唐突に思い出した。学生時代の友人の話。


あこがれの女性との初デート。

映画を観に行く前に、喫茶店でしばし談笑(したかどうかは知らないが)。

緊張でカップを持つ手どころか、大腸も震えがちなひととき。

突如彼の表情が曇った。

腹が、痛い・・・。

(その後の彼の葛藤については面白いけど省略)

そして彼は言った。

「ちょっとトイレに行ってくるね」

繰り返すが、あこがれの彼女との初デートである。

「う○こしてくるね」

とはなかなか言えるものではない。さらにはそれをしていると思われるのも避けたい。彼は大急ぎで用を足し、席に戻った。

「お待たせ」

「うん。私も行ってくる」

「はへ・・・」

想定外の彼女の言葉に彼は焦った。においは大丈夫か・・・。

あのトイレに換気扇はあっただろうか?窓は?芳香剤は?

自分の行動の記憶を頼りに、その小部屋の構造を思い出していたとき、彼はとてつもなく重大な過ちを犯していたことに気づいた。

「な、流して、いない・・・」

あまりに急いで出てきたため、流し忘れていたのだ。

彼女は今、既にその小部屋に、いる。


その後、彼女は何も言わなかった。

その後、彼は何も言えなかった。

予定通り映画は観たらしいが、二人ともたいした忍耐力だと感心する。

それが最後のデートになったとのこと。

そのまま交際を続け、結婚していたら、笑い話になったのに。


さて、あなたが彼(彼女)ならどうする?


(書き忘れたけどタイトルには別に意味はない)