フルカワJAZZ道場 -36ページ目

フルカワJAZZ道場

お気に入りの1枚を探すために

暑中お見舞い申し上げます。
毎日暑くてどこか涼しい所へ
行きたいですねえ。
普段行けない、生活から完全に
切り離された別天地へ。
まぁなかなかそうもいきませんけど。
今回のテーマは「避暑」です。



「海への魅惑」

ペギー・リー
”貝がら”より
Kaigara_2 古いアメリカ映画とかを見ていると、1ヶ月もの
間、外国の避暑地へ旅行へ出る話がよくあります。
金持ちだと、家族全部で別荘に滞在したり。普通
そこでドラマがあるんですけど、何か刺激を求める
というより、ゆっくりくつろいで、その仕事から
開放された生活自体を楽しんでいるように見えます。
この歌もそんな日々の中で、波打ち際を散策しながら
珍しい貝がらを拾っているような光景が浮かびます。
なによりハープとハープシコード(ピアノの原型)
という取り合わせの少し古びた趣きが楽しく、選曲が
トラッドやフォークソングというのがしんみりしていて
グッドです。それでもなぜかジャズのバラードを
唄っているように聞こえるペギー・リーの歌声は、
暑さに疲れた心にしみいることでしょう。




「ストレンジャー・
イン・パラダイス」

ジゼル・マッケンジー
”ジゼル”より
Gisele_2 澄み渡った青空、どこまでも続く水平線。
その中の南洋の島にいて、まわりは誰も
知らない人々ばかり。歌声がその蒼(あお)の
中へ溶け込んでゆく。
この曲は孤独感というか、寂しさを聞くたびに
覚えるですが、元々ミュージカルの「キスメット」
の曲で、歌劇「イーゴリ公」の中のバレエ曲「ホロヴィッツ
の乙女たちの踊り」のメロディーを元にかかれたものです。
ジゼルの折り目正しい学校の先生のような唄い方は、
この歌に透明感を与え、楽園をさまよう傷心を感じさせる
のです。
ジゼルは1950年代から歌手として活躍し、いくつかの
TVショーを自分で受け持ち、ミュージカルにも多数
出演しています。このアルバムは1950年代のヒット曲を
集めたものです。



「チャンスズ・アー」

ベン・シドラン&クレメンタイン
”スプレッド・ユア・ウィング・アンド・ナウ!!"
Chancesare_3 これはどちらかというと暑さしのぎにバーに
飲みに行って、興がのったのでピアノ弾き語りで
おまけに女性歌手とデュエットしたというノリ
です。
クレメンタインは極端なウィスパー・ヴォイス
(ささやき声)で、それが特長なんですが、あまり
声量がないのか、一本調子な感じがあります。なぜか
デビュー当時の”風吹ジュン”を思い出しました。
スイセンの曲はサンバのリズムで、清涼感のすがすがしい
出来になっています。しかしジャズ色は薄く、ジャジーな
ソフト・ロック風という雰囲気ですか。男女のデュエット
といえばジョアン=アストラッド・ジルベルトにせまる
ものがあります。
このアルバムは1988年作で収録曲数は6曲で、
総時間が約23分と、かなり短いです。ジャケットの
イラストがユニークで、ライブ感があります。裏ジャケット
にはほぼイラストと同じクレメンタインの写真があって、
美人のようですが、でももう少しいい写真がなかったの
でしょうか。表ジャケットの左上にニュー・タレントとある
のでデビュー用のミニアルバムなのかもしれません。
それにしてもベン・シドラン唄いすぎ。ほとんど自作曲なので
上機嫌で唄っています。

暑さしのぎも様々です。
自分なりの涼を探しましょう。
台風の渦を乗り越えて!