さてこれからが、長崎市内の完全な自由行動になります。歴史の教科書にもいろいろ出てくる場所ですから、記憶のどこかにたくさん残っている場所でもあります。では皆さんご一緒に・・・。


 

オランダ坂

庭のもぐら-オランダ坂  オランダ坂の道しるべでその雰囲気に浸りました

新地の方に歩いていくと途中右手に「オランダ坂」がある。昔は1km近くあったようだが現在は200mくらいだと言う。活水女子大学の表示がある石畳の坂があったのでこれがオランダ坂だと思ってやや急な坂を昇っていくと、途中からさらに左に入る坂道がありそこに「オランダ坂」という背丈ぐらいの石の道標が立っていた。坂を下りて再び右手に道を取っていくと、左右に赤い提灯がずっとぶら下がっている道に出た。

ランタンフェスティバル・湊公園会場 

庭のもぐら-舞台   庭のもぐら-祭壇

フェスティバル会場の湊公園  ブタの頭が飾られた祭壇

 4時30分頃に、湊公園に着いた。長崎市はこの時期に「ナガサキランタンフェスティバル」(長崎燈會)を行っている。ここ湊公園はそのメイン会場の1つで、片側に舞台を設え、反対側に道教の祭壇が作られている。公園内には赤い提灯がたくさん飾られ、その色彩だけで心がウキウキしてくる感じだ。祭壇には20個近くの豚の頭と子豚が1頭供えられていたが、このように実物を生々しく飾られるとこれは日本の文化ではないと思ってしまう。このころから、雨がポツポツと落ち始め何となく嫌な感じがしてきた。

舞台の左右には様々な売店が作られて美味しいにおいをまき散らしている。人々はそれを片手に舞台の催し物を眺めるというまさにお祭りの気分だ。舞台では、ちょうど“マルシェ”というペアがバイオリンとアコーディオンの演奏を始めた。ラテン音楽などを数曲イスに座って聞いていたが、そのうちに雨がさらに降ってきたので4時37分にイベント会場を出ることにした。

出島

庭のもぐら-出島  出島は右側。

左の川で自由通行を禁じていた。ここ以外は堀が埋め立てられている

 長崎に来たら、出島を見ることは大切なことだ。教科書には必ず出てくるものだし、見ないわけにはいかない。湊公園から市電通りに出て右折し50mほど歩くと左手奥にアクアブルーの洋館が見えてきた。道しるべに出島とあったのでそちらに向かうと、出島の周囲は埋め立てられて島ではなくなっている。道路側は狭い堀と昔の石垣を復元してあり、扇型の外側となっていた。出島の中には昔のものはないので、周囲を歩いてみることにした。4時45分に歩き始めて一周し終わったのは5時05分。ほぼ1kmといったところであろうか。昔、橋でつながっていた内側は幅が広い中島川でここには当時のものと思われる古い石垣が残り、潮の干満があるのだろうか牡蠣がびっしりと張り付いている。ここが江戸時代200年間に渡って外国の文化が入ってきたところだが、それにしてもこんなに狭いところだとは・・・・・。シーボルトもこの辺りを歩いたのだろうし、お滝さんもと思うと歴史の事実が起こったところというのはそれなりに大きな重みがあるものだと感じた。シーボルトが高野長英に頼んで伊能忠敬の「大日本沿海與地全図」を持ち出したのもこの港だと思うと感慨もまたひとしおだ。

長崎中華街

庭のもぐら-ランタン 中華街のランタン飾り

 市電の通りや、川沿いの通りを歩いて中華街に行ってみることにした。日本には中華街が3つある。最大は横浜、次は神戸、そして長崎だ。その中でも長崎は一番小さいという。

中華街の中央に十文字に通りがありその入口(出口でもある)にやや華奢な門が建てられている。湊公園とは反対側の門を入って行くと、中華街らしいお店や食堂が並んでいる。通りには赤いランタンがずらりと飾られ、日暮れということもあって明かりが入って通路を赤く照らし出している。たくさんの人がそぞろ歩きその雰囲気を楽しんでいるようだ。中央通路は70~80mしかなく、通路は十文字の部分しかない。ガイドの佐伯さんが「長崎にはガッカリが3つあります。中華街はその一つです。」と聞いていたので、それほどガッカリではない。余り大きいと見て回るのに疲れてしまうからこれくらいで良いのかもしれない。中央通路を数分で通り抜けるとそこは湊公園。

中国雑伎団

公園にもう一度入ってみると、5時30分から「中国雑伎団」の公演があるという。時刻は5時17分だったので、これを見ようとしたが、あいにく雨が強くなり観客席は傘の花盛りで前がほとんど見えない。イライラしてきたので5時38分にここを切り上げて、思案橋へ行くことにした。

思案橋

 雨がポツポツ降る中、傘を差して地図を見ながら市電の線路に沿って歩いていくと、思案橋までは電停が6つもある。(長崎の人は、市電の停留所のことを「電停」と呼んでいる)しかし、電停と電停の距離は短いので、歩いてもそれほどの時間は掛からない。思案橋が近づくにしたがって道は少しずつ上りになってきた。この辺りには一口餃子があるというので、今日の夕食はそれも食べようということで、中華料理店を探したがそのようなお店はほとんど無い。「思案橋ラーメン」というお店が大きな間口を構えているが、席は空いていない。裏道に「三八」という中華料理店があったので、チャーハンと餃子を注文した。料理が運ばれてくる間に、店員さんに「すみません。JR長崎駅に行きたいのですが、思案橋の停留所からはどこ行きに乗ればいいのですか?」と聞いたら「築橋に行って乗り換えになると思います。」「築橋からは何行きに乗ればいいのですか?」「赤迫行きです」「じゃあ、築橋でまた聞けばいいのですね」「はい」と何とも頼りない返事だ。

庭のもぐら-焼きめし・餃子 高菜チャーハン(やきめし)と一口餃子

 そのうちに、注文したミニチャーハンと高菜チャーハンと一口餃子2つが運ばれてきた。チャーハンは両方とも色が少し濃い感じがしたのだが、味はなかなか良いものだった。一口餃子の味もしっかりしていてもっとたくさん食べられるものだ。ふと気付いたのだが、店員やお客はチャーハンではなく「やきめし」と呼んでいる。確かにメニュー表には「焼飯」と書いてあるし、注文する時には「“たかなやきめし”1つ」と言っていた。ところ変われば呼び名も違うものだ。6時22分完食。赤迫行きの市電がなかったらどうしよう。

市電とバス

6時30分に「三八」から表通りに出て思案橋電停に歩いていくと、先ほどの思案橋ラーメン店、その隣に「ブタマン店」がある。おばさんが饅頭を買っているので「ここのは美味しいんですか」と聞くと「美味しいですよ」というので、1ヶ60円のやや小振りのまんじゅうを買って食べた。温かくて美味しい。そこの売り子さんに「すみません。長崎駅に行くには、この市電で大丈夫ですか」「大丈夫ですよ。“赤迫”行きに乗れば駅前を通りますから」「有り難うございます」ということで心が軽くなって思案橋電停に急いだ。

電停の時刻表を見ると、5分おきとしか書いてない。本当かなと思っていると、すぐに市電が来たので乗り込んで、時計を見たら6時36分。料金はどこまで乗っても120円。途中いくつかの電停で乗客が乗ってくる。平日帰宅ラッシュ時間だから乗客は多く、半分以上の人は立っている。やがて築橋の交差点に来たら、運転手が電車を降りてポイントを右折に切り替えて出発。雨は依然として傘がいらない程度に降っている中を、6時50分に長崎駅到着。長崎駅前バス停に行くには電停から歩道橋を利用しなければならない。歩道橋をすぐに下りて「稲佐山観光ホテル」へ行くバスのポストを探したが見つからない。3つあるバス停のポストにはたくさんの時刻表が貼られていて、細かい字で書いてあるから土地勘のないものには分からないのだ。路線図を見つけて稲佐山方面のバスの番号を探すと“5番”となっていたが“5番”のバスは3方向に行くことになっている。もう一度バス停のポストに来て5番の時刻表を探してみると、“稲佐山 6時54分”となっている。時計はちょうど54分だ。顔を上げたら目の前に「5 稲佐山中腹」と表示したバスが停まるところだった。「とりあえず乗ろう」と、急いでそれに乗り込んだ。知らないところで“とりあえず“の行動はとっても不安になるものだが、このバスに乗らないと次は7時24分だから、寒空を30分も待たねばならないのでとっさの判断だ。大丈夫だろうか?

駅前を出たバスはやがて左折して川を渡り、長崎湾の西斜面を登り始める。坂を上っては下りを繰り返し、やがて急坂をあえぎながら登り始めた。坂の左右に民家が建ち並び、民家が途切れた辺りからホテルが目立ち始めた。7時05分に目指す“観光ホテル”バス停に着いて一安心だ。

稲佐山観光ホテル

庭のもぐら-長崎遠景

稲佐山観光ホテルから見た長崎遠景、湾が見えるが右手が外海

 目の前の建物が「稲佐山観光ホテル」だ。ホテルの前の駐車スペースからは長崎の夜景がきれいに見えている。フロントでスーツケース等を受け取って606号室に入ったのが7時15分。既に皆さんは戻ってきているみたいで、ケースを受け取ったのは我々が最後だった。部屋に入ると暖房が効きすぎていて気持ちが悪い位だ。すぐにスイッチを切って窓を少し開け空気を入れ換えた。今日は朝4時に起き、長崎ではあちこちと良く歩いたので体がだるい。服を脱ぎ捨てて浴衣に着替えて一休みした後、8時頃に大浴場に行くことにした。このホテルは新館を継ぎ足してあるため、大浴場へ行くのはややこしい。本館の6階から1階に下りるとそこは新館(曙館)の6階に連絡している。さらに、そこから3階に下りて廊下を進んだところに大浴場があった。

男湯に入ると誰もいない。ゆったりと身体を洗い、湯船につかって30分ほどしたところへ他の人が3人入ってきた。この風呂は沸かし湯で、洗い場がとても寒い。洗い場に身体を出しているとどんどん冷えてくるのだ。8時35分に風呂を出て部屋に戻ってきた。移動途中に水分を控えていたこともあり喉が渇く。夕食も原因だろうか。水分を補給し明日の準備をして就寝。



次は、長崎を離れて熊本へ向かいます。