その日は、例の和菓子屋の饅頭の箱に
現金を仕込んだ政治家の事件の裁判だった。
一人でぼんやり、裁判終わりに歩く。
マズル刑事は、しんみり。。
思い出す、、
約１ヶ月の潜入捜査。
疑われた和菓子屋は、
結局全く関係なくて
別の和菓子屋が捕まった。
潜入捜査と知りながら、黙ったままで
マズル刑事を大切にしてくれた
店の親父さんとおかみさん、、
会いたい、、無性に、、
涙ぽろんのマズル刑事。
知らず知らず、店の前まで来ていた。
思い出す、、親父さんの言葉、、
「うちの饅頭は、粉が違うんだ。
なあ、マズルちゃん、
触ってみて？匂いも、、違うだろ？
学歴もなくて、馬鹿けどさ
なーんもできねえけどさ、
饅頭だけは自信があるのはさ、
この粉のおかげさ、、」
そういえば、こんな話もあったな
「あ、、うちは夏はさ、
ひんやり葛饅頭が人気。
マズルちゃん、夏になったらさ、
秘伝の葛饅頭の作り方
教えてやっからさ、、」
親父さんの言葉はみんな覚えてる、、
ふと視界が霞む、、
涙が浮かんでいた。
入ろう！親父さんの店に、、、
店の中に入ったとたん！
「ああ！マズルちゃん！お父さん！！
マズルちゃんが来てくれたよ」
すぐに気づいて、
暖かく迎えてくれる。
「おおお、、マズルちゃん、
警察やめたのかい？あはは、、冗談さ」
「夏になったから、葛饅頭買いに来ました」
「あらあ、、買いに来たなんて
水臭いよお、、ここはマズルちゃんの
お家なんだから、ほら、詰めるから
待ってて！」
「お、マズルちゃん！１個先に食べるかい？」
「あああ、、、うまい、、」
「ありがとうございます、、ああ
ひんやり、、そして、さらっとして
こしあんも絶妙だ、、
うまい、、、」
「あはは、、なんだよ、、
マズルちゃん、泣いてるのかい？
馬鹿な子だねえ、、」
「葛が目にしみました、、」
「あははは、、あはは、、」
「あ、もういっそ、うちの跡とりに
なっちまいな」
「あはは」
笑いあって、楽しい時間、
でも、もう行かなきゃ、、
「いっそがしいねえ、、でも
マズルちゃんがニッポンの平和を
守ってくれてるんだもんね、、」
あははと笑ったと、おかみさんは
涙ぽろんした。
「この間さ、マズルちゃんが
くれた映画をまた見たよ、、
空港で暮らす男の話、、
あの子さあ、、だんだんさ、
周りの人と仲良くなっていくよね
私はもう、マズルちゃんを
思い出して泣けてさ、、」
「おかみさん、俺、
これからも、
たくさん顔みせますから、、」
「うんうん、たくさん来てね、、」
バイバイしておかみさんと
別れた。
空港の映画って、
ターミナルのことだよな、
今日また見ようかな、、
人に愛されるタイプ、、
おかみさんに褒められて
マズル刑事は笑みがこぼれた。
（なんか日曜劇場みたいになってる！
ホームドラマになってるやん！）
マズル刑事が、おかみさんに
プレゼントした映画はこれ！
...........マズル刑事のオススメ映画..............
「ターミナル」
東欧からニューヨークへ旅行中の
主人公。母国がクーデターになり
入国許可がおりず、空港内に9か月
閉じ込められてしまう。空港内で
仕事を見つけ、友人を作り、そして
恋に落ちる。彼がニューヨークへ
来た理由とは何か。ヒューマンドラマに、
マズル刑事も涙ポロン。
涙もろくて甘いもの好き！
そんなマズル刑事の
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