日本の長寿村・短命村―緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める/サンロード
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この本の著者、近藤正二氏(1893-1977)の結論は「野菜・海藻類・大豆類を日常食にしている村にには長寿が多く、白米を良く食べる村は短命が多い」。
如何にもどこぞのカルト宗教団体が喜びそうな結論である。しかしこの本を良く読むとそのカラクリは連中の思惑とはかなりズレている。
精米技術が発達して不純物が多かった当時とは異なり安全な白米が食べられる現代においては、寧ろ奴らが人生短命で終わる要因を作っていることになりかねない。
では、そのからくりを纏めてみよう。
近藤氏も述べているが、白米はそのままでは沢山は食べられない。以前に白米だけ調味料もオカズも無しで食べてみるように促したことがある。でも実践すると我慢できずに塩や醤油、主菜のオカズが直ぐに欲しくなるハズ。
では、その逆で過去に散々食べてきた料理の白米抜き(残し)はどうだろうか。牛丼で牛だけ食べて白米を残したり、寿司でネタだけ食べてシャリを残すことはできるだろうか。実はこれも否、だ。日本人の食生活では最早主菜が米を食べる為のアクセントにしかなっていない。米は主菜ではなく主食である。
事実、白米というのは人間にとってそういう食べ物なのだ。
そのままでは正直美味しくないがオカズが加わると腹一杯に食べたくなる不思議な食べ物である。
更にもう一つ。
ホカホカと湯気が立っている白米の上に乗せたくなるご飯のお供であるが、そこに青臭い生野菜を載せる人は殆どいないだろう。納豆は別にして塩辛い漬物・佃煮や油っこい(脂っこい)肉類や魚類が主である。つまり濃い味付けがされた食べ物や脂質を多く含む食べ物が主なご飯のお供になっている。
白米の大食いが日常化している村は短命と統計的に出ているが、実際は塩や油脂が大食いを誘発しているのだ。
しかも短命な村では野菜・海藻類・大豆は殆ど食べていなかったらしい。某健康法とそっくりだ。
つまり、白米を多く食べて短命になる原因は
・塩辛い、濃い味付けの食べ物の摂取
・肉類、魚類の脂っこい食べ物の摂取
による白米多量摂取の誘発である。
更に
日本では食の欧米化により白米の摂取量が減ってきているにも関わらず、脂質摂取量の増加でⅡ型糖尿病患者(境界型)は増加の一途なのである。
時代は変わっているが近藤氏の結論は見事に現代にでも通用している。長寿か短命かは長年の食生活の蓄積如何だから。
P.S.糖質制限をして痩せることに成功した大学生が、便に混じって油(脂質)が出たというブログがありましたが、その原因を断定する為の物証が余りに乏しく(私は医者じゃないし)、更にはコメ拒否を隠れ蓑に糖毒性について言いたい放題の誰かさんとは違い、糖質制限が原因と判断しているようなので、流石の私でも非常識極まりないと思いこの件はスルーします。まあ、自己判断せずに松生恒夫医師に診てもらった方がいいでしょうね。