今日からバンコク市内の観光に入った。観光ポイントを見るのも面白いが、バンコクの一般生活を見ることも重要だし面白い。

犬と川と船に目をつけてみたのです。


2月26日(金)

朝食

5時45分になったので起きだし、準備をして朝のバイキングに出かけた。食堂は、玄関ロビーの奥まったところを区切ってあるだけの小振りな場所だ。肉系の料理は、ゆでたソーセージとハムだけで、そのほかは植物系の料理が10種類位あり、中華料理風の炒め物で味付けは全体にピリ辛系。あとはサラダだ。飲み物は牛乳、オレンジ、スイカ、コーヒーなどのジュース。水も準備されている。やはり牛乳は薄い感じがする。

ラオス大使館とコンビニ

 朝食後、ホテルの裏手に出ると、そこは観光バスの駐車場になっている。学校のグランドよりも広い空き地の半分は水たまりで清潔なところではない。駐車場の中に我々のバスも止まっていて、その脇を歩いて空き地を抜けた。エキゾチックな大きな建物は、「ラオス大使館」だった。こんなに首都中心部から離れたところになぜ大使館があるのか理解に苦しむが、そこにはいろいろな事情があるのだろう。大使館の隣が小振りのファミマ、その隣は間口が30m以上ある屋台村、その隣がセブンイレブンだ。中に入ってみると朝のせいか品物の数が多く、学校に行く生徒の親子連れが朝食を買っている。生徒は清潔な白い半袖と紺の半ズボン・スカートをはいているのですぐ分かる。汚らしい格好はしていない。朝のラッシュのため、前の道には多くの車が走り、ピックアップトラックはたくさんの労働者を乗せて走っていく。これもタイ。交通違反にはならない。


そういえば、タイには野良犬が多い。昨日バンコクからバスで来たときも道ばたに何匹もいて、ふてぶてしいのは大通りの真ん中で昼寝をしている。誰もそれを追い払おうとはしない。その気で見ていると、あちこちに首輪をしていない野良犬がいて、それらが町に溶け込んでいるのだ。

ホテルの裏側にも3匹いたが、特に吠えることもなく、人の後をついてくることもなく、のんびりとしている。犬は、ホテルに残飯がでることを知っているのだろう。又ホテルの人も犬にエサを与えるのではないだろうか。

タイは仏教国なので、動物をいじめないし、逆にエサを与え共存しているのだという。

出発・車窓より

 8時にはなんとか全員集合し、出発。朝は9時までがラッシュなので道路は相変わらず混んでいる。道すがら、パイラットさんは今日の夜と明日午前中のオプショナルツアーの話をする。今日の夜は、ニューハーフショー(1時間1000バーツ)又はエステ(2時間2200バーツ)又は参加せずの3つから選び、明日午前中は、水上マーケット(1000バーツ)又は参加せずの2つから選ぶことを提案してきた。

ニューハーフショーとエステはタイ旅行の大きな観光スポットになっているので、それを1つの目的に来る人は多い。今回も半分位の人がそれに参加した。

道の交差点を見ていると、白い花を持った人が数人ずつ立っている。パイラットさんによれば「あの人達は、花を売っているのです。小さなジャスミンの花を腕輪位の大きさの花輪にして、1つ20バーツで売っています。2日~3日位は良い香りを出し続けますから、自動車の中にぶら下げておくのです。だから交差点で売っているのです。」ということだった。数えてみたらほとんどの交差点に3人位はいる。結構良い儲けになるそうだ。

お寺

車窓から見ると、高層ビルや高速道路といった近代化された部分と昔からの住宅地といった地域が混然としている。その合間合間に、金色や赤茶色の屋根をした独特の仏教寺院が見られる。この国は上座部仏教だから、僧侶は完全に出家して黄色の袈裟衣を身にまとい、227もの厳しい戒律を守って修行に励んでいる。人々はそれら僧侶を尊敬し、ことあるごとにお寺詣りをして仏教が生活の一部になっているのだという。人々は、それらの僧侶に触れてはならないとのことだ。僧侶達の生活は、毎日の托鉢によって支えられ、財産というものは一切持たないことも戒律になっている。バスは、そのうち線路脇を走り始めた。線路の幅は狭軌で狭い。ジーゼル機関車が8両ほどの車両を引っ張っていたが、その8両は古い車両を様々に取り混ぜて編成されていた。だからカラフルだ。

水上遊覧

 8時43分に、メナム(チャオプラヤ)川左岸に到着した。これより川をさかのぼり右岸にある「トンブリー王朝」の宮殿を見に行く。遊覧船は20人乗り位の大きさの木造船。エンジンはこれもすでに有名な、むき出しだ。実物はどんなものか非常に興味があるので、船尾に行ってよく見てみた。すると“日産のトラック用ジーゼルエンジン”をのせてある。マフラーはなく、水中に排気するようになっている。これでは川の水が汚染されてしまう。バッテリーは大型のものをエンジンの脇に2つ置いてあり、連結コードはむき出しで繋いである。スクリューシャフトは3m以上有り、スクリュー自体は2枚羽根で直径40cm程度のものだ。だから音はすごいし、振動も船全体にダイレクトだ。船長がアクセルをふかせば、エンジンはバリバリ反応して、水をかき分けて高速で進んでいく。舳先は高いが舷側は低いので、船がすれ違うときにはうっかりすると水が飛び込んでくる。乗客も前方をよく注意しておかないといけない。船を乗り降りする桟橋のところには、40~50cmのナマズがたくさん泳いでいる。これは捕らないのかと聞いたら、「このナマズはまずくて食べられない」という。それにしても、メナム川の水は汚いしゴミも多い。

ワット・アルン(暁の寺)

 9時。メナム川右岸の桟橋に到着した。降りるとそこは、「暁の寺」というトンブリー朝の遺跡だ。トンブリー朝は1767年にビルマに攻撃されて滅亡したアユタヤ朝を再興すべく、ここトンブリーに「タークシン将軍」が1768年に興した王朝だ。この王朝は1782年までの15年しか続かなかったが、その考えはその後、メナム川左岸に作られた「ラタナコーシン朝」を経由して、現在のバンコク王朝に引き継がれているのだから、タイ国にしてみれば、タークシン将軍は“偉大な”という称号をつけて呼ぶべき存在なのだろう。

この寺院は中央に須弥山を象徴した67mもの塔と、その周囲に4本の小塔を建ててある。塔は陶器の小片で色とりどりに飾られ、光を反射すると、とても綺麗に輝いて見える。中央の塔には3階まで上ることが出来るが、その階段は傾斜が50度以上あるような急なもので、多くの人が登っている。さらに、その上には3頭の陶器の象が飾られているが、それは、トンブリー朝がヒンズー教の影響を一部受けた証拠でもある。ここは仏教の寺院であるが、観光客としてムスリムの女性も来ていた。良いのだろうか?

塔の裏側には、トンブリー朝の王宮が広がり、かつての繁栄の姿を残している。9時25分出発

フラワーマーケット

 暁の寺から船で元の桟橋に戻り、フラワーマーケットを歩いて王宮見学に向かった。川沿いはゴミゴミとし様々な屋台が物売りをしている。金ダライにナマズやウナギのような生きた小魚を入れて売っている者もいる。「なんだろう?これでは小さすぎて食べるわけにもいかないのに。」と疑問に思っていたら、パイラットさんに「これ、買って放してあげます。」と言われ合点がいった。生きとし生けるものの命を救ったという功徳を積み、仏に一歩近づくという仏教徒の行為を商売に利用しているのだ。仏教国だからこそ成り立つ商売なのだろう。浦島太郎のモチーフはこんなところから出てきたのではないだろうか。でもその後にケンタッキーやマックを食べていたら意味無いと思うのだが。

フラワーマーケットは狭い歩道の左右、200m近くにビッシリと花を中心とした屋台が並んでいるのだ。タイは常夏の国だから年中花が絶えることがなく、白、黄色、赤、紫と様々な花が売られている。仏様に供えるもの、飾りに使うもの、香りを楽しむもの、お祝いに使うものなど花屋さんは技をこらして飾り付けをしている。もちろん熱帯の果物もたくさん売っている。行き交う人とは肩をぶつけ合い、体をかわし合い雑踏を歩いていく。ヨーロッパ系(オーストラリアか?)の人達もたくさん歩いている。

ところでこのような屋台はタイのいたる所にある。勝手に屋台を作って商売をして良いのだろうか?パイラットさんに聞くと「勝手に商売してはダメです。警察に許可を得て、場所代を払わなければなりません。その場所での営業許可ですから、勝手によそに行ったら違反になります。」ということだ。そして、このような屋台のマーケットはバンコクのあちこちにあり、市民の重要な生活の場になっているそうだ。このマーケットで、パイラットさんは皆さんに配るジャスミンのレイを買った。1つ10バーツだが、3つ1セットで売っている。マーケットのはずれからバスに乗り移動。

エメラルド寺院と王宮

 10時05分、現在のタイ王朝の王宮到着。ちなみに王様は「プミポン殿下」王妃は「シリキット妃」。ここに入る前に、パイラットさんは「皆さん、今日は王宮に入りますから、半ズボンはだめです。失礼な服装だと王宮には入れませんので注意して下さい。でも、サンダルは大丈夫です。」と言っていた????

エメラルド寺院は王宮の中に建てられている。寺院の由来は、トンブリー朝を興したタークシン将軍がラオスのビエンチャンを攻撃したときの戦利品として奪ってきたのが、このエメラルドの仏像だったそうだ。最初は「暁の寺」に安置されていたが、その後、現在の寺院に移されたので、この寺を「エメラルド寺院」というのだそうだ。

寺院は高い塀で取り囲まれていて、入り口には衛兵が立っている。しかし、多くの人が自由に門を入っていく。門を入ると左手の方50m位のところに、黄金の塔が立っている。パンフレットによると「プラ・スイー・ラッタナ・チェーディー」と言うのだそうだが、なんの意味か分からない。仏舎利塔に見える。

しばらく歩いて、王宮入り口にたどり着いた。そこでチケットと服装チェックだ。中にはいると、そこがエメラルド寺院で、多くの仏教壁画や像が建っている。1つ1つに大きな意味があるのだろうがよく分からない。東南アジアの寺院は仏像を含めて、日本のそれと違って極彩色に彩られているので、寺院という感じがしない。どことなく台湾の道教の廟の感じがする。ただ、エメラルド仏が安置されている本堂へは、靴を脱いで参内し、座って礼拝をすることになっていた。やはりここは仏教だからお経を上げてお祈りをしてきたが、この本堂だけは皆さん厳粛な雰囲気であったような気がする。(カーンジーザイボーサツ~~~)

バスに戻って、11時5分出発。外は暑い。35℃くらいはあるだろう。



次回はバンコク市内でのショッピングとタイ舞踊の話です。