さて、前回からの続きです。

「雇用創出」とは言ったものの、どうやって雇用を作り出すのか?

どのような産業を興すのか?

,,,,実は、自分が考える前に、その答えはすでに用意されていました。

まずこれを見てください。

 

 

 

 



勘の良い方はもうお分かりになったでしょう。

これらはすべてセブで産業廃棄物から手作りで作られたバッグです。

実際には、このバッグは大きなデパートで350pesp(600円)くらいで売られていますが、

バッグ一つを作るのに135peso(250円くらい)しかかかっていません。

それをデパートなどの小売店に180pespで売り、差額の45pesoが利益となっています。



では、これらのバッグは、いったいどこでだれによってつくられているのか?


答えは、刑務所の中にいる服役者です。

意外な答えに驚かれたかもしれませんが、
これは、Hopeの活動に十分に関係があります。

 

Loregaでは、薬物売買・窃盗・強盗・暴行などの犯罪が日常的に発生すると
以前書きました。
そして地方の警察などが正常に機能していないために
このような犯罪の多くは見逃されているということも書きました。
しかしながら、すべてがすべて野放しなわけではありません。

特に都市部に出て強盗などを犯したギャング団は
現行犯で警察に捕まることもあります。
そうして捕まったギャングたちが収容されているのが
このバッグが作られている刑務所でした。

このように一度は刑務所に入った犯罪者も
ほどなくして釈放され、またLoregaに戻っていきます。
しかし、彼らのほとんどは、社会に出ても更生することなく
また同じように犯罪を繰り返し、刑務所に入れられてしまします。
刑務所にいる人たちの多くは、このような再犯者だと聞きます。

なぜ、このように犯罪を繰り返すのか?
答えは単純です。

もともとなぜ犯罪に手を染めるようになったかと言えば
家が貧しく、まともな教育を受けられない、そしてまともな仕事に就けない
結果生活していくだけの最低限の収入を得るために、不法行為を働かなければならない
ということになっているから。
そのような現状は、刑務所に入った者が、刑務所からまた社会に復帰しても
少しも変わりません。
そのため、刑務所に入る以前と同じような、不法なやり方で生きて行かざるを得ません。

たとえ心を入れ替えて人生をやりなおそうとしても
人生をやりなおすだけのチャンスが彼らには全く与えられていないのです。

これでは、彼らは一生希望の持てない人生を送ることになってしまいます。
そしてさらに重要なことは、このような犯罪の被害者も一向に減って行かないということです。

このような負の構造をどうにかできないか
ということで始められたのが
刑務所内でのバッグ作りでした。

彼らは社会復帰後、服役中に自分たちが作ったバッグの数に応じて
手当を受け取ることができるようになっています。

これらを元手にして、一緒に社会復帰した仲間と
小さな事業を立ち上げることが多いそうです。


実は、自分はその刑務所をDavisとともに訪れました。

さすがに中は撮影禁止だったので中の写真はありませんが
これが外の写真

 

この左側の建物になります。


 
左上の幕に「JAIL〈刑務所)」と書いてあるのが見えるかと。


中に入るにはパスポートが必要で
荷物はすべて受け付けで回収。

変なボディチェックとかもして
いろんなスタンプを押されました



ひと言で中の様子を形容するなら「人がとにかく多い」ですかね。

階段や廊下など、建物のそこらじゅうに人がいます。

あくまで感覚的にですが、約300人くらいいた気がします。

私たちは色々見学した後、最後にバッグを作っている部屋に行きました。
そこだけは雰囲気が違っていて、なんだか普通のお店のような感じでした。
出来上がったいろんな種類のバッグが何個も壁に掛けられていて
サンプルとして日本に持てるだけ持って行ってくれということだったので
13個ほど選んで日本に持って帰ってきました。

そういうわけで、上の写真のバッグたちは、まだ自分の部屋に眠っています。


そう、このようなバッグを作る技術をLoregaの人たちにも学んでもらい
彼らが作ったバッグを日本で売る、もしくはセブにいる日本の観光客に売る
そうして得た利益を、彼らに給料として還元する。

ようするにフェアトレード事業によって、「雇用創出」を行おう
というのがHOPEの2大プロジェクトのもう一つなのです。

おわかりいただけたでしょうか?


これで一応HOPEのメインプロジェクトの説明は一通り終わりました。



さて、Loergaの貧困状況からその解決方法まで
紹介して来ましたが
何も今現在Loregaに全く希望がない
というわけではありません。

貧困や犯罪に覆われた暗い街を明るくしてくれていたのは
屈託のないLoregaの人々の笑顔でした。

その人々に学びと遊びと繋がりの場を提供してるのが
他でもないわれらがDavisなのです

最終回となる次回は
「無縁社会」とも言われる先進国日本の都市部に住む自分に
「本当の豊かさとは?」ということを考えるきっかけをくれた
Davisの「土曜学校」「日曜教会」についてお話します。

お楽しみに。