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フルカワJAZZ道場

お気に入りの1枚を探すために

おじいさま、おばあさま、
ごきげんよう。
あなたたちの青春時代はどんな曲を
聞いていましたか?
蓄音機にかけられたSP盤の中に、
ラジオの流れる洋楽の中に、
きっとジャズの曲もあったのでせうね…。

今回のテーマは「オールド」です。

 

「俺は老カウボーイ」

ソニー・ロリンズ
”ウエイ・アンド・ウエスト”より  
これはソニー・ロリンズの定番中の定番なので、ご存知の人も多いと思いますが、今回に合わせて紹介となりました。
立派な鼻ヒゲをたくわえた老カウボーイがこれまた年老いた馬に乗ってパッカパッカ通り過ぎていく光景が浮かびます。
コミカルなメロディーですが、ロリンズの豪快な太い音がこの曲に威厳をあたえているように感じます。
それに、ジャケットの悦にいったロリンズの表情が素晴らしい。
奇をてらったものではなく、ジャズに遊びは必要だよという余裕のようなものが漂っています。

 



 

「オールド・フィッシャーマンズ・ドーター」

ダスコ・ゴイコヴィッチ
”スウィンギング・マケドニア”より  
まあこれの本当の主役は"娘"ですけど、”老漁師”という部分に魅かれました。漁に出て行く父を見守る娘でしょうか。帰りを待ちわびる娘でしょうか。そう考えていたら、「老人と海」のようだなとふと思いました。あっちのほうは子供(血のつながりはない)でしたけど。
幸いにもスペンサー・トレーシー主演の映画を見ていました。
セリフよりナレーションが頻繁に入る分、ドキュメンタリーぽい印象を受けたのを記憶しています。スペンサー・トレイシーの日に焼けたシワ深い顔が、原作と重なるので必見です。
曲の方はこのアルバム唯一ともいえる実験的なイントロから美しいメロディーのバラードへと続きます。曲中の娘が誰よりも美しいと思わせる、きれいな旋律です。
他にもアランフェス協奏曲を彷彿とさせる曲もあり、このアルバムは様々な色合いの糸を紡いで作り上げた織物のような作品です。

 

 

「オール・マン・リバー(オールド・マン・リバー)」

カウント・ベイシー・ビッグ・バンド
”ザ・ベスト・オブ・カウント・ベイシー・ザ・ルーレット・イヤーズ”より  
これは”オールド・マン”となっていますが、人ではなく”ミシシッピー川”のことです。もともとはミュージカルの「ショウ・ボート」の中の曲で、1951年の映画「ショウ・ボート」を見ると、黒人の農夫の悲哀を唄った曲です。(酔っ払って歩くだけで牢屋に入れられるという時代が悲しい)しかしミシシッピー川はそれを何もいわず、ただ流れていくという内容です。
この曲は演奏の極限といえるほど速い曲で、最初にこの曲を聞いたのもこのアレンジでした。でも、原曲はとてもスローなテンポの曲で、黒人霊歌のような雰囲気の曲なので、その違いに驚いた曲の一つです。ジャズ・メンには速弾き、速吹きがステイタスといえるのか、スローな曲が鬼のように速いテンポで演奏される
場合が多々あります。(ビル・エバンスの枯葉は一つの例)少人数ならともかく、それをビッグ・バンド全体で一糸乱れず演奏するのですから、逆のようですけど、原曲のスローよりハイ・テンポの方がワクワクしていいですね。

今回はいろいろな職業の人が出てきて、
”はたらく老人”になりました。
また違う機会に、SP盤で流行った曲を
探し出せたら紹介します。