最初に断っておくが、これは書評ではない。


高橋和巳氏の『我が心は石にあらず』


たしかに学生時代に先輩に勧められて読んだことがある。

だが二十数年経った現在、その内容は全く覚えていない。

そもそも当時もその思想どころか、文意すら理解していなかったと思う。


実はロシア文学に憧れた時期があった。

十冊ほど、無理して読んだ。

しかし登場人物の名前が覚えられないという、極めて阿呆らしく情けない理由で読むのをやめた。(ラスコーリニコフという名前だけは今も覚えているが)

だいたい私は重厚で難解な文章が苦手だ。

軽妙で、電車の中なんかで読んでいたら、思わず「ぷっ」と吹き出して恥ずかしくなるような文章を好む。


こんな私だから、高橋和巳氏の作品はいくつか読んだが、どれも心の中に入ってこなかった。

よって未だにタイトルの意味すら知らない。

知らないくせに、実は気に入っている。

我が心は石にあらず。

このフレーズ。

「こう見えても私の心は石じゃないんだから、傷ついたり悲しかったりがっかりしたりすることもあるんですよ」


本来の意味は違うらしい。

石なら転がる。転がれば憂いも晴れる。だが石ではない私の心は晴れることがない。

そんな感じ。

幸い私の憂いはたいてい長続きしないので、多少は転がっているものと思われる。

そこで思い出すのがこの諺。

転石苔をむさず。

英語では

A rolling stone gathers no moss.

苔を良いものとして解釈するか、悪いものとして解釈するかで意味が変わってくる。


結局、石は転がる方がよいのか転がらない方がよいのか?

私の結論は、

「別にどっちでも良い」


真面目に読んでくれた人がいたら申し訳ないが、こういう意味のない文章を書くことが好きなだけ。


でもThe Rolling Stonesでロックとブルースに目覚めた私は、どちらかといえば転石肯定派ということになる。


だから?


いや、まったくもって、どうでもいい話だ。