2010年のこのころ、タイは大変な騒ぎだった。それはアピシット政権とタクシン派の対立があったからだ。ちょうどタクシン氏の裁判が行われているときで、バンコクのあちこちでデモが行われていたのである。

日本大使館周辺でもデモが行われていたのだが、我々が訪れているときにはそのようなこともなく平和であった。ただ新聞の1面は大きな見出しでことの行方を報じていたので、ガイドのパイラットさんに状況を教えてもらっていたのです。まさにバンコクの政治はは燃えていたのです。


日本大使館

 11時40分、バスは市内をぐるぐる走って日本大使館の隣に着いた。大使館の正面は二重の門になっている。最初の門を入ると車止めのコンクリートの塀があり、その中に正式な大きな鉄製の門扉があるのだ。側面の塀は高さが4mくらいでその上に50cmくらいの尖った鉄の棒が装飾のような形でびっしりと並べられている。

例の北朝鮮からの政治亡命を防ぐためであろうか。一時期この話が多かったが、最近は警備がきびしくなったせいかこの手の話はほとんど聞かない。

昼食

さて、大使館の脇にはとっても大きな繁華街があるが、夜しか開かないので今は静かなものだ。ここは、ナイトマーケットとして有名な場所だが、昼間見ると何とも廃墟のような感じしかしない。そこのアーケードを100mくらい歩いていくとその終点近くに昼食会場の中華料理店があった。客席はかなり広く、200人はゆうに入れる大きさだ。メニューは飲茶となっているので、どんなものか楽しみである。

中華式ターンテーブルに10人ずつ着席。まず飲み物の注文が来たので、飲み放題の冷たいウーロン茶(50バーツ)を頼む。料理が運ばれてきた。ポタージュのようなコーンスープ、揚げ麺と野菜千切り炒めのあんかけ、飲茶各種(10種程度)の食べ放題、蓮の葉に包んだチマキ、餅米粉と何かを加えて四角にして油で揚げたもの、揚げ春巻き、揚げ餃子、揚げワンタンのようなもの、デザートはパイナップル・スイカ・マンゴー。

全体に料理の味付けは中華料理とはいいながらやや違う。香料をきかした独特な香りと味がする。マンゴーは味が薄くてあまり旨くない。

ビールを頼んだ人がいた。1本180バーツ(540円)だという。タイにしては高いと思う。12時30分頃に食事は終了。味はイマイチだったが量は多く満腹になったので、おおむね満足だ。後は眠りたい。再び閉店状態のマーケットのアーケードを通ってバスへ。12時40分出発。

ショッピング

 今回のようなパックツアーでは、何カ所ものショッピング店が組み込まれているのはお約束。今日の午後がそれに当てられている。

その1.宝石店、福園珠宝有限公司。ここには、タイ産の宝石・タイシルク・スズ製品などが売られている。入店すると、まず別室に通されてタイのビデオを15分くらい見せられた。見終わると宝石の簡単な加工工程を見てから、ショップに案内をされる。我々がショップに入ると同時に店員が10人くらい一斉に出てきて、つきまとい始めた。おちおち品物を見ていることも出来ない。うっかり見ていると、それは買う意志ありと決めつけて「安い、良い品だ」の日本語を片言で連続放射だ。嫌になってしまうからサッサと歩いて通過していく。価格を見ると高い。本当は安いのかもしれないが、そういうものを買おうと思っていない人間にしてみれば、どんなものを見せられても高いと感じてしまう。1時50分出発

その2.タイショップハウス。ここも宝石・タイシルク・スズ製品などとその他の雑貨類だ。自分も含めて皆さんは、既に力が尽きているようで、椅子があると座り込んでいる。こんな状態で今夜のニューハーフショーはどうなるのだろうか。

このショップハウスも同様で、店員がつきまとってくる。うるさくてしょうがない。その中で何人かの人は結構買っている。これが来店目的なのだが。2時50分出発

その3.ゴム枕健康用品店。ここは枕の製造工場のアウトレットになっている。店に入ると別室に案内され、ラテックス枕の効能をうたったビデオを15分ほど見せられた。この手のビデオは2度目だが、タイではこのようなスタイルの販売がよく行われているのであろうか。

特に買う気もなし。でも何で枕販売なのだろう?3時25分出発。

実は、タイは天然ゴム生産では世界有数の国なのだ。

その4.免税店(Dutyreehop)。3時40分到着。大通りから狭い通りにバスが入っていく。こんな奥の方に何があるのだろうといぶかしく思っていたら、突如としてDFSの大きな建物が現れた。中にはいると華々しい世界のブランドショップが置かれている。タイはこのようなギャップがあちこちにありその落差が面白い。

ブランド物を買うのだったらわざわざタイまでこないし、そんな金があるのならもっとレベルの高い旅行をしているから、みんなほとんど買わない。その中で、群がったところは安い乾燥果実のコーナーだ。マンゴー2袋を購入。180バーツ×2を日本円で払って920円。DFSの中を見回すと、「銀れい」という中国のカードの名前があちこちにある。旧正月の看板もまだでている。ここにも、中国人の購買意欲が溢れているのだろうか。

ヨーロッパ系の人、イスラム系の人、インド系の人、バンコクは民族の交差点になっているのだろうか。5時出発

タイ舞踊付き夕食

 5時30分に、本日のメインの1つ、「タイ料理+タイ古典舞踊」のレストランに到着。

長いテーブルに向かい合わせに座る形になっている。周りを見渡すと、200人位を収容するレストランで、大きめなステージがある。飲み物の注文にきた。今までタイに来てタイのビールを飲んだことがないので、それを注文することにした。「シンガビール」実は、ビール小とミネラルウォーターが150バーツと同じ値段なのだ。普通の水でも良いのだが、これも100バーツだという。いったい何なんだ。

注文が終わると、料理が次々に運ばれてくる。席に付いたときには、既にカッパえびせんのような揚げせんべいが置いてあった。メニューは、サラダのような温野菜、魚とインゲンとイモの天ぷら、アイナメと野菜のあんかけ、ココナツミルク入りカレー、トムヤムクン、タイ米のご飯。量は多く味はタイ式。タイ式とは香草やピリ辛風味が強く、全体に甘い味付けであることだろうか。ほとんどの人が食べきれず、残してしまった。食事中にはBGMとしてタイの民族音楽が流されていたが、6時20分頃になったら舞台下手で生演奏が始まった。6人の演奏家が、ガムラン、小太鼓、大太鼓、小鈴(唄)、木琴、木琴(笛)等を分担している。

おしゃべりなどをしていると、6時30分になりタイ古典舞踊が始まった。最初は、“祝いの踊り”美人の踊り手が指先を独特に反らせて優雅に踊っている。2番目はサル(ハヌマン)が正義の人間と共に悪を退治するという勧善懲悪の踊り。3番目は長い爪を付けた美人の踊り。4番目はハヌマンと女性との掛け合いの踊り。5番目は6人の女性の踊り手が赤い扇子を持った踊り。6番目は踊り手12人全員が出てきて観客を誘い、ステージで盆踊りの様な踊り、という流れで進められた。それにしても踊り手の指の反りには驚いてしまう。小さい頃からその訓練を続けているから可能なのであって、タイ人といえども一般の人には出来ない。7時に踊りは終了。

ナイトマーケット

レストランの外に出ると辺りは夕闇が迫っている。ここで、ニューハーフショーを見に行く人と、ナイトマーケットを見に行く人に別れた。ニューハーフショーはレストランの隣の建物で行われているので、希望者は徒歩で移動していく。パイラットさんが「中に入ったら、飲み物を注文して、それを持ってショーを見ることになっています」と説明していた。こちらは、ナイトマーケット見学なので、マイクロバスで移動することになった。その場所は、今日の昼食を取ったレストランの所なので、何となく良くないイメージがある。7時30分に到着したときには、その地域一帯にネオンサインや電飾が光り、全ての店がコウコウと明かりを付けている。各店や屋台を見ると、間口は1~2間、奥行きも1~2間の小さなもので、路上の屋台も含めて軒を接して商売をしている。どう見てもそこで売られているものが本物とは思えない。おそらく客も本物などとは思っていないだろう。パイラットさんは、食べ物は絶対に口にしないでくれと厳重に注意をしているので、誰も買わない。でも、食べ物の屋台を見ると、どこも椅子は満席で、皆さんパクパク食べている。きっと胃腸が丈夫なのか、強い免疫でも持っているのだろう。さてこのナイトマーケットだが、バスが通れるような大きな通路が3本あり、その通りに挟まれた区画が、さらに幅2m程度の細い通路で縦横に区分されているのだ。全体では100m四方は有ろうか。その通路をヨーロッパ人、中国人、韓国人、日本人、もちろんタイ人などが肩を触れ合いながら行き来しているのだ。その人混みに向かって、お店の店員がいろいろと声をかけ、BGMを流しているから、その喧噪は想像に難くない。このような雑多な場所の隣に「日本大使館」が有るということが信じられない。そのギャップがタイなのだろう。8時25分出発。

ホテルへ

 マイクロバスはフットワークが軽い。道は高速を含め相変わらず渋滞している。その車の間をヒョイヒョイと車線を変え、裏道に入りドンドン走っていく。ホテルに着いたのはなんと9時ちょうどだった。昨日の1時間半と比べるとなんと早いことか。

すぐに風呂に入って着替えをしたが、今日は暑かった。特に午後は4軒ものショッピングだったので、実に面白くない。でも安旅行だからこのプログラムを入れるのもしょうがないのかもしれないが。とにかく精神的に疲れた。

明日の午前はオプショナルツアーなので出発が7時30分と早い。早く寝よう。



次回は水上マーケットへ行き、アユタヤへ移動して象に乗ります。