まず、原作を読んでいないので、「高校生の原作・作画コンビが漫画家を目指すお話」ということぐらいしか予備知識にはなかったです。
当時20代後半の佐藤健が高校生役はどうなんだと思ったものの、そこまで気にならず。
むしろ、終盤の身体壊してやつれてる感は実年齢が高い分「こいつ老けたな」と思わせるには良かったかなと思いました。
2時間強という時間制限があるため、主人公達はどんどん成功していきます、単なるラッキーということでなく努力している描写もありますし、舞台である週刊少年ジャンプのテーマである「友情・努力・勝利」に沿った感があるので良いのでは……とも思いましたが
高校2年次最初の持ち込みで読み返されて、指摘をもらってさらに描き直しを頼まれ名刺をもらう(主人公曰く第三段階クリア)→喜ぶ
そして持ち込みを繰り返し手塚賞準入選→高校生でこの結果は快挙なものの、ライバルと主人公達で目したすでにプロデビュー済の高校生漫画家は、前回の手塚賞で入選だったことから喜ばない佐藤健
と、努力→勝利を繰り返しているものの、手塚賞の勝利は中くらいのもの(いや、快挙であり大勝利なんでしょうが)であるため勝利しつつも敗北感を味わっていたのです。
余りにトントン拍子に成功しすぎて、「えぇ……」となるもののこの話自体も少年漫画だから仕方ないかと思うもののやや釈然としない私、十数年アシスタント等の経験を積みながら佳作で大喜びしている苦労人もいたので余計に引いてしまう。「友情・努力・勝利」を謳いつつも、主人公補正はどうしてもあるよね……と。
主人公は連載するか否かなの会議で弾かれ、本当の敗北、挫折を経験するもののそこも乗り越え、最終的には同期に遅れながらも連載へこぎつける。
ここでようやく、そうだよなぁ、本当の敗北ないと都合良すぎるよな……と主人公らにようやく感情移入。
さて、このお話にはヒロインがいましてそもそもそのヒロインが主人公が漫画家を目指すことになってしまった原因。
声優を目指すヒロイン、夢のためなら高校も中退するし、アイドル声優になったらなったで、「お互い成功したら結婚してください」と主人公に冒頭で言われて「ずっと待ってる」承諾するも、「アレはなかったことに」と連載と高校生の二重生活によって身体壊して入院している主人公に「ゴメンなさい」の一言もない強さ。
せめて謝れよ。
泣きっ面にハチというレベルではなく、主人公死ぬのかな、自殺するのかなとすら思いました。
だって主人公、その連載作品にヒロインがモデルのキャラクターをメインに出してましたし、再開したら別れを切り出されたその相手を書き続けなきゃならないなんてなかなかの地獄です。
ここで主人公に凄く感情移入できました。
お前は俺だ!と言いながら海をクロールしてジョルノ一行を追いかけるナランチャのように。
似たようなことがあったような
ただ、最後の最後でそのヒロインモデルのキャラクターに「ずっと待ってる」と言わせたのは未練や願望なんかが入り混じったものなのか、それとも連載終了も混みで吹っ切るためのものなのか。
主人公を切り捨てたヒロインからしたらそのキャラクターを惨殺してもサイコですが、「ずっと待ってる」もなかなかに怖いです。
連載終了して主人公コンビは楽しそうに次回作の構想を語り合って終わるのですが、その時本当に吹っ切れていたのかな……と、編集長をおじさんの仇のように睨みつけ続けていただけに疑問は残ります。
主人公には切り捨てられたヒロインがすり寄ってくるくらい成功を収めて欲しいなと思った次第です。
あ、一番の見せ場は窮地を同期の友情パワーで乗り越えるところですが、そこにはそんなに心が動かされませんでした、さすがに無理があるだろう、と。
なんだかんだで最終的には主人公に感情移入できましたが、途中までは主人公に、途中からはヒロインにモヤっとしてました。
それはそれとしてボソボソ喋る山田孝之と漫画家なのにヤンキーな桐谷健太が本当に良かったです。
終わり。