えのある橋が…。期せずしてロケ地発見です。後で行ってみよう。
部屋で旅装を解きひと休み。ブログなど打ちながら(だから珍しく更新が速かったのです)良い時間を待って、行ってみたかったお店に向かいます。胡麻サバが美味しいとのこと、ワクワクしながら宿から歩いて10分ほど、雑居ビル1階の奥のお店に到着。あれ?入り口から「ヤバい」感…えいやっと引き戸を開けます。
しまった。
6〜7席のカウンターは磨き込まれた分厚い木製、料理人さんふたりと向かい合う形。背後にテーブル席。適度に落とされた照明がとても落ち着いた雰囲気の…要するに私が苦手とするタイプのお店です。まずい事に私が一番客、もう退けない。「ひとりなんですが…」と声をかけて、一番奥の席に案内されました。
(そういう訳で、写真はありません。)
生ビールのグラスとお目当ての胡麻サバ、タコぶつを注文。今日の為に3日我慢したビールをまずは一気に空けます…ッカッハー!
すぐさまおかわりをお願いして待つ事しばし、すんごい胡麻サバがきました。中くらいのお鉢に分厚い身が7枚ほども!胡麻ダレに浸されて光っています。あしらわれた大葉も新鮮です。小さなすり鉢とすりこぎに白炒りごまも添えられて、
「まずはそのまま、それから強めに擦った胡麻を追い胡麻にしながらお召し上がりください」
と大将。いただきます。
程よいぷりぷり加減のサバは脂控えめ、その分身の旨みが伝わります。胡麻ダレは甘味も塩味もサバを立てるように仕立ててあります。追い胡麻を強く擦るのは胡麻の脂がよく乗るようにですね。かけるとサバに掛かった追い胡麻が香りを、タレに混ざった追い胡麻が脂を増していきます。
そこへタコぶつが。少し大ぶりに切られたタコぶつにわさびダレと香辛料を加えた塩が付いてきました。わさびダレをつけるとたこわさ風に、塩は複雑な味ですがタコの甘さが引き立ちます。かすかに山椒の香り、赤いのはピンクペッパーかな?ミズダコを使っていますがマダコなのでは!?というくらい身がしっかりしています。
立て続けにビールをおかわり。
「いかがですか、ウチの胡麻サバは?」
使われている九州醤油の話、ビール党が減った話などしばし会話、逆に「関東での青魚、特にサバの扱いは?」など尋ねられました。
いい感じで肩の力が抜けたところでお腹は張ってきます。
ビール4杯、小1時間ほどでおいとまいたしました。気持ち良いご挨拶で送り出され益々気持ちよくなります。
美味かった、これまでで最高の胡麻サバとタコぶつだった。それと…やればできるじゃん、俺(笑)食べず嫌いせず色んなお店に行かないといけませんね。
さて、お腹に余裕ができるまで散歩と行きましょう。
お店を出て那珂川を目指します。大通りに掛かる橋に着きます。
春吉橋です。片側2車線の車道と、同じくらい広い歩道。寄り添うように人専用の細い橋が掛かっています。
橋の架け替えにあたり仮設置の橋の大きなものを「公園」として、更に細い橋も取り壊さずにそのまま残したのだそうです。開発/再開発の際の新しい試みですね。春吉橋が登場したのは
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995年)
博多湾に侵入したガメラをバックに避難する人々を描いたシーンです。
架け替え工事は2015年に始まり、完成が2022年。撮影されたのは架け替え前の橋ですが、場所は同じです。歩行者専用橋を本橋の方から撮影しています。人通りが多く、また高い位置から撮影している為映画と同じアングルでのショットは撮れませんでした
名所となっている屋台も撮影に協力しています。
反対側からの撮影になってしまいますが、当時から続いている屋台も見られます。
ここから主に川沿いに海側へ下って行きます。
この界隈は春吉橋から中大橋まで、怪獣映画に縁がある橋が3本並んでいます。
そのまんなかの橋が宿から見えたこの橋です。
福博であい橋。特徴的なデザインが川面に見て取れます。この橋が登場したのは
『ゴジラvsキングギドラ』(1991年)
橋の俯瞰に巨大な影が一瞬横切るサスペンス!
ここでも博多は壊滅させられてしまいます。
博多は国内屈指の「怪獣罹災地」で、本作の3本後の『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994年)では福岡タワー一帯がゴジラとスペースゴジラの決戦の場となっています。
ゆっくりと3時間程も散歩して回り、昼間訪れた大洋映画劇場の前に再び。ライトアップされた姿も良いですね。