フルカワJAZZ道場 -37ページ目

フルカワJAZZ道場

お気に入りの1枚を探すために

外国映画の邦題って、何でこんな題が
付いているのだろうって思うものはありませんか?
原題を見たら全然ちがっていることも。
中には明らかにおかしいものもあるようです。
今回はジャズの曲名が映画名になっている
ものをとりあげましょう。

恋人よ帰れ!わが胸に
オープニングからBGMにジャズの有名なスタンダードが流れます。
題名が「恋人よ帰れ!わが胸に」=ラバー・カンバック・トゥ・ミー なんですから、当然でしょう。でも、”あれっ!ちょっとちがうぞ!!”
ユー・ド・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥが流れてる?
それじゃあ『帰ってくれたらうれしいわ』じゃないか。なんだかなぁ。
それならということで原題を見てみると、「フォーチュン・クッキー」となっていて、”富くじ”ってどういう意味だろう、どこに出てくるんだろうとそっちのほうが気になってしまいます。
登場人物を見てみると、ジャック・レモン扮するTVカメラマンのハリー、有名な黒人フット・ボール選手のジャクソン、ハリーの姉の夫で弁護士のウィリー、ジャクソン側の弁護団の3人、バンドリーダーと駆け落ちした売れない歌手のハリーの元女房、ハリーを見張る探偵2人など。
ストーリー
TVカメラマンのハリーがフット・ボールの中継中に選手のジャクソンと衝突し、転倒して気を失うところから始まります。
義兄のウィリーはチームやスタジアムから多額の賠償金を取れるチャンスだと思い、軽傷を一生マヒが取れない重傷と偽って告訴します。相手が超人気フット・ボーラーということもあって、マスコミは大々的に取り上げます。ハリーの逃げた元女房は鳴かず飛ばずの歌手生活に嫌気がさし、大きなショーを開こうと賠償金目当てにハリーの心配したフリをして戻ってきます。加害者側の弁護士たちは、ハリーの重傷を疑い、2人の探偵を24時間張り込ませて、ウソをあばこうとします。その騒動の一部始終を描いた風刺劇でなんですが、とにかく登場人物が腹黒い人物ばかり、まともなのは、被害者と加害者の2人のみといった、人々の駆け引きの面白さが画面いっぱいにあふれています。相手側の弁護団と腹のさぐりあいをし、なんとか賠償金を吊り上げようとするウィリー、元女房に戻ってもらいたくて、渋々寝たきりを演じるハリー、何の疑いも持たず寝たきりのハリーの世話を親身にやく人のいいフットボール選手のジャクソン、義兄にお金を取られまいと戻ってきたが、あげくは手を組む元女房、ビタ一文払う気もなく
いろいろ画策するジャクソンの弁護士たち、職務に忠実な太った男と平凡な監視にやる気をなくした、神経質なやせた男の探偵2人、さまざまな登場人物の思惑が同時に進行するシュチュエーション・コメディの傑作で、シーンごとに16もの題名が画面にテロップされ、舞台劇とというより戯曲そのままを映像化したような雰囲気が特徴です。
それにしても内容を見ても”恋人よ帰れ”というのはあまり重要でもないようです。
富くじはどこに?と思われた人、これもほんの少ししか出てきません。
悪巧みを皮肉る出かたなのですが、まあ、日本で言えば、
♪だあ~れもいないと思っていても、どこかでどこかでエンゼルが~♪
”お天道様はお見通しでぃ”
まぁ悪いことは隠せないということでしょうか。
三谷幸喜のコメディが好きな人にはオススメです。
キャスト
ジャック・レモンとウォルター・マッソーは
コメディにおける永遠の名コンビだと思います。この映画は白黒映画ですが、2人はこれが初共演。そのあと「おかしな二人」「ラブリー・オールド・メン」「カリブは最高」などがあります。始終強気な太った男と神経質な内気やせた男の
パターンは往年の”アボットとコステロ”より続く王道といえるのではないでしょうか。
そういえば、探偵役の2人もこの型に入るでしょう。
スラップスティックコメディもいいですが、たまにはこんな人間喜劇も面白いのではないでしょうか。

ちなみにユー・ド・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥは
コール・ポーターの曲です。
最近知ったのですが、これも題名が名誤訳?だそうで、
歌詞からすると”あなたのところに帰りたい”と
懐かしむ男が歌った曲のようです。
ヘレン・メリルの曲がヒットしたおかげで、女性歌手がよく唄うレパートリーとなったのでした。