フルカワJAZZ道場 -35ページ目

フルカワJAZZ道場

お気に入りの1枚を探すために

暑中お見舞い申し上げます。
毎日暑くてどこか涼しい所へ
行きたいですねえ。
普段行けない、生活から完全に
切り離された別天地へ。
まぁなかなかそうもいきませんけど。
今回のテーマは「避暑」です。

 

「海への魅惑」

ペギー・リー
”貝がら”より  
古いアメリカ映画とかを見ていると、1ヶ月もの間、外国の避暑地へ旅行へ出る話がよくあります。
金持ちだと、家族全部で別荘に滞在したり。普通そこでドラマがあるんですけど、何か刺激を求めるというより、ゆっくりくつろいで、その仕事から開放された生活自体を楽しんでいるように見えます。
この歌もそんな日々の中で、波打ち際を散策しながら珍しい貝がらを拾っているような光景が浮かびます。
なによりハープとハープシコード(ピアノの原型)という取り合わせの少し古びた趣きが楽しく、選曲がトラッドやフォークソングというのがしんみりしていてグッドです。それでもなぜかジャズのバラードを唄っているように聞こえるペギー・リーの歌声は、暑さに疲れた心にしみいることでしょう。

 



 

「ストレンジャー・
イン・パラダイス」

ジゼル・マッケンジー
”ジゼル”より  
澄み渡った青空、どこまでも続く水平線。
その中の南洋の島にいて、まわりは誰も
知らない人々ばかり。歌声がその蒼(あお)の中へ溶け込んでゆく。
この曲は孤独感というか、寂しさを聞くたびに覚えるですが、元々ミュージカルの「キスメット」の曲で、歌劇「イーゴリ公」の中のバレエ曲「ホロヴィッツ
の乙女たちの踊り」のメロディーを元にかかれたものです。
ジゼルの折り目正しい学校の先生のような唄い方は、この歌に透明感を与え、楽園をさまよう傷心を感じさせる
のです。
ジゼルは1950年代から歌手として活躍し、いくつかのTVショーを自分で受け持ち、ミュージカルにも多数出演しています。このアルバムは1950年代のヒット曲を集めたものです。

 

 

「チャンスズ・アー」

ベン・シドラン&クレメンタイン
”スプレッド・ユア・ウィング・アンド・ナウ!!"  
これはどちらかというと暑さしのぎにバーに飲みに行って、興がのったのでピアノ弾き語りでおまけに女性歌手とデュエットしたというノリです。
クレメンタインは極端なウィスパー・ヴォイス(ささやき声)で、それが特長なんですが、あまり
声量がないのか、一本調子な感じがあります。なぜかデビュー当時の”風吹ジュン”を思い出しました。
スイセンの曲はサンバのリズムで、清涼感のすがすがしい出来になっています。しかしジャズ色は薄く、ジャジーな
ソフト・ロック風という雰囲気ですか。男女のデュエットといえばジョアン=アストラッド・ジルベルトにせまる
ものがあります。
このアルバムは1988年作で収録曲数は6曲で、総時間が約23分と、かなり短いです。ジャケットのイラストがユニークで、ライブ感があります。裏ジャケット
にはほぼイラストと同じクレメンタインの写真があって、
美人のようですが、でももう少しいい写真がなかったのでしょうか。表ジャケットの左上にニュー・タレントとあるのでデビュー用のミニアルバムなのかもしれません。
それにしてもベン・シドラン唄いすぎ。ほとんど自作曲なので上機嫌で唄っています。

暑さしのぎも様々です。
自分なりの涼を探しましょう。
台風の渦を乗り越えて!