ノートルダム大聖堂の2回目です。内部には「フランダースの犬」で日本で有名になったルーベンスの絵があります。右の絵(キリスト降架)は良い絵らしいのですが・・・。
両方の絵ともに、斜めの線に人物を配置して動きを表しているようです。
キリスト昇架 キリスト降架(ネロはこの下で)
「ここには3枚の絵が掲げられています。いずれも作者はルーベンスです。まず、ここにあるのが「キリストの昇架」です。ルーベンス38歳の時の作品です。他の絵もそうなのですが、描くものを斜めに配置して画面に躍動感を与えるというバロック絵画の特徴を持っています。この絵も左下から右上の方向へ配置されています。この絵が描かれた目的は、イエズス会がカトリック伝導に使用することだったのです。
このころの教会は人々に文字を普及させませんでした。聖書を直接読まれては不味かったのです。寄らしむべし知らしむべからずです。そこで布教する時にはこの「キリストの昇架」のようなセンセーショナルな絵が必要だったのです。はったりの絵というべきでしょう。ですからこの絵はあまりよい絵とはいえません。ポスターみたいなものです。
それに対して、反対側にある「キリストの降架」は処刑されたキリストが十字架から降ろされているところで、左足を肩にのせているのがキリストの妻であるといわれる「マグダラのマリア」です。こちらの絵もルーベンス38歳の作品ですが、描かれている人物が祈りの表情で描かれているのでルーベンスの最高傑作といわれています。
「キリストの昇架」のような絵が描かれたのは、宗教改革がおこりカトリックの信者が減少していったことが背景にあります。信者の減少は教会の収入の低下となり、カトリックは海外に信者を求めたのです。それがイエズス会です。日本にもフランシスコ・ザビエルがやってきています。当然言葉が通じませんから、このような誇張された絵を用いて布教活動を行ったのです。」
次に、主祭壇に移動していった。
「主祭壇の絵は聖母マリアが天国に上っていくところで、49歳の時の作品です。この絵も斜め構成になっています。ルーベンスがこの絵を描いてこの祭壇に持ってきて当てはめるとサイズが合いませんでした。そこでここに持ってきてから右側に10cmほど書き加えたそうです。日本人に大人気のフランダースの犬のネロは、この絵の下で死んでいたんです。普段、この絵は前に幕が掛けられ見ることができなかったのです。しかしクリスマスの時には幕が上げられ誰でも見ることができたのです。ちょうどその日にこの教会を訪れたネロは、幕が上げられているこの絵を月明かりで見て感動し、その前で死んでしまったということになっています。」
主祭壇と信者の席との間には、かつての聖歌隊の席が置かれ、床が市松模様のタイル張りになっていたが、その後は聖職者の席にされたそうだ。
主祭壇から戻ってくると途中に「懺悔室」が2カ所あったが、ここの懺悔室は3部屋に分かれていて、中央に牧師が入り左右に信者が入るという構造だった。
藁谷さんが「皆さんどう考えたって、神父が左右から同時に懺悔をされたら聞くことは出来ないでしょう。だからこれは、懺悔を聞き流してお金だけを取っていた証拠です。教会は様々な手段を用いて信者からお金を巻き上げていたのです。」
藁谷さんの、カトリック教会は腐敗の源泉だったという説明を聞き、大聖堂の前に日本人の寄付で作られた「フランダースの犬」の石碑を見て教会をあとにした。2時30分。
ガイドさんの解説は面白いです。大聖堂を出たあとはマーケットでお買い物です。



