「RDG(レッドデータガール)6巻
~星降る夜に願うこと」
荻原規子
とうとう完結!
リアルタイムで続編ものの小説を読むことは滅多にありませんが、
わたしが追いかけたシリーズはどれも刊行ペースが大変ゆっくりで、
だからこそ、何年もかかっているのに続きが出るたびすぐに読み出せる、
その世界に戻れる不思議を噛み締めています。
これもね、ググってみたら1巻が出たのは2008年でした。
5年前か~ww
わたしは、このシリーズの作者、荻原規子さんの「空色勾玉」が大好きで、
高校生の時に親友のすすめで読んで以来、今でも一番好きな本だし
一番好きな作家は荻原さんです。
なんといっても日本語がとても綺麗!
描写に使われる言葉たちも、登場人物たちの話すセリフも、
決してとっつきにくいわけでも、読みにくくもないのだけど、聞いたこともない美しさです。
あくまでも自然に。
彼女の本を読んだことで、日本という国に生まれて良かったと心から思えたし、
すべてのジャンルにおける「物語」というものに対して、こうであってほしい!と思う
わたしの判断基準が随分と高くなってしまったと、ちょっと残念な気持ちすらあるくらいです。
脚本至上主義になってしまったのも、結構この人のせいです。
「空色勾玉」が発刊されたのは1988年でした。
24年経った今も愛され続け、児童書のコーナーに必ず並べられるこの作品と変わらず
今回のRDGシリーズも、時間をかけて生み出された雑味の一切ない小説でした。
刊行に時間がかかるのは、彼女が専業作家ではなく、会社勤めをしながら小説を書くという選択をしたからでもあります。
小説家という仕事の裏側はまったく知らないけれど、生活のために書くのとはまた違う、ある種の純粋さが本の中にある気がして
こういうかたちもあるんだなと、感心したことを覚えてます。
この本の楽しいところは、忘れかけている学生生活の繊細な描写。
もちろんわたしが通った高校とは違うところの方が多いけれど、春夏秋冬の行事や試験、
生徒会や友達とのやりとりという、物語の要所というか、派手な展開部分以外も丁寧に書いてあるところ。
この6冊分が1冊に収まっていたら、面白さが全然違ってくる大切な部分です。
そして、荻原さんの書く男の子は本当にかっこいい!
メロメロに萌え散らかしております(∩´∀`)∩
今回の6巻は、学園における事件が落ち着いたと思ったら、あれよあれよという間にスケールが大きくなって行き
残りのページ数と照らし合わせながら、どこに着地するつもりなのかとドキドキしました。
この、先のことはわからない感も、主人公の泉水子ちやんの心の成長とリンクして
いつの間にかすっかりのめり込んでしまうのでした。
「この世とはどういうものか、何があるのか、まだまだよくわからないから、もうちょっと生きよう」
荻原さんがあとがきに書いた、結局テーマはこれだったのかもという短い文章が心から納得でき、
そして愛せる、満足度の高すぎる読後感。
おすすめです。
今年アニメ化も決まっているのだけど、どんな風になるんだろう?
スタッフさんがこの作品を大好きみたいなので、期待を込めて見てみようと思ってます。
アニメといえば、空色勾玉がジブリで映画化されるのをずっと待ってたんですけどねー。
息子さんの代で実現しないかなー(∩´∀`)∩
*
読書記録も書く!と思ってはいたけれど、しょっぱなから飛ばしすぎました(・∀・)
大好きすぎて・・・
他の本の感想はこんなに書けませんw
読書についてのエントリは、タイトルに目印を何か入れようと思っているので、
樹里ちやんの話以外でも付き合うよという方は読んでくれたら嬉しいです(∩´∀`)∩
そして、みなさんのおすすめの一冊を是非教えてください♪