第五話 次元の狭間
ようやく学生プロレスラー達はテスト地獄から開放され、来たる学生プロレスサミットに向けて練習に励んでいる中、SWSの練習場にはとある違和感があった。
「またダイヤモンド練習無断欠席かよ。」
「あいつ連絡つかねえし何やってんだよ!」
「ダイヤモンドがよく行くゴールデンジムにもラーメン二郎にもいなかったぞ。」
………学生プロレスサミットに参加し、第二試合に出場する予定のダイヤモンド☆フユカイが練習に来ないのである。
そこで、今回は我々探検隊が行方不明中のダイヤモンド☆フユカイの捜索を行う事となった。
ヒロ「よし、今回の捜索はダイヤモンドと家が近所のデル・リオにやってもらう。とりあえず、自宅周辺で聞き込み調査を行なってくれ。」
デル・リオ「了解。早速今夜にでも行ってきます。」
………………………
---1月某日---
ダイヤモンドの住むアパートにやってきたデルリオ。近隣住民に聞き込みを行った結果、気になる情報があった。
隣人Y「え、隣の住人ですか?そういえば最近に見てないですけど………あ、でもここ最近、隣の部屋からブツブツ独り言が聞こえてきたりしてなんか不気味なんですよ。」
デルリオ「その独り言は何て言ってましたか?」
隣人Y「う~ん………滑舌が悪すぎてあまり聞き取れませんでしたが、『好き…好き…好き………』ってうわ言のように何回も繰り返し言ってたのは聞き取れました。」
デルリオ「そうですか。ご協力感謝します。」
……………………………………
デルリオ(ダイヤモンドの部屋から声が聞こえたって事はあいつ部屋にいんのか?)
"ドンドンドンッ"
デルリオ「おーい!ダイヤモンドー!いんのかー!?」
"ガチャ"
KBSデルリオ「おっ、開いてんじゃーん!」
……………
デルリオがダイヤモンド☆ハウスに足を踏み入れると、………そこには薄暗い部屋の中で体育座りしながらDSを操作しているダイヤモンド☆フユカイの姿があった。
デルリオ「おい!どうしたんだダイヤモンド!しっかりしろ!!」
ダイヤモンド「フヒヒ……凛子ちゃん………フヒヒ………」
なんという事だろうか………ダイヤモンド☆フユカイは最近、プライベートで色々あって三次元に嫌気が差し、
二次元の恋愛シュミレーションゲーム「ラブプラス」に逃避した結果、リンカレ(※小早川凛子の彼氏)の真人くんになってしまったのである!
デルリオの問いかけには一切応じず、虚ろな目でDSを見つめるフユカイ。
自分の手には負えないと判断したデルリオは、一旦退却して隊長に報告しに行くのであった。
デルリオ「待ってろよフユカイ!必ず助けてやるからな!!」
…………………
デルリオ「フユカイを発見しましたが、………上記のような状態でした。」
ヒロ「ふむ……あのメンタルの強いダイヤモンドがやられたとは………そのラブプラスというゲームはよほど恐ろしい代物のようだ。
しかし、現状ではダイヤモンドを助ける方法もわからない。そこで、相手をを知るためにもラブプラスとやらを実際にプレイする必要があるな…」
デルリオ「俺にやらせてください!!」
ヒロ「なにッ!?あのゲームはかなり危険だ!ここはもっと恋愛経験豊富な隊員に任せるべきだ!」
デルリオ「ダイヤモンドとはいがみ合った事もあったけど、大切な同期です……あいつは俺が必ず助け出してみせます!!」
ヒロ「そうかわかった。だが、くれぐれも気を付けろよ。」
デルリオ「な~に、この自称学プロ界イチのストロングヒール、アレスルト・デル・リオ様がゲームなんかに屈するわけ無いでしょう。」
…………………
---175日後(ゲーム内時間)---
デル・リオ「フヒヒ………寧々さん…………フヒヒ………」
そこには、薄暗い部屋の中で虚ろな目でDSを操作する寧々カレ(※姉ヶ崎寧々の彼氏) 達也くんの姿が!
達也くん「もう二度と三次元の女を欲したりしないよ。」
【今回の探検日記】
数々の学生プロレスラーを堕としてきた魔性のゲーム、ラブプラス。一度向こう側に行ってしまった者は二度と帰って来れないという………皆さんもプレイする際はくれぐれもお気をつけください。
……続く。