良い店との出会いで北海道のご馳走・生ラム肉と蝦夷鹿のジンギスカンを味わった私は、まだ明るさの残る夕刻の旭川の街を歩き始めた。今回利用した宿が面する国道40号線は私がジンギスカンの店を検索した交差点から駅方面に向かって昭和通りへと変わる。
歩いている間にぐんぐん日が暮れる。
「ギリギリ」の名とロゴだと思っていたビルの1階にはセブンイレブンの店舗が。してみるとこれは公式か公認か?調べてみたがわからなかった。ただ向かいの「男山」の看板のビルと並んで旭川市内では知られたビルらしい。
月が綺麗だ。
毎度のことながら月の撮影は難しい。このときはこれが目一杯、アップにすればウサギもなんとか見えるはずだ。
左に見切れているビルに大型の書店がある。寝入り前の本を買おう。
ビルに入って見て驚いた。
暑い。屋内の方が暑い。羽織っていた薄手の長袖を脱いだ。複雑な構造のビルで上階に上がるのに何度か遠回りを強いられる。汗が噴き出てくる。まだ午後7時を過ぎた辺り、駅周辺の一等地のビルの中はまるで閉店間際のような雰囲気だ。ようやく見つけたエスカレーターで書店に到着、流石に人がいるが都心の同じ時間の書店の人出とは比べるべくもない。好みのジャンルのコーナーで面白そうな雑誌を探す。それだけなのに汗をかく。
懐かしい1990年代F1レース車のムックを買い求め、書店を後にした。ビルの外に出ると心地よい風が汗を拭ってくれた。
横断歩道の向こうのドラッグストアが目に入った。立ち寄って風邪薬を買う。なんとなく入り用な気がした。よく効くが薬剤師の説明のいる薬を買って店を出ると先の書店の入ったビルの横に人が行き交う通りがある。信号を戻ってその通りに足を踏み入れた。
ここは「平和通り買物公園」、通称「買物公園」。
(ただし一般道との交差点には信号機が設置されている。)
東京の銀座や新宿など(1970年)より早い1969年(昭和44年)、12日間の歩行者天国開催実験を経てのち1972年(昭和47年)日本初の恒久的歩行者天国として開設された。この時国道であったこの通りを国から旭川市の市道に移管する、という前代未聞の決定がなされた。先述の実験に漕ぎ着けるまで当時の市長をはじめ地元商店街の大変な苦労があったという。その後の大改修を経て現在の「買物公園」の姿になった。訪れたのが夏なので気づかなかったがロードヒーティング(道路を温めて凍結や積雪を防ぐ装置)も取り入れられているという。
そういえば旭川の名所のひとつに数えられていたことを思い出す。買物と公園、名所に数えられるのは不思議に思えたが実際にそこに立ってみて納得した。ただの商店街でも公園でもないが、そのどちらでもある。
「買物公園」を駅側から北に向かって歩いてみる。ざっと流しては戻り、ゆっくり見て回ってはまた戻る。北側の外れらしきところまで行ってみた。
どうやら平日夜に賑わう「買物公園」はここまでらしい。
幾度めか、「買物公園」を駅へと引き返すことにした。
なかなか腹が減らないなあ…。







