いよいよ高速バスで全州に向かいます。何しろ初めてですから、不安八分といったところでしょうか。
ソウル発の高速バス
韓国は工業化が遅れ、日本に植民地化され、朝鮮戦争を行うなど国内のインフラである鉄道や道路の整備が遅れてしまった。韓国は1965年以後急速に近代化を進めたが、大都市の地下鉄以外の交通網は、自動車交通のための道路整備が中心になっていった。そのため現在の高速道路網を利用した長距離高速バスが人々の重要な足になり、大都市には高速バスターミナルが整備されている。
全州へは電車でも行けるが、このような事情からバスで移動する方が遙かに便利になっている。ソウルには江南に高速バスターミナルが作られ、韓国北東部(嶺東線)、南東部(京釜線)、南西部(湖南線)と3つの方面に分かれて高速バスが運行されている。全州は全羅北道なので南西部(湖南線)方面へ向かうことになる。
江南 高速バスターミナル
そこで、江南の高速バスターミナルへ行くことになった。このバスは200kmを走るのだが、何と10分間隔で運行され、座席指定となっているという。
ホテルを出てから、きれいに整備されたコレイル(KORAIL)中央線の「清涼里」駅で7時48分発の電車に乗った。7時57分に「玉水」駅に着き、8時02分に地下鉄3号線に乗り換えて発車。漢江にかかる橋を渡って10分後に江南の「高速バスターミナル」駅に着いた。
湖南線の高速バスターミナル バスチケット
全州へ出発
高速バス利用は初めてなので、ネットで調べてきても不安がある。しかし、駅に着いて、めざす「湖南線」ターミナルへの案内表示に従って右左に進み、途中駅員さんに道を聞いてチケット売り場にたどり着いた。だから、そのルートの記憶があまりない。かなり緊張していたのだ。チケット売り場で「チョンジュ」と言って指を二本出したら、笑顔のお姉さんがチケットを発行してくれ、18700ウォン×2=37400ウォンを支払った。チョンジュまでは片道202kmの距離があり、料金は日本円で1800円くらいだ。8時19分。チケットを見ると8時30分発 9・10番席 동양(トンヤン・東洋)9番線と書いてある。トイレを済ませて9番線を探すと、頭上に目的地を書いたプレートが掲げられていた。
全州行きバス 頭上にある行き先表示
待つほどもなくバスが入ってきたので、フロントガラスの表示を確認して乗り込んだ。乗客は10名くらいなので指定席を無視して勝手に座ってしまった。やがて運転手が乗ってきて、乗客のチケットの半分を切り取り、人数を確認してバスは定刻に発車した。
ソウル市街地の4車線の道路は、まだ朝の渋滞が解消していないがその中を南へ向かってバスは走っていく。よく見ると4車線のうち中央分離帯側の1車線はバス優先車線となっているのでバスは渋滞と関係なく80km以上で走っていけるのだ。
発車して30分ほどしたらフロントガラスに雨粒がつき始めたがワイパーを動かすほどではなく、やがてやんでしまった。このころになると渋滞も解消されバスはさらにスピードを上げて快調に走り続けた。8時56分。畑や水田が見えてきた。9時頃、窓から外を見ていると、田園に大団地が見えてきた。韓国の団地はいずれも30階建てくらいの高層ビルで、それが周辺とは異質な感じで林立しているのだ。これからの韓国は急激な少子高齢化の時代を迎えるのだが、これらの住宅群はどういった状況になるのだろうか。限界集落のようにならなければいいのだが。1時間ほど走ると水田の中にブドウ畑が見えてきた。棚仕立てで、とてもたくさん栽培されている。桃畑も多い。高麗人参を作っているのだろうか黒い布で覆われている畑もよく見られる。水田をこれらの作物に転換しているのは、TPPやFTAの自由貿易に備えているのだろうか。そういう意味では酪農・畜産は大変だろう。それらはほとんど見ることができない。
ソウルからほぼ真っ直ぐに南へ下っているせいか、空がだんだん明るくなってきた。韓半島も南部は梅雨が明けているのだろう。
全州行きのバスに無事乗れて満足な200kmの遠足です。全州が待っています。


