第七話 いざ聖地へ
「シコラス精子をぶっつぶす!」と言う名目で行われた児ーポ監督ひきいる学プロ関係者の関西旅行は無事に終わり、SWSの選手達は本格的に学生プロレスサミットへ向けて練習を始めていた。
筋肉をいじめ抜く者、受け身やレスリングの技術を磨く者、豚のように飯を食らい身体を大きくさせようとする者・・・SWSの練習場には、いつものSWS特有の「のほほん」とした空気は少しずつ薄れていった。
ヒロ「うむ、我々のようなサミットに出ないものにはなかなか暇なものだなぁ」
ドクターペッパーを片手に、練習場にあるイスに腰掛けて、練習する選手の動きを見ている水島ヒロ斉藤。スマータフォンセクスペディアも同じようにヒロの隣に座ってマスク越しにぐびぐびとコーラを飲んでる。サミット参加組を見ているスマタの目はどこか寂しい、ヒロはただ何も言わずに肩を叩いた。
スマタ「これだけ熱心に練習していれば、ぺどっぴーもふらっと現れたりしないかな・・・」
ヒロ「・・・・そうだ!」
ヒロは立ち上がり、そこらへんにおいてある鞄を適当に漁り、一枚の赤い紙を手にしてスマタの元へ返ってきた。手にしていた紙は、学生プロレスサミット2013のフライヤーであった。
ヒロ「スマタよ、後楽園ホールだ!きっとぺどっぴーのようなプロレスを好む生き物は、もちろん”プロレスの聖地”に現れるに違いない!」
スマタ「やっとぺどっぴーを探す気になったんだね!」
ヒロとスマタは早々と着替えをすませて、何も言わずに練習場を出て行った・・・。
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あいにくフユカイとデルリオは彼女(ラブプラス的な意味で)と会う約束があるとのことで探検には同行せず、今回の探検はヒロとスマタ二人での探検となった。
駅を抜け、橋を渡り、格闘技のポスターがたくさん張ってある建物に入り、エレベーターに乗る・・・。そして、彼らの目指した後楽園ホールと呼ばれる”聖地”が、目の前に現れたのだった。
ヒロ「こ、これが後楽園ホール!」
プロレスの試合を見てると、よく目にする風景がそこにはあった。何人ものレスラーが、この地で名勝負を繰り広げ、数々の歴史を作ってきた。ヒロとスマタはしばらく声も出さずにしばらくその場で会場を眺めていた。
スマタ「ん・・・あっちのほうで何か人影が!」
ヒロ「何!?やっぱりぺどっぴーがこの会場の中に潜んでいるのか!」
二人の間に、ぴんと張りつめた空気が走る。ぺどっぴーはいかなる生物であるか、まだ探検隊でもわからないでいる。もしかしたら、突然襲いかかってくるような、猛獣としての本能を持ち合わせている可能性だってある。別の生命体であったとしても、危険が隣り合わせであることは間違いない。果たして、彼らの目の前に現れる生物は、いったいなんのか!
スマタ「控え室のほうにいったみたい」
ヒロ「おい、気をつけろよ・・慎重にな」
ゆっくりと控え室のほうに向かう二人、控え室の目まで来ると、室内から人の声がかすかに聞こえる。間違いない、この中にいる・・・。
お互い家を見合わせ、無言で頷く。そして、ドアノブに手をかけ、一気に控え室の扉を開けた。するとそこには・・・
ヒロ「あ・・・あなたは!」
きしだ「あっ?お前ら何してんの?」
そこに立っていたのは、UWFの4年生、UWFのチャンピオンであったこともあるレスラーのきしだくんだった。
ヒロ「[きしだくんさん]こそ、何してるんですか?」
スマタ「そうですよ、[きしだくんさん]!」
きしだ「[きしださん]でいいよ!俺はサミット前に後楽園ホールの下見にきたんだよ」
きしだくんは少々苛立っているようにも見える。サミット前でいろいろ忙しいのだろう。
ヒロ「ここにもやっぱり、ぺどっぴーはいなかったか・・」
きしだ「ああ!?!ぺどっぴーだかなんだか知らないけど、今俺は猛烈のムカムカしているんだ!おい、お前らは確かサミット出ないんだったよな?(ニヤリ」
その一言に、ヒロは悟った。まずい、このままではスタッフとしてタダ働きさせられる!
ヒロ「スマタ!逃げるぞ!」
きしだ「あ!待て!まだ話は終わってないぞ!」
一目散に逃げ出すヒロとスマタ、それを追うきしだくん。水道橋付近を逃げまわり、やっときしだくんを振り切ったところで二人は逃げるように電車に乗り込み、SWSの練習場へと帰っていった・・・。
結局、今回もぺどっぴーを探し出すことは出来なかった。伝説のレスラー、ぺろぺろぺどっぴーを見つけだすまで、探検隊の冒険はまだまだ続くのであった・・・。
続く!
先週は作者の都合によりアップ出来なかったことを深くお詫び申し上げます。